アメリカ軍がアフガニスタンから撤収する事になって、イスラム原理主義タリバンが政権を奪取した。
アメリカ軍がアフガニスタンに侵攻したのは、9.11同時多発テロの報復でアルカイダを殲滅するためだったが、
首謀者のオサマ.ビン.ラディンをやっつけても「アフガニスタンに民主的な政権を作る」と言ってタリバンと戦い続けた。
そして形だけの民主的政権が出来たが、汚職にまみれた政権で治安維持軍は士気も無い状態。
アメリカは膨大な時間と金を浪費した挙句に撤退する事になり、結局元のタリバン政権に戻りアフガニスタンは大混乱に陥っている。
では何故、こんな事になったのか考えてみる。
当初の目的は同時多発テロの報復であったはずだが、それだけでは世界的な支持は得られない。
というわけで、目的が「アフガニスタンに民主的政権を作る」に置き換わった。
アメリカはよくこの手合いの戦争をやっている。
第二次世界大戦ではアメリカは日本をぶっ叩いて、日本を軍事国家から民主的国家に作り変えた。
禁断の核兵器を使って何十万という市民を虐殺してようやく屈服させたのだ。
その後、アメリカは朝鮮、ベトナムなどで戦い続けたが、朝鮮では南北に国を分ける事となり、
ベトナムに至ってはいたずらに戦力を消耗しただけだった。
アメリカの理想を他国に押し付ける事が如何に困難なのか、という事を分かっていないのではないかと思う。
国は民を以って元となす。
民意を得られないタリバン政権やミャンマーの軍事政権が長続きするとは思えないが、
そういった政権を支持する国があるのも確かだ。
真の敵国を見定めて戦わなければいけないのかもしれない。