新・壊れかけの歯車

企業の歯車になりきれないSE(=スチャラカエンジニア)Hiroの日記

ロシアの軍事戦略論

2022-05-05 00:40:00 | 日記
ロシアがウクライナに軍事侵攻を開始して2ヶ月が過ぎた
しかし当初の予測とは裏腹に、ウクライナの首都キーウを陥落させる事は出来ず、現在もウクライナ東部でロシア軍は苦戦を強いられている

様々なメディアが
「何故ロシアのプーチン大統領はこの戦争を起こしたのか」
と騒ぎ立てている

軍事戦略的にみれば、愚の骨頂であることは今更言うまでもない

そもそも、戦争を仕掛けるのであれば、自軍の戦力はもとより、相手の戦力、国力、その他もろもろを俯瞰的に見比べて、勝機がどこにあるかを見出してから行うものだ
孫子の兵法にも「勝者は先ず勝ちてしかる後に戦いを求め、敗者は先ず戦いてしかる後に勝ちを求む」とある

では何故プーチンはこんな愚行に出たのか

ロシアも軍事大国だから、もちろん軍事戦略の研究機関やその道に精通した軍事参謀がいないわけがない
その人たちから見れば、プーチンはなんと愚かな事をしたのかと思っていることだろう
自分たちの意見を取り上げてくれれば、こんな愚行をせずにすんだのに、と

しかしながら、ロシアの政権構造を考えると、それが出来なかった理由が見えてくる
20年近く独裁権力の座に座り続けるプーチンに意見出来る人間は少なくなる一方で、プーチン本人はいつ誰に裏切られるか分からないという猜疑心から、特定の人間を重用することをしていない
今度のウクライナ侵攻でも、軍事戦略を綿密に練っていたとは言いがたい
どちらかと言えば、そうした軍事参謀を重用して作戦が成功した場合に、プーチン自身以上にその軍事参謀がロシアで英雄とされるのを嫌がったのではないか

加えて言えば、ロシアという国は過去の歴史をみても、群雄割拠して覇を競うような戦国時代という経験がほとんど無い
近代の大きな戦争でも、ナポレオンとヒトラーに侵攻され、日露戦争で日本海海戦でバルチック艦隊が敗北したというくらい
自分の少ない知識での勝手な見解ではあるが、ロシアというのはそもそも戦争が下手なのではないか
だから、核兵器や強力な武器を持ち、ハッタリをかます必要があったのだが

今回のウクライナ侵攻でそうしたメッキが全て剥がれ落ち、はだかの王様と化したプーチンもろともロシアが崩壊していくのかもしれない