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執念の胃袋

きっかけは交通事故だった。と言ってもシリアスなもんではなく広島在住のミュージシャン和田八美さん、通称はっちゃんの乗った高速バスが同じ会社のバスと鹿の接触事故処理で遅れたという話を聞いたからだ。その昔、鹿のバーベキューを食い損ねたことを思い出した。

87年、その頃ぼーずはドイツのフルトに住んでいた。高速道路で気を付けなくてはいけないものに、帽子を被った爺ぃの運転するベンツと鹿があった。特に鹿は目の前に飛び込んでくるから要注意と現地の友人達に言われていた。

車の前に飛び出すとは、さすが馬鹿の片割れと思ったが飛び込み自殺を図っている訳ではない。通常彼らを追いかけるのは肉食の大型獣である。鹿は追いつかれる瞬間にラグビーでいうステップを切るのだ。

本来は極めて有効な避け方であり、68年のニュージーランド、全日本のウイング坂田 好弘氏はオールブラックス=ジュニア相手に華麗なステップを切りまくり、4トライを奪った。問題は高速を走る車に鹿を食う意思が無い事だ。斜め前を並走しているから、その横を抜こうとすると鹿君はいきなりステップを切り、桂馬飛びをしてくれる。桂馬の鹿・・・やはりこいつ馬鹿か?

結果、車のまん前に飛び出た鹿を避ける為、急ブレーキをかける羽目に会うのだが往々にして間に合わないのだ。バイクの耐久試験をしていた大男でKというドイツ人ライダーは鹿を引き摺りながら転倒せずに止めたツワモノだったが『死ぬかと思った』・・・200Km超えてぶつかりゃ普通死ぬと思うゾ。

ある日、耐久走行センターの連中が車で鹿をはねた。野生動物に優しいがエコロなドイツ人は仏さんを無駄に埋葬はしない。幾ばくかの金を役所に支払うとその被害鹿を引き取ることが出来るのだ。マネージャー曰く『今、地面に埋めて臭い抜きしてるから、終わったらバーベキューに呼んでやるよ』

いつまでたってもお呼びが無いので電話をかけた。『電話したけど、いなかったじゃないか。悪いけど、もう全部食っちまったよ』え、鹿一頭食い尽したの。耐久センターは大食いが揃ってるからなぁ。覚えとれよ、食いもんの恨みは恐ろしいぞ(笑)。

帰国して10年後の本社時代は青山と半蔵門にある事務所を行き来していたが、ある日事務所近くの屋久島と言う居酒屋で屋久鹿の鹿刺しを見つけた。もちろんオーダーしましたがな。これが美味かった。淡白で脂の無いシカ肉はローストする時に牛脂を添えるのが定番だが、刺身にするとこのあっさりした味はプラスとなる。

臭みもまったく無く、肉の味がするのだ。脂肪も少なくぼーずにはもってこいの肉だ。うーん、書いている内にまたシカ刺し食いたくなってきた。屋久島に行こーっと。しかし、我ながらしつこい胃袋やなぁ。
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