伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

いわき民報の「くらし随筆」に書いています

2021年08月27日 | 活動報告
 いわき民報の知り合いの記者から、同紙の「くらし随筆」に書いてくれないかと依頼があった。
 「エェッ」。

 この半年以上、何らかのテーマをもった文章を書いていない。議員をしていた頃は、会派の議員らと議論をしながらテーマを決め、「議員だより」の記事を数多く書いてきた。

 しかし、いま、8月から10月まで週1回、13回もテーマを据えながら記事を書けるのだろうか。そこが問題だった。

 まあ、何とかなるだろ安易な考えのもと、寄稿を始めたのだが、とりあえず、4回までは寄稿できた。

 1回目と2回目は以下のように掲載された。




ワクチン

 配布予定が延期されていた新型コロナウイルスワクチンの接種券が届き、早速1回目を接種してもらった。
 幸い注射部位の若干の痛み以外に副反応はなく、3週間後の2回目を待つばかりだ。
   ◇
 昨年の秋から、遠野和紙の材料となるコウゾの繊維を作るボランティアに参加している。
 今の季節は、草刈りなどの畑作業に従事する。この時、ワクチンが話題になることがある。予約の苦労や接種体験の話の輪に、「接種券がまだ届かない」と混ざると、「ある意味うらやましい」と笑われた。昨年還暦を迎えたが、ここではまだ若手なのだ。
 多くは経験を積んだボランティアで、人生でも、作業においてもベテラン揃い。ワクチン接種でも先行するベテラン。接種経験も継承する。2回目に副反応が強めに出た人もいた。さて、私は、どうなることか。
   ◇
 本市の感染が爆発している。デルタ株の可能性がある変異型が増えているという。ワクチン接種は道半ばだ。国次第だが、必要な接種を終えて安心を得られる時が待ち遠しい。引き続きマスクの着用など感染防止の継続を肝に据え、その日を待ちたい。





オバケだぞ


 遠野に住んで34年になる。12年前には、飼い始めた愛犬と散歩を始めた。今では、2頭の中型犬と、往復3㎞をほぼ毎朝歩く。
 散歩道は面白い。「オバケだぞ」。この季節、両腕を広げた白い花・ミヤマウズラが脅かしてくる。放射状に広がるトゲを背負う怪獣もいる。ハゴロモ類の幼虫だ。
 オバケに怪獣。何とも物騒だが、オバケは夏の定番だ。お盆にはご先祖の霊が帰ってくるともいう。時宜にはかなっているだろう。
   ◇
 お盆には、先祖の霊を慰めるじゃんがら念仏盆踊り大会が、遠野で開かれてきた。各地区の踊りが集い、夜空の花火を背景に演舞する様は、見応えがあった。
 今年は、新型コロナウイルスの流行で中止になった。2年連続だ。徘徊し続けるコロナというオバケは何とも恨めしい。
   ◇
 さて、散歩を始めて気づいた。同じ景色でも、車から見ていた世界と異なる。足下の山野草や視線をかすめるチョウやトンボ、梢を渡る野鳥が、時期によって替わっていくのだ。
 速さを求める世界で、見過ごしていたものがたくさんあったのだろう。気づきの機会をくれた愛犬に感謝を贈ろう。


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