日本人の愛国心を殺せ


「日本が今や資源にこと欠き、経済も壊滅状態なので、非武装化は何の問題もない」とマックス・W・ビショップは、1945年12月という早い時期にバーンズ国務長官に報告している。

しかし、「平和で民主的な日本」を建設するアメリカの計画に対して、「3つの強い勢力が邪魔をしている」と警告した。

「第1に、アジアのどの国にもある〈外国人排斥〉の風潮、第2に、日本国民の心の中にある国家主義的な、野心に満ちた危険な衝動、そして、第3が、革命に向かおうとする過激な共産主義の動き」である。 

「国家主義的な危険な衝動」とは、日本人の「愛国心」のこと。

ビショップは、「日本で失敗すれば、太平洋地域における我が国の政策の崩壊をもたらし、ソ連の軍事的地位増大に寄与することになります。我々はアメリカとか、日本とかいった局地的なものではなく、世界を巻き込んで大博打を打っているからです」とバーンズ長官に訴えた。

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精神的武装解除を実行せよ


敗れた日本をアメリカの支配下に押さえこむのは、難しいことではない。

しかし、日本国民が敗戦の悲劇から立ち直り、占領の屈辱を克服し、国土の復興に成功した時、日本はより一層強い国になっているのではないかとアメリカは恐れていた。

日本国民が誇り高い民族であることは、この戦争で恐ろしいほど解った。再び強力になった日本は、アメリカに復讐を仕掛けてくるのではないか。

日本から根本的に「愛国心」を取り除く方法はないものか。

このような不安に駆られたマッカーサーとアメリカ政府は、「狂信的な軍国主義」(日本人の愛国心について常に使われたアメリカの台詞)を抹殺すべしと全力を尽くした。

GHQ民政局はそれを、「精神的武装解除」と言う。

正にその通り。