ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

◆ 『おねえちゃんって、いっつもがまん!?』 いとうみく 作 つじむらあゆこ 絵 岩崎書店

                       

 おねえちゃんシリーズ3作目です。


 一年生のココちゃんのおかあさんと、三歳のなっちゃんのおとうさんが結婚して、二人は姉妹になった。

 でも、妹のなっちゃんの方が、ココちゃんよりデカイ!!
 そして、<草木も厭がる三歳児>と、俗に言われるとおり、三歳のなっちゃんは、かなりの怪獣ぶりなのだ。

 私は、おねえちゃんのココちゃんの心情を思うと、とても切なくなる。


 というのは、私の父は再婚で、私は後妻の子なのですが、物心ついたときから、先妻の子に対し、母も気を遣い、それは当然、私も気を遣い、まぁ、父も、やっぱり気を遣っていた。

 同じことをしても、両親は先妻の子を叱ることはなかった。

 私は、そういうものだと諦めていたが、先妻の子は父に対して、なぜ叱らぬと悲痛な顔で言っていた。



 よそ目には、まったく問題などない平凡で平和な家庭だったが、私は五年生ぐらいから、家族のそれぞれがこの気を遣うという前提でなりたっている<家>から、遁走したいと考えるようになった。

 
 気を遣うという日常に、自分の本来の姿を、見いだせずにいた。


 実は、それが大きな理由で、私はかなり早い年頃から、親元を離れ地元ではない札幌の私学の学校へ行くことにした。

 親元を離れることを認めてくれた、今は亡き両親にはとても感謝している。



 私は、ココちゃんに、なっちゃん以上の怪獣になってもらいたい。


 いつも、そんな思いで、胸をしめつけれられながら、このシリーズを読んでいる。


 で、ようやく内容にちょっと触れる。(相変わらず自分のことばっかり、長々と語ってしまう私です。)

 明日がココちゃんの運動会という日。
 デカイ妹のなっちゃんが、運動会のお弁当は「おいなりさんがいい!」と言い張るのだ。
 すると、
 おかあさんが、それに同意するのだ!!(私は、内心、アリエナイ!を連発する)
 当然、
 ココちゃんは、自分の運動会なのに、「おにぎりがいい!」と言うのです。(ココちゃん、ここは怪獣になるのだーーー!!!と、私の内心の声)

 すると、
 おかあさんが、運動会は給食でしょ、と言うのだ!

 (えっえっえっ〜、給食〜〜!! 作家のいとうみく、こう来たか!←内心、私は足元、掬われ愕然!)

 で、
 運動会当日の朝、その食卓に、おにぎりが、どっさり、並んでいるのです。
 (むむむっ、作家のいとうみく、こう来たか! なかなか、やるじゃんか! ← で、私は、まばたきシバシバ、おもむろに鼻水をすすった)


 と、いう訳です。

 
 親の立場で読んでも、なかなか奥が深い幼年物です。
 オススメです。
 



 <追記>

 で、その後の私はというと、
 公務員だった父が定年退職し、長い官舎住まいを終え一軒の家を建てた。
 その家で、結婚するまでの数年の2,3年を、家族と同じ屋根の下で暮らした。

 そうすると、面白いもので、ずっと親と暮らしていた先妻の子、姉だが、その姉と両親の関係は、私より言いたい放題の密な関係で、私はまるで、なさぬ仲のような、何気に遠慮し合うような親子関係になっていた。

 
 家族は、四六時中、同じ屋根の下に暮らしてこそ、マジ家族なのです。


 とは言え、私は、外に出た分、自分という者と向き合えたし、そのように生きることができたと思うし、後悔の念はひとかけらもない。



 <余談>

 それで、私は大人になって、結婚する相手の家庭環境は、“極めてシンプル”が良いと思った。
 お陰様で、この条件を見事にクリアして、極めてシンプルな家族形態の父親と母親と三人で暮らす一人っ子の男性と結婚した。
 私は、実に、ノホホンとノーテンキに暮らしている。
 gahahaha (^_^)v
 

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