滋賀県・京都府とその周辺の山と滝

比良・鈴鹿山等の滋賀の山や京都北山を中心とした、山登り・滝巡りなどを写真で綴る個人記録帳です。

2019.12.01 旧船曳道を嵐山から保津峡へ(斜めから紅葉狩り)

2019-12-01 22:49:51 | 京都の山(北山以外)
2019.12.01[油掛地蔵13:14〜13:30嵐山渡月橋〜13:44船曳道入口〜15:53落合15:59〜16:31トロッコ保津峡駅〜16:47JR保津峡駅]

旧船曳道は一般ルートではありません。特に高巻き道は荒れています。

今回もまた午後スタート。なぜか油掛地蔵から。

嵐山渡月橋は人だらけ。以前近くに住んでいた頃、嵐山にはよく散歩に来たが、こんなに観光客は多くはなかったはず。右岸沿いの道も人が多い。みんな大悲閣まで登るんだろうか。
以前、大悲閣に行った時、住職が観光客が来なくて入山料収入が少なく、貧しくて寺の修理ができない、ぼやかれていたような。

きょうは大悲閣に登らず、旅館「星のや」専用の船着き場から旅館の裾を行く。
本日は首からカメラを提げ、ランニングシューズを履き、小さなリュックにお菓子とお茶が入っているだけの軽装。散策気分でやってきた。

歩き始めて間もなく、川下り船の船頭さんから「この先行き止まりですよ」と声をかけられる。軽装なので観光客だと思われたらしい。
川沿いには道と呼べるものはなく、歩きやすいところを選んで歩く。岩場で傾斜の強い箇所は岩を削って通りやすくして処理された跡があるので問題ない。

それにしても、この川は臭い。ごみも散乱している。川の水も汚い。いくつものまちを縫って下ってくる川なので仕方ないと言えば仕方ないのだが。先日大杉谷で超キレイな水を見てきたので、より汚さが強調されて見える。
増水時に流されて木や岩角に引っかかったごみも目立つ。トロッコや川下りの観光客はワァキレイと言っていると思うが。
以前ここでカヌーで沈して、たらふく水を飲んで気持ち悪くなったことを思い出した。

川下り船は10分に一度程度は下ってくる。その度に私にに気ついた観光客は手を振ってくる。最初は振り替えしていたが、じゃまくさく途中から気づかぬふりをする。

支流から流れてくる滝は水もきれいで、一番大きな谷はほどよい小滝が連続していて登ってみたくなるところだ。

肝心の紅葉は、トロッコ線脇は人工的にカエデが植えられているので鮮やかだが、川近くはそれほど落葉樹は多くはない。時々見事に色づいたモミジが見られる程度。しかし対岸の山の上部を見上げると、全山紅葉で日に照らされて錦色に輝いている。

JR鉄橋をこえると高巻きに入る。登り口には赤テープが巻かれている。きっちりした巻き道だが、途中から倒木で荒れてくる。倒木をよけるため、上へ下へと踏み跡は乱れ、どれが本来の巻き道なのかわからなくなっている。川に下りていく踏み跡も多数あるが、まだ下りるには早そうだ。メインルートを見極めて進む。
しばらく先の下方に河原が見えている箇所でいよいよ下りていくが、手がかりの少ない急斜面。登山靴とストック、チェーンスパイクなどの滑り止めが必要なところだが、きょうはいずれも持ち合わせていない。
靴の中は砂利だらけ、手は茨でひっかきようやく河原に下り立つ。グローブも必須。

再び川辺歩き。トロッコ鉄橋で電車の通過を待って写真に収める。
足元では、水たまりに対岸の全山紅葉の景色が写り美しい。

トロッコ鉄橋を越えると再び高巻きに入る。後から調べるとこの先は川沿いにも行けるようだが、予習をしてこなかったので、巻き道があるということは悪場なので、こちらに行くしか方法はないと早合点したようだ。
この巻き道はしっかりしていて通行に支障はない。川が大きく左にカーブする箇所は清滝川との合流点、落合だ。下方に続く道も枝分かれしている。
この急な道を下りるとやはり落合で、対岸に六丁峠から下ってきた府道が見える。

少し河原を進んでみるがすぐに通行困難となるので、元来た急坂を巻き道との分岐まで登りかえす。再び巻き道を進むと、道は大きく左に折れしばらくは明瞭に続いている。その先に白テープが巻かれた右に下る踏み跡との分岐がある。
これは川に下る道の道しるべで、高巻きも終わりだなと思い、右の下り道に入る。この道はジグザグに斜面を下るが、徐々に踏み跡が薄れてきて不明瞭となる。川に下ればいいやと、急斜面を無理矢理にズルズルと川へ下りてみるが、そこは入り組んだ岩場で、この先川沿いに進めそうにもない。
仕方なく木の根などを頼りに腕力で巻き道を求めて直登する。しかし巻き道のあった高度よりも上に行っても、それらしき道は見つからない。なので巻き道を探しながらもう一度ズルズルと下る。川近くまで下りてもやっぱり見つからない。
先ほどは直登したので、今度は元来た踏み跡を辿って先ほどの白テープの分岐まで登る。そして巻き道と思われる踏み跡を行くが、すぐに不明瞭となる。その先で直登して登ってきた箇所に出たが、やはり道らしきものは見当たらない。
さてどうしようか。もうちょっと辛抱して、同じ高度でトラバースしてみることにする。そうすると倒木で崩れた箇所を上から巻いて越えたところでテープ発見。やれやれ。
その先も倒木をくぐる箇所もあるが巻き道は明瞭になり、最後は急坂だが川に下りたつことができた。

靴の中に土が入り、靴下がドロドロになってしまった。山靴を履いてくるべきでした。やっぱりスパッツとストックも必須でした。
ここからは再び川沿いの岩の道。1箇所水際を進むところがあり、増水時には通行困難となるだろう。

奥に吊橋が見えてくると堤防が現れ、それに這い上って堤防の縁を歩く。
最後はコンクリートの階段を登ってトロッコ保津峡駅到着。
ドロドロの手を水道で洗って、吊橋を渡り府道をJR保津峡駅へ。

軽く散策のつもりでしたが、そこそこハードで刺激ある面白い渓谷歩きができた。



嵐山です。渡月橋は人でいっぱい。


渡月橋を渡り右岸の道を行きます。奥に見えるのは比叡山


道は人でいっぱい、川は船でいっぱい。奥の山は愛宕山


戸無瀬の滝 今は規模は小さくなり、水量もあまりありません


旅館「星のや」、千光寺大悲閣へと続く道


川の水は濁っています。でも観光客は「キレイ」と言います。


「星のや」歓送迎船の船着き場に下りて、この奥から船曳道はスタート。


最初は旅館の建物の下の岩場を歩きます。数箇所の橋が残っていますが、板は朽ちて無くなり鉄骨だけが残っています。


最後の橋にはまだ板が残っていますがあやしい。


「星のや」裏から上流の保津峡を見る。
この後しばらく川沿いを行きますが、道と呼べるものはありません。概ね岩の上を歩きますが、岩の傾斜が大きなヘツリ部分は、岩を削って通りやすくした跡が残っています。


少し歩くと左手に何かが。何だろう。


保津川にはいくつもの瀬があります。


支流はほとんどが滝となって合流します。


対岸にはトロッコ電車
川は保津川下り観光船がひっきりなしに下ってきます。


対岸の山の上は日が当たり錦色に輝き、静かな水面に映っています。


ところどころ鮮やかな紅葉が
イロハカエデの紅葉は終わりかけで葉を落としている


落ち葉を踏みしめながら


観光客に手を振り返すのがじゃまくさい


モミジと川下り


一番大きな支流も小滝となって合流しています。


小滝と落ち葉


少しだけ支流を遡ります。3mほどの落差の小滝が続いていて面白そう。
この滝の上もまだまだ滝が続き、目に見えている最上流のものは落差が5m以上ありそう。


支流の滝の上から保津川を望む


この支流横には石垣が残っています。


モミジと川


青空の下の、錦の反物


トロッコ線路脇には鮮やかなモミジが


トロッコ電車と川


全山紅葉ではないが、斑の山肌が美しい


JRの鉄橋の下をくぐります。


JR鉄橋を越えしばらく河原を行くと、水面から直接垂直の岩壁がそそり立ち通行できなくなります。
少し戻るとこの赤いテープがあり、ここから高巻き道となります。


高巻き道は登り切るまでははっきりした道ですが、植林帯となり水平道に変わると倒木等で荒れています。
倒木をよけるためにいくつもの踏み跡ができ、川に下りていくものもありますが、ここは辛抱して水平方向に道を見つけて倒木を越えていきます。
下降地点の判断が難しいのですが、川を見下ろして水面が手前に見えているところは下りていくと岩の上で途切れますので、河原が見えだしたところから下降します。ここも踏み跡が入り乱れています。急な下りなので滑落注意です。
下り立って下流を見るとこんな感じ。


水たまりに紅葉の山が映る


水流で磨かれたオブジェ風の岩


川の瀬を真横から


オブジェ岩が続いています。


正面には全山紅葉の山。上に嵐山高雄パークウェイの展望台が


トロッコの鉄橋をくぐります。
ここでトロッコ電車が来るまで20分ほど粘りました。
ここから再び高巻きとなります。よく踏まれた巻き道を行き、大きく左にカーブする手前から、清滝川の合流地点「落合」に下りていく道があります。


急な下りの末、河原に下り立ちます。
対岸には府道から下りてきた人が見えます。


これが落合の「書物岩」かな?


上流側を見ると、夕日に照らされた山が美しく輝いていました。


「落合」より急坂を登って再び高巻き道に戻ります。
さて、ここからが予想外に大変。
しばらくは歩きやすい道ですが、二俣となり右に下っていく踏み跡に白いテープが巻かれています。ここで高巻き終わりかなと思って、これを下ると踏み跡は薄くなり急斜面の下りとなります。無理に下ると川に下りられますが、川沿いに進めそうな所はありません。先ほどの分岐に戻って左を進みますが倒木等で不明瞭。足元も悪いので注意が必要です。辛抱して歩きよいところを行くと再び巻き道がしっかりしてきます。最後は急斜面を下ってようやく高巻き終わりです。


高巻き後は再び川沿いの岩場を歩きます。水辺に近いところもあり、水量が増えると通行が困難なところもあります。


遠くにトロッコ保津峡駅の吊橋が見えてきたら、左手に堤防が現れます。岩を登って堤防の上に


しばらく堤防の縁歩き


最後は階段を上るとトロッコ保津峡駅に到着です。
ここで船曳道終了です。この先亀岡までのルートはどうだったのでしょうか。今は行く人もなく謎です。


吊橋から上流側を


吊橋から下流側を
六丁峠から下りてくる車道が見えます。


吊橋


JR保津峡駅まで府道を歩きます。


保津峡駅ホームからの眺め


間もなく電車がやってきました。

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