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【#ハンギョレ】「静かな虐殺」、なぜ命を絶つ20代女性が増えているのか

2020-11-14 03:19:41 | 新聞記事
20代女性の自殺率、日本の戦後世代と類似したパターン 
若年女性の雇用危機への沈黙が「静かな虐殺」招く 
「女性を労働市場の参加者として扱ってこそ自殺減少」

自ら命を絶つ20代の女性が、かつてないほど増えている。
 昨年の20代女性の自殺率は前年に比べ25.5ポイント増えた。今年1~8月に自殺を図った20代女性は自殺未遂者総数の32.1%を占め、全ての世代で最も多かった。全体の自殺率では依然として男性の方が女性より2~3倍ほど高いものの、20代の女性の自殺率の増加幅は、他の世代と性別を大きく上回る。
 ジェンダーメディア「スラップ」が12日に公開した動画「『静かな虐殺』が再び始まった」は、なぜ「90年代生まれの女性」たちが命を絶っているのかを問い、韓国社会が「静かな虐殺」に答えるべき理由を示す。
 スラップのインタビューに応じた中央大学のチャン・スンナン教授(看護学部)は、2019年に発表した自身の研究結果(青年女性の自殺問題)をもとに、20代女性の自殺率増加パターンが第2次世界大戦を経験した日本の戦後世代(1902年~1920年生まれ)と類似する様相を呈していると述べる。
 「帝国主義時代に参戦した世代、敗亡した国に耐えねばならなかった青年たち、その青年たちがうつ病に苦しみ続け、(生涯を通して)高い自殺死亡率を記録しました。そのことを私たちは『コホート効果』(特定の行動様式を共有する人口集団)と呼びます」

 チャン教授は付け加える。「韓国にもそのようなコホート効果が同じように見られるか調べたら、20、30代の青年でした」
 チャン教授は特に、1996年生まれの女性の自殺率は1956年生まれの女性に比べて7倍高いという点に注目した。
 「90年代生まれの中でも、90年代後半生まれになるほど自殺死亡率が高まるんですが、80年代生まれの母親の世代である50年代生まれと比較すると、80年代生まれはほぼ5倍、90年代生まれはほぼ7倍の差がありました。結果的には、母親たちより娘たちの方が20代に自殺を選択する、そのような生活条件が5倍増加したということでしょう」

 日本の戦後世代が戦争を経験したからこそ感じたような傷が、今日の韓国の若い青年たち、特に20代女性たちの生活を締め付けているということだ。
 韓国女性労働者会のイム・ユノク諮問委員は、20代女性の自殺率急騰の原因を次のように分析する。
 「私たちの社会において核となる人材には男性労働者がなり、女性は補助人材として必要とされる時に働き、不必要ならいつ切ってもよい余剰人材のように利用されてきましたよね。だから女性たちが主にサービス業種を担うようになり、コロナ禍ではサービス業種が最も大きな打撃を受けているから、20代女性も最も大きな打撃を受けているのです」

 韓国女性政策研究院が分析した資料「9月の女性の雇用動向」によると、女性の失業率は3.4%で、前年同月より0.6%増。そのうち20代女性の失業率は7.6%で最も高かった。
 イム諮問委員は、労働市場において脆弱な地位にある若い女性たちの失業に対する韓国社会の沈黙が「静かな虐殺」を呼ぶと語る。
 「3月だけで12万人の20代女性が職を失いました。圧倒的です。でも騒ぎにはなりませんでした。こうして『静かな虐殺』がまたもや繰り返されるというわけですが、韓国社会が危機に対応するやり方が、私は非常に家父長的だと思います」

 高麗大学保健政策管理学部のチョン・ヘジュ教授は、女性が労働市場において「同等な構成員」として認められるかどうかが自殺率にも影響を及ぼしうると分析する。
 「(女性の)大学進学率は男性より8%高い状況ですよね。この部分が労働市場での地位を含めた社会的地位へと移転されないということです。韓国の女性はまさにその位置にいるんです」

 チョン教授は欧州の事例を挙げる。「結局、(欧州では)青年の自殺に最も大きな影響を及ぼす因子は、女性の労働市場参加率です。女性が『家庭内の女性』として考慮されるのではなく社会の同等な構成員として考慮され、ともに社会の発展のために協力する「労働市場の参加者」とされることが、欧州を含めて韓国の男女自殺率の減少に役立ちます」
 チョン教授は「家族に対する政策的支援が多いほど、若い女性の自殺率が増加する傾向がある」という欧州の研究結果も提示する。
 「非常に驚くべきことですが、児童手当などもすべて含めて、家族が上手く維持されて発展できるように支援する政策なんですが、実際は家族を形成する考えがなかったり形成していない人には、まったく役に立たないということです」
 「家族中心」に設計された政策的支援は、労働市場において独立した個人として生きようとする若い女性に届かず、こうした女性を支援策から排除し、むしろ自殺率を高める結果を生むということだ。

 韓国女性政策研究院が先月31日に発表した「青年世代の生涯展望における男女の違い、少子化の根本原因」も似たような見解を示す。
 「青年はもはや、結婚制度が生涯にわたって生存の基礎となるだろうとは思っていない。若い女性たちは全生涯にわたって労働中心的な生涯を維持するという切迫した選択をしている」
 結婚と出産を前提とした支援政策は、自身の職業とキャリアを中心として人生を設計する「個人」である若い女性とは乖離せざるを得ないという分析だ。
 スラップのユーチューブ・チャンネルの動画には「共感するし心が痛む」との趣旨のコメントが200件以上も寄せられた。

 「90年代生まれとして、私の同世代たちが同じ苦しみを感じていることに、とても心が痛む」
 「雇用も雇用だが、家父長制社会で幼い頃から経験してきた女性嫌悪的文化と差別が一つ二つと蓄積されることで無気力を学習しつつ成長し、労働市場で大きな挫折を経験したことが自殺へとつながるのだと思う」

 「同年輩たちが死にたくないと思える世の中になればと思います。また、望んでばかりいないで、私も個人のできる範囲で努力します。この動画を見た皆さんもそうしてくれたら嬉しいです」

イム・ジェウ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/969898.html


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