ふうふ

父との会話を自分が楽しんでいるなんて、若い頃には全く想像しなかった事。

しかし、これには条件がある。

それは、電話した時に母が出かけて父のそばにいない事。

母がいるとすぐ”お母さんと代わるから”と母に受話器を渡してしまう父も、母が出かけていると
なんとも会話が弾む。


お父さん、冬だからもう絵を描き始めた頃？
いやいや最近は釣って来たイワナを米と麹と一緒に酢でしめてるところだよ。４４日後にはできるはずだ。
美味しそうだね～停年生活楽しんでるね～
楽しみたいけどお母さんがいるとあれしろこれするなってガミガミうるさくて楽しめないんだよな。
わかるわ～　でもお父さんなら賢いからどう対応すればいいかわかるでしょ？
まぁな、聞き流す事。でもたまにきれそうになる事もあるぞ　ハハハ。

父と母の話をするといつもRが”なんだか他人ごとじゃないなぁ”とニヤニヤする。
私はそんなにうるさいのか


以前にも書いたが父は年、母は年を地でいく夫婦
キッキ言うにどこ吹く風の

外へ出て行く社交性抜群の母に対してクリエイティヴな趣味を黙々と楽しむ父

動と静

母が燃える炎だったら父は静かにたたずむ湖

夫婦と言うものは面白いものである。


お父さん、孫に会いに東京に行かないの？妹も喜ぶよ。
行きたいけど出かけられないからな東京じゃ、１泊だったらいいけど。
イギリスに来ればいいのに、田舎だからお父さんの好きな鳥も沢山見れるし散歩も楽しいよ～。
お母さんも行くなら行ってもいいけどな。
えー？お母さんとお父さん２人だけで一緒に旅行した事ないのに大丈夫なの？疲れるよ～ガミガミ言われて笑
もし何かあった時に１人より２人の方がいいだろ。


この会話をしている時に、これが夫婦なのだと思った。

お互いなんだかんだ言いながらもこうして２人の距離を保ち、寄り添って生きてきたのだろう。
けっして一緒に手をつないで何かをする夫婦ではないが、そこにお互いが存在する事で心地いい。
ないものを補い合い、依存ではなく共存する関係。


私の大好きな写真の１枚（２００８年夏）

孫を見つめる父の表情が私の表情をも溶かしてしまいそうになる。
無口な父が一体孫に何を話しかけているんだろう？
私と妹が産まれた時もこんな表情をしていたのかな？
なんて想像は膨らむばかり。


もう１枚のお気に入りは
嫌そうに孫のベビーカーを押している父と
その後ろをにやにやしながら歩く毋の写真。

もしかして生まれて初めての経験なんじゃないだろうか。
父も例に漏れず子育ては毋にまかせ，仕事を生き甲斐とした人だから。
今度会ったら聞いてみよう。

７月頃には日本に帰れるかなぁ

その前に暑がりのRをどう説得するかだな