昨年、抽出検査でセシウムが安全値とされた地域のコメから、後日、基準値を超えるコメが相次いで発見された教訓から、今年度収穫米は全袋検査を実施することになり、始まっています。県補助によりいわき市内ではJAいわきが5ヶ所(4ヶ所が出荷米、1箇所が縁故米・自家消費米)、JAいわき中部が1ヶ所、また(株)相馬屋、(有)米問屋、福島糧穀(株)、合計9ヶ所で検査が行われています。もちろん費用は無料です。
米の線量測定時間は1袋5秒、検査台に載せて測定し台から下ろすまでで約30秒かかります。1台の測定器が1日に検査できる米袋の数は、8時間稼働として960袋。9台がフル稼働をすると仮定すれば1日8,640袋を検査することができます。いわき市で収穫する米は約75万袋ですから、3ヶ月かければ全部の袋の検査が実施できる計算となります。
ところが縁故米・自家消費米(ややこしいので以下縁故米と表記します)の検査でトラブルが発生しました。来年にならなければ検査予約が入らないというのです。全袋検査は農協出荷の米と縁故米に分けて行われます。ところが「12月末まで予約がいっぱい」(9月の田人町まちづくり懇談会での住民発言)、「10月4日に予約をしたら来年1月26日と言われた」など、年を越した検査に憤りの声が聞こえてくるのです。
こうなってしまったのは縁故米検査の予約の取り方に問題があったようです。検査の予約件数(申込者数)でスケジュールを組んだため、実際に必要な検査時間よりも余計に時間をとったスケジュールになっているようなのです。
検査申込み1件あたりの検査時間は、1件当たりどれだけの米袋が持ち込まれるかによって変わります。20袋なら10分、100袋なら50分というようにです。聞いた中では5袋だけ検査するという人もいました。これだとわずか2分30秒で済んでしまいます。ところが詳しくはわかりませんが、1件あたり例えば30分(検査数は60袋)と計算すれば、一日16件の検査しかできません。これでスケジュールを組んでいくと、実際の検査可能数より少ない予約しか受けられなく恐れがあるわけです。実際、当初そのようなスケジュールを組んだようです。これが来年にならなければ検査の予約を入れられない原因になっているようです。
いま、その是正を図っています。一つは予約は袋数でスケジュールを組むということ。二つに午後5時までだった検査時間を延長したこと。三つに出荷米の検査を予定していたJAいわきの4ヶ所の測定所について、平日は出荷米、土日は縁故米の検査を入れるようにして、縁故米の検査促進をはかるようにしたこと。
ただしこの対応の効果が、検査予約日の前倒しという形で目に見えるようになるのは少し先になりそうです。当初、1件当たりでくんだスケジュールに入っている農家の収穫が終わっていないために、どの程度検査を前倒しできるか、予測することが困難な状況にあるためです。これが分かるようになるのは、ほとんどの農家が収穫を終え、検査に回される袋数が分かった段階ということになります。そこまではもう少し時間がかかりそうです。米の全袋検査に予約したみなさんの検査日時が早くなる事は間違いないとは思います。しかし、今は、どれだけ早くなるのかその目途をお伝えすることはできません。もう少しお待ちください。
検査期日がずいぶん先になるという現在の騒ぎは、ちょっとした事務的ミスが原因とはいえますが、検査装置の台数などに問題がないのかも検証してみることが必要です。
秋になって、実りを収穫し新物を食することは、繰り返される四季の中でも特別の喜びを日常にもたらしていると思います。同時に縁故米などで販売している方は、お客さんにひきとってもらえるかどうかも重大な関心事であり、稲作継続の意欲の源ともなります。早期に出荷できるよう、早期に検査できる体制をとることがその保障です。検査装置が不足しているために、検査が年明けになってしまうようならば、改善も必要でしょう。
検査をしなければ出荷できないようになったのは農家の責任ではありません。「新米」が「新古米」(こんな日本語はないと思いますが)にならないうちに食べることができるよう、また販売ができるように、東電や国をはじめ原発政策に群がり潤った関係者がしっかりとした検査体制を構築してほしいと思います。
★
写真は米の全量検査とは関係がありませんが、遠野町深山田でお布団農法を取り組んでいる知人が、無事に実りを向かえ、稲刈りをしていました。その田んぼの畔では1週間前、ヒガンバナが咲き誇っていました。
米の線量測定時間は1袋5秒、検査台に載せて測定し台から下ろすまでで約30秒かかります。1台の測定器が1日に検査できる米袋の数は、8時間稼働として960袋。9台がフル稼働をすると仮定すれば1日8,640袋を検査することができます。いわき市で収穫する米は約75万袋ですから、3ヶ月かければ全部の袋の検査が実施できる計算となります。
ところが縁故米・自家消費米(ややこしいので以下縁故米と表記します)の検査でトラブルが発生しました。来年にならなければ検査予約が入らないというのです。全袋検査は農協出荷の米と縁故米に分けて行われます。ところが「12月末まで予約がいっぱい」(9月の田人町まちづくり懇談会での住民発言)、「10月4日に予約をしたら来年1月26日と言われた」など、年を越した検査に憤りの声が聞こえてくるのです。
こうなってしまったのは縁故米検査の予約の取り方に問題があったようです。検査の予約件数(申込者数)でスケジュールを組んだため、実際に必要な検査時間よりも余計に時間をとったスケジュールになっているようなのです。
検査申込み1件あたりの検査時間は、1件当たりどれだけの米袋が持ち込まれるかによって変わります。20袋なら10分、100袋なら50分というようにです。聞いた中では5袋だけ検査するという人もいました。これだとわずか2分30秒で済んでしまいます。ところが詳しくはわかりませんが、1件あたり例えば30分(検査数は60袋)と計算すれば、一日16件の検査しかできません。これでスケジュールを組んでいくと、実際の検査可能数より少ない予約しか受けられなく恐れがあるわけです。実際、当初そのようなスケジュールを組んだようです。これが来年にならなければ検査の予約を入れられない原因になっているようです。
いま、その是正を図っています。一つは予約は袋数でスケジュールを組むということ。二つに午後5時までだった検査時間を延長したこと。三つに出荷米の検査を予定していたJAいわきの4ヶ所の測定所について、平日は出荷米、土日は縁故米の検査を入れるようにして、縁故米の検査促進をはかるようにしたこと。
ただしこの対応の効果が、検査予約日の前倒しという形で目に見えるようになるのは少し先になりそうです。当初、1件当たりでくんだスケジュールに入っている農家の収穫が終わっていないために、どの程度検査を前倒しできるか、予測することが困難な状況にあるためです。これが分かるようになるのは、ほとんどの農家が収穫を終え、検査に回される袋数が分かった段階ということになります。そこまではもう少し時間がかかりそうです。米の全袋検査に予約したみなさんの検査日時が早くなる事は間違いないとは思います。しかし、今は、どれだけ早くなるのかその目途をお伝えすることはできません。もう少しお待ちください。
検査期日がずいぶん先になるという現在の騒ぎは、ちょっとした事務的ミスが原因とはいえますが、検査装置の台数などに問題がないのかも検証してみることが必要です。
秋になって、実りを収穫し新物を食することは、繰り返される四季の中でも特別の喜びを日常にもたらしていると思います。同時に縁故米などで販売している方は、お客さんにひきとってもらえるかどうかも重大な関心事であり、稲作継続の意欲の源ともなります。早期に出荷できるよう、早期に検査できる体制をとることがその保障です。検査装置が不足しているために、検査が年明けになってしまうようならば、改善も必要でしょう。
検査をしなければ出荷できないようになったのは農家の責任ではありません。「新米」が「新古米」(こんな日本語はないと思いますが)にならないうちに食べることができるよう、また販売ができるように、東電や国をはじめ原発政策に群がり潤った関係者がしっかりとした検査体制を構築してほしいと思います。
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写真は米の全量検査とは関係がありませんが、遠野町深山田でお布団農法を取り組んでいる知人が、無事に実りを向かえ、稲刈りをしていました。その田んぼの畔では1週間前、ヒガンバナが咲き誇っていました。
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