世界新のアナウンスに場内がどよめいた。女子団体追い抜きで約8年ぶりの記録更新を日本女子が果たした。五輪金メダルを狙うチームの成長に自信をのぞかせていた大黒柱の高木美さえも「すごい記録が出た」と目を丸くするタイムだった。
3人で先頭を入れ替わりながら6周する種目。強敵オランダとの同走で、序盤から飛ばした。最初に先頭を滑る高木美が勢いをつけ、2番目の佐藤、3番目の高木菜はそのスピードをしっかりとキープ。最後は再び高木美が引っ張り、3秒29もの大差をつけた。
減速の伴う先頭交代をこれまでの4回から3回に減らした。それぞれの負担が増す難度の高い戦術。初めて試した昨季のW杯最終戦では失敗に終わった。ナショナルチームの糸川コーチが「挑戦だ」と表現した戦い方で、高木美の突出した能力を最大限生かした。昨季は隊列を乱すことが多かった20歳の佐藤は、よろめく場面がありながらも最後まで粘り「夏に積み重ねてきたものを発揮できた」と胸を張った。
五輪シーズンの初戦。敵地で、覇権を争うライバルに強烈な先制パンチを見舞った。最年長の高木菜は「このタイムを出せる力があると分かった。これからも出ると思う」ときっぱり。研究と練習を重ね、好結果で大きな自信を得て、さらに先へと進む。(WEB)
⛸ビエンチャンの先制打おめでとう・頑張れ⛸