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金杯物語(その1)

中学3年生の時だった。一人で横浜に行きたいから旅費を出せと母親にせびった。『何しに横浜へ行くの?』と聞かれたので・・本牧に行きたい、そう答えると・・・シバキ倒された。横浜育ちのオカンに言わせると『あんな船員の遊び場に。馬鹿かお前は』と言うことらしい。純情な?中3のぼーずがそーゆー目的で行くかっちゅうねん。

実は本牧にあるGolden Cupという店に行きたかったのだ。しかし、今と違いインターネットなんて無い時代だ。どうやって探すつもりだったのだろう。行き当たりばったりの性格は昔からだった。例え、辿り着いたとしても坊主頭の中学生は入れてくれん(笑)。

当時、ゴールデンカップスという横浜のバンドに夢中だった。彼らの本拠地が本牧にあったGolden Cupという店だった。当時はライブ会場に入れる歳ではなく、潜り込める歳になった頃、彼等は解散した。手元には4枚のLPと数枚のEP(シングル盤、表裏に一曲ずつ録音されていた)が残った。

それから10数年後。六本木にGolden Cupという店があると知った。リーダーのディブ平尾が歌っているという。すぐさま飛んで行った。ギター2本にベースとドラム。ハウスバンドはいい音を出していた。クラプトンのカバーを2~3曲やった頃トキさん(ディブ平尾)がグラス片手にステージに上がった。

膝を開き気味に、首をちょっとかしげて歌う。TVで見ただけだったが、昔のままの歌い方だった。30分歌っては30分休む、そんな感じだったと思う。ナンバーはザ=バンドのThe Weightや昔から歌っていたR&B、そしてカップス時代はライブで歌うのを嫌がったという“長い髪の少女”まで歌ってくれた。

締めはGot my Mojo Working。ギターが上手い。よくよく見たらダウンタウン=ブギウギバンドの和田静男さんだった。デビュー当時はアイドルっぽい人だったのに渋い中年になっていた。いぶし銀のようなギターだけでなく、彼のヴォーカルがまたいい。

それから何回、ここに通っただろうか。ファーストアルバムにトキさんのサインをもらったり、友人の送別会を開いたりしたこともあった。その時は席に着くなり皆が、長い髪の少女ぉ~っと歌い出し、トキさんに『後で歌ってやっから、ちょっと待てよ』と苦笑いされたのが思い出される。

11日朝刊を広げると見慣れた顔が載っていた。少しふっくらとしたカップス時代のトキさんの写真だった。『ザ・ゴールデン・カップスのリーダーで歌手のデイヴ平尾(本名平尾時宗〈ひらお・ときむね〉)さんが10日、心不全で死去した。』信じられない思いで二度三度記事を読みかえす。伸ちゃんの悲しみが癒えないうちに、また一人大事な人が亡くなった。

なにか自分の時代が遠くなっていく気がしてならない。あの世ではきっとセッションが行われているだろう。

ここに続く・・・。

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