滋賀県・京都府とその周辺の山と滝

比良・鈴鹿山等の滋賀の山や京都北山を中心とした、山登り・滝巡りなどを写真で綴る個人記録帳です。

2021.05.30 京都北山/光砥山・小野村割岳から雷杉@巨樹を巡って花を探しに

2021-05-30 22:10:54 | 京都の山(北山)
2021.05.30[広河原下の町07:53〜10:21光砥山10:22〜10:50小野村割岳10:58〜11:32911ピーク11:36〜11:50エイリアンの木11:53〜12:14雷杉12:24〜13:00佐々里峠13:01〜14:01広河原下の町](距離16.11km 累積標高925m)

<ルート情報>
○早稲谷左岸尾根/取りつきは植林地の急登。尾根に出ると部分的に踏み跡はあり、難所やたいした倒木もなく、急登もなく概ね歩きやすい。日当たりのよい数箇所はややブッシュあり。上部に行くほど踏み跡は明瞭になる。

<日記>
先週に広河原下ノ町を基点にして、光砥山に登ろうと予定していたのだったが、長雨の後ということで、普段は水量の少ない滝がいい具合になっているのではないかと思い、急遽大文字山裏の小滝巡りに予定を変更した。
その日はyamaneko0922さんが、まさに広河原下ノ町を基点にして、光砥山周回コースを歩かれていて、さらにuriuri4211さんもその数日後に、やはり同所基点で違うルートをたどり光砥山に登られている。お二方のレコを見て、わたしもやっぱり行きたくなってきた。
そして翌週の今回は、そのお二方のレコを参考に1週遅れで光砥山へと向かった。もちろんここに行きたいのは、あの花に出会えるかもしれないからだ。それに周辺の杉の巨木群も会える。
uriさんレコの早稲谷から滝やカツラの大木などを見ながら登ろうか、yamanekoさんレコの早稲谷左岸尾根を杉の巨木を巡りながら登ろうか、直前まで散々迷った挙げ句、今回は尾根道ルートをたどることに。

下ノ町から植林地の急登を登り尾根に取り付く。このあたり非常にギンリョウソウが多くみられる。真っ白なものから、半透明のもの、やや青みがかかったものまで、これを見ているだけで楽しく、急登のつらさは感じない。
P686でちょっとだけ東の尾根に入ってしまうといういきなりのルートミス。軌道修正して尾根を北に向かうと早くも伏条台杉が現れる。その後も次々に現れ、いきなり写真を撮るのに忙しい。

今回は巨木を広角で根元から見上げたい、また花のマクロ撮影もしたい、ということで、広角ズーム交換レンズ、クローズアップレンズ、それに小型三脚まで携帯している。それらを撮影の度にいちいちザックから取り出すのは面倒なので、それらを収納できる大きめのポーチを首から提げている。カメラも首から提げており、遠足のような格好だが、難所はないので問題ないだろう。

一旦大杉は姿を潜め平凡な尾根となるが、少し高度を上げると再び次々と伏条台杉が現れるようになる。
その先で人の声がすると思ったら、女性お二人が休まれていた。このルートで人に会うのは想定外。同じく光砥山に向かわれるそうだ。

ルートは時々明るく開けた場所を通り、その区間だけやや籔っぽいが、この尾根全般に倒木は少なく、難所といえるようなところもなく概ね歩きやすい。獣除けのネットが張られた箇所もあるが、すべて倒れてしまっており、その後修理もされず放置されている。

何本の巨樹を写真に収めただろうか、撮影に夢中になっていたので、しばらくGPSで位置確認をしていなかったが、P686以降初めてチェックしてみると、意外にももう標高が900m近くになっている。
次第に尾根の傾斜は緩やかになり、どっしりと広がってくる。林下であるにもかかわらず、ヒメワラビの新芽が顔を出し、地面の色彩も豊かになってくる。そしてほどなく光砥山に到着。誰もいない。

写真だけ撮って小野村割岳方面へと向かう。ゆっくり周囲を見回し、時には寄り道しながら。
この間も大杉は多く、時には下をくぐり抜けられそうな根上がり杉や、台座に多くの木や草を宿した台杉などが現れる。
途中、下ノ町でわたしと同時刻に出発して早稲谷林道方面に行かれた単独男性とすれ違う。早稲谷ではヤマビルは見かけなかったとのこと。天狗岳まで行かれるそうだ。

小野村割岳では男女3人が休んでおられる。
わたしもひと休みする。南に視界が開け雲取山だと思われる山頂部分の広い山が奥に見える。
ここで首に掛けていたタオルに大きなダニがついているのをみつける。見たことのないオレンジ色のツートーンカラーのダニだ。
帰ってから調べてみると、シュルツェマダニの雌で、ライム病やダニ媒介生脳炎を媒介するらしい。日本では主に北海道に生息しており、本州の標高の高いところにもいるようで、近畿では標高1500m以上に生息とされているのだが、ここは標高900mほど。生息域の分布図を見ると、確かに近畿では紀伊山地の一部に加えて、ピンポイントでまさにここ京都府北東部の狭い範囲が記されている。ここだけは例外的に標高の低い場所に生息しているらしい。
噛まれなくてよかった。わたしは18歳の頃マダニに噛まれたことがあり、その後原因不明の高熱が続いたためライム病を疑われたことがある。結局は違ったのだが、当時はまだライム病がほとんど知られていなかったこともあり、血液を海外にまで送って検査された。

小野村割岳で小休止後西へ縦走する。天候はずっと晴れ、気温は上昇しているだろうが、湿度が低いため特に暑さを感じず、風がないのにもかかわらずそれほど汗も出ない。寒がりで冷え性のわたしにはこれくらいが快適である。

このあたりは6年ぶりに歩くことになる。以前に比べると山全体が明るく感じる。またシンボル的だった朽ちたオブジェ風の木が6年の歳月でなくなっているなど、ちょっと以前と印象が違って感じられ、初めて歩くルートのような感覚になる。
P911の先で早稲谷右岸尾根との分岐。この尾根を下りようか、佐々里峠まで行こうか、直前まで迷っていた。
野暮用があるため、午後2時には下ノ町の駐車地に戻りたい。現在は11時40分。右岸尾根を下るのが無難だとは思いつつ、エイリアンの木や雷杉にも久しぶりに対面したいと思うと、足は自然に西へと向いてしまっていた。

バイケイソウの群落地を過ぎ、ひと登りすると通称エイリアンの木。これはもうその名の通り未知の生命の集合体。それぞれの生命力と順応性、寛容性とでも言おうか、絡み合い共存している。
さらにトチの木がある鞍部から雷杉へ。雷杉様お久しぶりです。まだまだお元気そうで何よりです。この木には毎回畏怖の念を覚えずにはいられない。

この先からは少し意識して足を速める。それでも時々写真を撮りつつ楽しむことは忘れない。
廃村灰野や大段谷山からの道と合流し、ブナの新緑を見上げてトラバース道を歩くとすぐに佐々里峠。
クルマが5台駐まっているが、小野村割岳からこの間、意外にも誰にも会っていない。

峠からは尾花谷を下ってもよかったが、近年の谷道の状況が分からないので、時間の読める府道を歩く。
花を写真に収めながらテクテク歩き、広河原下ノ町の駐車地に戻ると午後2時ちょうどだった。

気持ちのよい青空の下、お目当てのサルメンエビネの花にも会え、多くの巨木と語らいながらのよい山行だった。











桑谷山を望む


ギンリョウソウ


キツネタケ




















片波山から雲取山方面を望む














これから縦走する尾根の向こうは若丹国境尾根か?










光砥山頂上






ナメアシタケやチシオタケに近いかな








熊はぎ




キンモンガ


小野村割岳頂上


小野村割岳から南方を望む(奥は雲取山か?)


シュルツェマダニ












演習林方面


P911




バイケイソウの群落


バイケイソウの花茎が伸びてきている




ヒメコガサ






エイリアンの木


エイリアンの木










雷杉


雷杉


雷杉内部




これも雷に打たれた木














タニウツギ


フタリシズカ


ニガナ6枚花びら型




鍋谷山かな?


サクラの実


マムシグサ


クリンソウ


クリンソウ


クリンソウ


ノアザミ


ウマノアシガタ(キンポウゲ)


以下はお目当てのサルメンエビネ










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