2017.06.19
この週も朝一の採血から始まる
カレンダーではこの週、高熱に襲われる予定だ。
そんなにきっちりと暦通りにいくものか。と勝手な強がりは、
ものの見事に打ち消された。
夜中、高熱で目が覚めた。
一度、人生で最大の高熱を経験しているからか、ぽかぽかと体が火照る
ような妙な感覚だった。
体温計の数字は、38℃を示していた。
この日からほぼ毎日のように38℃台を記録した。
その都度解熱剤の点滴を投与され、時には解熱用の錠剤も処方された。
38℃台が2回以上続くと、別の症状も心配されるため、2回目の38℃台の
際に、別枠で採血をする。
通常の蚊に刺された様なものとは違い、タバスコの親玉のような
ビーカーに2本分、採取するのである。
高熱による血液中の細菌の含有を確認する為だ。(血液培養検査)
仰向けの状態なのでそのビーカーは確認できないが、かなり長い時間
抜き取られていた様に記憶している。
採取したものは即、検査に廻すため看護師さんはすぐに病室を出て
行った。
その物体を一度も確認することは出来なかった。
ただ、感触として残っているのは、大きいビーカー同士がぶつかり、
キンキンとなっていた音と、採取中の看護師さんの脈動だけである。
やがて、2回目の赤い方の輸血の前日を迎える。