芳野星司 はじめはgoo!

童謡・唱歌や文学・歴史等の知られざる物語や逸話を写真付でエッセイ風に表現。

司馬遼太郎さんの憤怒

2016年07月06日 | 言葉
                                                              


…昭和ヒトケタから同二十年の敗戦までの十数年は、ながい日本史のなかでもとくに非連続の時代だったということである。
         …
 -----あんな時代は日本ではない。
 と、理不尽なことを、灰皿でも叩きつけるようにして叫びたい衝動が私にある。日本史のいかなる時代ともちがうのである。
                                 (「この国のかたち 一」)
 

 司馬遼太郎が「日本ではない」と言ったまさにその時代を、安倍・自民党と日本会議の連中は、日本が一丸となったピリッと引き締まった時代と言うのである。美しい時代、美しい日本と言うのである。彼らは改憲を断行し、その美しい「日本をとり戻す」と言うのである。
 安倍総理も列席した場で、調子に乗った自民党議員たちから「憲法から基本的人権を外す」「国民に主権があるのがおかしい」と、総理から「愛いやつ」と思われたいのか、競うように言いたい放題の発言が相次いだ。会場の大きな拍手に、総理も機嫌がいい。狂っているのだ。

 一方、安倍は「日本を世界で一番企業活動がしやすい国にする」と宣言し、企業減税をすすめ、自由な企業活動を阻害する規制を緩和し、新自由主義、市場原理主義に「日本を売り渡す」気なのである。TPPもその一環の非関税障壁の撤廃まで踏み込んだ条約なのである。アメリカからの積年の要望である郵貯・簡保に続いて、JAを解体し、JAバンクとJA共済もハゲタカの前に差し出そうとしている。
 日本の少子化、晩婚化も、経済的理由がその一因であろう。日本は人口減少の時代に進んでいる。生産量、販売量の拡大のみを求める時代ではなかろう。経済成長のみを求める時代ではなかろう。今や「経済」のパラダイムを変える時なのだ。
 ダグラス・ラミス「経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか」、五木寛之「下山の思想」、平田オリザ「下り坂をそろそろと下る〜あたらしい『この国のかたち』」などの本が読まれ、求められる時代、この少子高齢化の時代に、憲法前文に「経済成長」を謳う時代錯誤!


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1 コメント

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この国のかたち (もののはじめのiina)
2018-10-03 09:42:54
「この国のかたち」のNHK番組が、YouTubeに されていました。

「名こそ惜しけれ」とさえ思えば、キリスト教的な倫理体系に、このひとことで対抗できると結びました。


無謀にも、10篇にまとめました。
https://blog.goo.ne.jp/iinna/e/5a49f2f0f673dde220c70383ffd76375

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