平瀬司法書士・行政書士事務所のブログです!

日常の業務の中で感じたことなどを、できるだけ分かりやすく書いていきたいと思っています。

遅延損害金を請求することを意識する。

2024-03-11 17:00:38 | 賃貸トラブルについて

家賃滞納の場合、大家さんや管理会社の方々は、滞納した金額だけを請求されることがよくあります。

5万円の家賃を6ヶ月滞納したら30万円請求するということです。

しかし厳密に言うと、滞納した家賃には遅延損害金が発生しています。通常、賃貸借契約書に損害金の利率が記載してありますので、無効なほど高利率でないかぎり遅延損害金を加えて請求できることになります。賃貸借契約書に損害金利率の記載がない場合は、法定利率で請求することになります。小さいことのようですが、場合によっては大きな金額になります。

相手との交渉の際に、なんらかの譲歩をした方が話がまとまりやすいと感じたときは、滞納家賃の元本を減少させるのではなく、まずは遅延損害金をカットすることも検討すべきではないでしょうか?

ちなみに、この理屈は家賃滞納の場合だけではなく、貸金など他の金銭債務にも当てはまります。

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明渡(立退き)についてよく聞かれる質問(1)

2024-03-10 20:39:23 | 賃貸トラブルについて

アパートなどの明渡(立退き)に関して、よく聞かれる質問で「家賃滞納している借主が行方不明なんだけど、なんとかできますか?」というものがあります。

それに対する答えは「通常、現在の住所は判明します。ただ、役所も把握していない場合は無理ですが・・・」です。

家賃を滞納している借主に対しては、大家さんは家賃支払い請求権を持っていますので、家賃支払いを請求する訴訟を提起する前提として借主の住所を探すことができます。ですから、借主が行方不明でも相談して頂けたら良いと思います。

もし、役所も把握していない場合は、借主がどこに住んでいるかは不明ですが、それでもその後の手続きは進められますので相談して頂けたらと思います。

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家賃保証会社による違法行為

2022-11-29 15:15:43 | 賃貸トラブルについて

 家賃保証会社が保証している賃貸住居で家賃滞納があると、保証会社が代わりに支払います。それは当然のことなので問題ないのですが、その後保証会社が賃借人に対し退去を強要する事例があるようです。保証会社が勝手に鍵を交換したり、家財道具を処分したりして退去を強要するようです。

 保証会社が代わりに支払うと、賃借人に対して求償権を持つわけですが、
それはそれだけのことで退去を求める立場にはありません。賃借人に対して求償権を持つわけですから、支払えと請求することはできますが、勝手に鍵を交換したり、家財道具を処分したり、退去を強要することはできません。逆に賃借人としては、不法行為による損害賠償請求ができますし、住居侵入罪や窃盗罪として刑事責任を追及することもできます。

 退去を強要するほどではなくても、家賃を支払うよう限度を超えた請求をする事例もあるようです。この場合も不法行為や犯罪が成立する場合があります。

 以上は過去の事例ですが、現在はどうなのでしょうか?
もし、家賃保証会社から限度を超えた行為をされた場合は、民事上も刑事上も責任を追及できるので、恐れず弁護士や司法書士に相談すべきです。

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滞納家賃を督促する事務は本当に大変

2022-11-28 18:29:39 | 賃貸トラブルについて

「家賃滞納が長引いて解決できない」とか「明渡が、なかなか解決できない」という問題を抱えている方は、それなりの数いらっしゃるようです。

そんな問題がある物件を、管理をされている会社の記録を見せて頂くと、その事務が大変な量であることが分かります。

電話・文書・訪問などで督促する訳ですが、電話だけでも、やり取りを記録するのは大変です。請求書などの文書を出すとなると、もっと大変で、特に内容証明を出す手間は一仕事ではないかと思います。電子内容証明郵便だと、かなり楽ですが・・・。訪問するのも相当大変でしょう。ご苦労されていることがヒシヒシと理解できます。

ただ、そんな記録に接するうちに以下のようなことを感じます。
・家賃を滞納することは犯罪ではないので、「警察に通知する」などと借主に言うのは止めるべき
・管理会社などは、一線を越えると非弁行為になる可能性があります。今は一般市民も権利意識が高く、かつネットで検索可能ですから、法的に反撃されるかもしれません。注意が必要です!!
・督促を繰り返しているうちに事態が悪化することが多い
・督促する側の労力・ストレスは大変なもの
借主も訳あって滞納するのですが、それに付き合っていても事態はなかなか好転しないようです。

いつまでも督促を繰り返すような今までの認識を転換して、第三者である司法書士・弁護士に解決を依頼する方が良いように感じています。

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なぜ家賃を滞納しても、なかなか明渡請求しないのか?

2022-11-28 18:19:40 | 賃貸トラブルについて

賃貸物件の管理をしている管理会社(不動産屋さん)の話を聞くことが多いのですが、どうも理解できないことがあります。


それは、借主が家賃を滞納しても、なかなか明渡請求しないケースが割とあることです。
その理由をいろいろと推察すると、


 ・入居者が全くの他人ではないのか?

 ・他人なのだが、長年のうちに親しくなったのか?

 ・明渡の進め方が分からないのか?

 ・プロ(弁護士・司法書士)の報酬等が惜しいのか?

 ・訴訟などに発展することを嫌うのか?

 ・以前、プロに依頼したが満足できる結果ではなかったのか?

 ・自分でどうにか解決しようと考えて、結果として時間だけが経過したのか?

 ・オーナーに経済的な余裕があり、かつ愛情あふれる人なのか? 

 ・管理会社(不動産屋さん)が、人が良すぎるのか?

 ・借主が怖い人なのか?

 ・解決に向けた行動をすることが面倒なのか?

 ・先延ばしする癖があるのか?


などと様々なことが頭に浮かびますが、実際の理由は依頼されないので分かりません。

時間が経過することによって事態が悪化することの方が断然多いと思いますが、なかなか進展しない印象があります。

マイナス面を考えると、
 ・滞納額がドンドン増えていく。
 ・滞納額が増えた結果、連帯保証人が怒る。
 ・借主に甘えが出てくる。
 ・管理会社としての信用を失う。
 ・自分で解決しようとすると非弁行為の可能性がある。
 ・請求書や内容証明を出す事務が大変。
 ・滞納額や滞納時期などを管理する必要がある。
 ・報酬を取れない事務が増える。
 ・連帯保証人が年老いて支払能力がなくなる。
 ・消滅時効が気になり出す。
 ・面倒くさいことが増える。
 ・ドンドン解決するための労力が大きくなる。
 ・プラスになる仕事に労力をかけられない。その結果、良い仕事を逃す。
 ・以上のような結果として、しなくて良いはずの喧嘩が起こる。
などでしょうか?

普通に考えると、早々とプロに依頼した方がビジネスにはプラスだと思うのですが、いかがなものでしょうか?

まずは、相談してから後のことを考えれば良いと思います。

平瀬司法書士事務所には、気軽に無料で相談できます。
自分一人で悩むより、相談することによって光明を見出せるかもしれません。

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