①🌟直感力、はじめに🌟
「直感」と「読み」と「大局観」。
棋士は、この三つを使いこなしながら対局に臨んでいる。
一般的に経験を積むにつれ、「直感」と「大局観」の比重が高くなる。
これらはある程度の年齢を重ねることで成熟していく傾向がある。
「習うより慣れろ」と言うところだろうか。
「読み」は計算する力といっても過言ではない。
したがって10代や20代前半は基本的に「読み」を中心にして考え、
年齢とともに、「たくさん読む」ことよりは、徐々に大雑把に判断する、感覚的に捉える方法にシフトしていくのだろう。
すでに「大局観」に関する本は著した。
そこで、本書では「直感」について詳述したい。
混迷の時代が続いている。
ゼロサムゲームでは、どうしても半分の人が勝って、半分の人が負けてしまう。
その上、現状はその半分の人が手にするはずのパイも小さい。
そういう意味では勝者なき競争が、現実問題として目に見えるようにもなっている。
しかし、何を選択し、行動するかには外的要因とは関係のないプリンシプル(原理・原則)があるのではないか。
それを見つけ出さなければならない。
さらに、このような状況下では、勝ち負けとはまた違う基準をつくることが重要なのではないか。
違う基準があれば、余裕やゆとりが生まれ、無駄なの悩みも少しは軽減されるだろう。
たとえば内容を重視すれば、勝つことだけに固執しなくなる。
プロの世界であるから、当然勝負して勝つことが大前提ではあるのだが、
それだけではやがて成長は止まる。
どんな状況でも自分なりにベストを尽くし、結果に責任を持つ。
個性を伸ばし、才能を磨き、成長を続ければ、やがて求めなくとも結果は返ってくるはずだ。
そして、アイデアや発想も、自分が進歩していれば自然に湧き出るようになり、
その中の優れたものを実際に活用できるケースが生じる。
それは、個人にも組織単位にもあてはまることだと思う。
負のスパイラルに巻き込まれないためには、
まず自分の持ち味、個性を大切にして組織の中に埋没しないことだ。
ともすれば、組織は個性を生かすどころかつぶしかねない。
もちろん全ての組織がそうであるわけではないのだが、
個性を大切にしない組織そのものが没落してしまう可能性も高いのだ。
無理に自分を変える必要は全くない。
1人の個性から正のスパイラルを起こせば賛同者が必ずあらわれるし、
どこかで正当な評価を下す人もあらわれるはずだ。
そのようになれば、個人と同じプリンシプルが組織にも働き始めるだろう。
実はそれが、進歩を続ける組織にとって最も望まれることではないか。
そのときに1つの指針となるのが直感だ。
なぜなら直感は、無駄な迷い、思い、考えの無い状態で浮かび上がっているからいるのだから、
次に何をするのか、何を望んでいるのかが如実に現れる。
本書では直感をどのように具体化するかについても述べてみたい。
(「直感力」羽生善治さんより)
「直感」と「読み」と「大局観」。
棋士は、この三つを使いこなしながら対局に臨んでいる。
一般的に経験を積むにつれ、「直感」と「大局観」の比重が高くなる。
これらはある程度の年齢を重ねることで成熟していく傾向がある。
「習うより慣れろ」と言うところだろうか。
「読み」は計算する力といっても過言ではない。
したがって10代や20代前半は基本的に「読み」を中心にして考え、
年齢とともに、「たくさん読む」ことよりは、徐々に大雑把に判断する、感覚的に捉える方法にシフトしていくのだろう。
すでに「大局観」に関する本は著した。
そこで、本書では「直感」について詳述したい。
混迷の時代が続いている。
ゼロサムゲームでは、どうしても半分の人が勝って、半分の人が負けてしまう。
その上、現状はその半分の人が手にするはずのパイも小さい。
そういう意味では勝者なき競争が、現実問題として目に見えるようにもなっている。
しかし、何を選択し、行動するかには外的要因とは関係のないプリンシプル(原理・原則)があるのではないか。
それを見つけ出さなければならない。
さらに、このような状況下では、勝ち負けとはまた違う基準をつくることが重要なのではないか。
違う基準があれば、余裕やゆとりが生まれ、無駄なの悩みも少しは軽減されるだろう。
たとえば内容を重視すれば、勝つことだけに固執しなくなる。
プロの世界であるから、当然勝負して勝つことが大前提ではあるのだが、
それだけではやがて成長は止まる。
どんな状況でも自分なりにベストを尽くし、結果に責任を持つ。
個性を伸ばし、才能を磨き、成長を続ければ、やがて求めなくとも結果は返ってくるはずだ。
そして、アイデアや発想も、自分が進歩していれば自然に湧き出るようになり、
その中の優れたものを実際に活用できるケースが生じる。
それは、個人にも組織単位にもあてはまることだと思う。
負のスパイラルに巻き込まれないためには、
まず自分の持ち味、個性を大切にして組織の中に埋没しないことだ。
ともすれば、組織は個性を生かすどころかつぶしかねない。
もちろん全ての組織がそうであるわけではないのだが、
個性を大切にしない組織そのものが没落してしまう可能性も高いのだ。
無理に自分を変える必要は全くない。
1人の個性から正のスパイラルを起こせば賛同者が必ずあらわれるし、
どこかで正当な評価を下す人もあらわれるはずだ。
そのようになれば、個人と同じプリンシプルが組織にも働き始めるだろう。
実はそれが、進歩を続ける組織にとって最も望まれることではないか。
そのときに1つの指針となるのが直感だ。
なぜなら直感は、無駄な迷い、思い、考えの無い状態で浮かび上がっているからいるのだから、
次に何をするのか、何を望んでいるのかが如実に現れる。
本書では直感をどのように具体化するかについても述べてみたい。
(「直感力」羽生善治さんより)
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