二日目
朝六時半に朝食をとり、と言っても牛乳とコーヒーだけだが、ロビーで運転手を待つことにした。
昨夜の駐車場はいっぱいだったし、朝早いにも関わらずダイニングも結構人がいた。
従業員は少ないけれど、繁盛しているらしい。
入り口の横には見慣れたタクシーがすでに待機していた。
もう来ている?
朝早くからありがとう。
車に乗って一路トドワラ行きの船が出る尾岱沼港へ。
トドワラとは何か?
かなり前にトドワラに行ったことがあった。
その時は「この世の果て」という言葉がぴったりの場所だった。
荒涼とした湿地帯にまるで木々が骸骨のような姿で並んで立っていた。
その風景が忘れられず、数十年経った現在もう一度訪れてみたいと思ったのだ。
トドワラは北海道東の爪の先のような野付半島にあるので、まずは船で海側からトドワラへ。
利用した船は ↓ だと思うが定かではない。
本来は小さな船を予定していたらしいが、天候が思わしくないとのことで欠航になり、比較的大きな船に変更となった。少し残念。
展望デッキがついているので、早速登ってみる。
乗客は我々を含めて7−8名。
ガラガラ。
デッキに登ると風が強く寒い。
薄手のコートとマフラーを持ってきてよかった。
青い海と空の間に浮かんでいるような野付半島。
海は一日中見ていても飽きないし、心地よい。
船酔いはしないタイプだから、多少揺れるのも楽しい。
↑ 何の印だか説明があったのだが、忘れてしまった。
突然船のガイドさんが「あざらしが左手に顔を出しました!」と叫んだので乗客は一斉に左へ。
当然アザラシは動物だから、止まってはくれない。
あざらし一匹に人間が右往左往。
遠くで私のカメラと腕では大きく撮ることはできなかったゴマフアザラシ ↑
桟橋に到着。
降りた先にあったのは私の記憶にある世界ではなかった。
朽ちた木がチラホラ ↑
貝殻だらけの海岸 ↑
あさり漁をする人達 ↑
ザルいっぱい獲れたアサリを「東京で買ったら高いぞ」と言いながら見せてくれた。
風化してしまった木々はやがて全てなくなってしまうのだろう。
残念だが、時の流れや自然には誰も逆らえない。
また海を見ながら港へ。
ゴマフアザラシの泳ぐ姿も見ることができたが、速く泳ぐので写真に撮るチャンスはなかった。
港に戻ると、観光バスが止まっていた。
次の便に乗るらしい。
8時半出港の便しかない、と言っていたのは団体客が次の便に予約していたからだとわかった。
ガラガラじゃなくて満席だったのね。
案内所のそばで群生するオダマキを発見。
こんなところにオダマキが、と驚きながらナラワラへ向かった。