芳野星司 はじめはgoo!

童謡・唱歌や文学・歴史等の知られざる物語や逸話を写真付でエッセイ風に表現。

今来の人 アスリート篇

2016年09月13日 | ミニコラム

 インド人とのハーフがミス日本に選ばれ、「まともな日本人を選ぶべき」「純粋な日本人が選ばれるべきだった」という声が寄せられたという。
 古代(飛鳥時代)から奈良時代は渡来人の時代だった。吉備も大和も八割方は「今来の人」と記録されている。つい最近やって来た渡来人という意味なのである。早く渡来した人たちとの差は百年からせいぜい三百年なのである。間もなく日本も、「経済」と「労働力確保」の必要に迫られ、かつ人口減少に歯止めをかけるべく、移民と難民を受け入れなければなるまい。もともと八割方は「今来の人」の島なのだ。ハイブリッドで結構。近年活躍のアスリートたちを見よ。

 オコエ瑠偉(野球)、ディーン元気(やり投げ)、宮部藍梨(女子バレー)、高松望ムセンビ(駅伝)、ケンブリッジ飛鳥(陸上・短距離)、ヘンプヒル恵(七種)、サニブラウン・アブデル・ハキーム(陸上・短距離)、ベイカー茉秋(柔道)、大坂なおみ(テニス)、張本智和(卓球)、渡嘉敷来夢(女子バスケット)、比留木謙治(男子バスケット)、辻本賢人(野球)、日野龍樹(フィギュアスケート)、ウィリアムソン師円(スピードスケート)、篠塚一平(サッカー)、ハーフナー・マイク(サッカー)、長谷川アーリアジャスール(サッカー)、ヘンプヒル恵(陸上)、出口クリスタ(柔道)、堀川真理(女子バレー)、樋口賢(野球)、高橋祐治(サッカー)、ダルビッシュ有(野球)、室伏広治(ハンマー投げ)…


        

おもろいやんけ

2016年07月01日 | ミニコラム
                                                     

 イギリスの国民投票の結果、EU離脱が決まった。その後「離脱」に投票した人たちから後悔の言葉が相次いでいるという。
「自分一人くらい離脱に入れても影響はないと思った。今は後悔しています」
「離脱に投票したことに後悔しているわ。本当に離脱派が勝つなんて思ってもいなかったわ」…

 ふと、大阪人を想起した。かつて「おもろいやんけ」と横山ノック氏を国会に送り、「おもろいやんけ」と知事にした。
「既成の政治家より、おもろそうやないけ」と橋下氏を知事にし、また「維新」「船中八策」「都構想」という幼稚な言葉やイメージに乗せられた。こうして橋下氏を市長に、ヤクザのような悪相の松井氏を知事にした。

 だいぶ以前、「ああ、これが大阪人や」と思わせた実に秀逸なCMがあった。サントリーモルツのCMである。出演は今の桂ざこば師匠と阪神を引退した川藤選手である。
 居酒屋。白のワイシャツに、緩めたネクタイのサラリーマン風のざこば師匠。野球をやっているテレビに向かい興奮して叫ぶ。
 ざこぱ 「川藤出さんかい! 川藤!」
 場内アナウンス 「ピンチヒッター川藤」
 川藤がバットを振り回しながら登場し、打席に立つ。
 ざこば 「ほんまに出してどないすんねん」(小声でつぶやく)

 今度のEU離脱に投票した人たちにも、「ほんまに離脱してどないすんねん」という後悔があるのかも知れない。
 民主主義制度はチャーチルの言う通り、時に「最悪の政治形態」となる。いつも選挙後に痛感するのだが、どうも日本の民主主義はずっと最悪の選択をしてきたのではないか。
 有名タレント候補とポピュリスム政治屋の政党に雪崩をうち、挙句、公約は反故にされ、TPPは反対どころか前のめりに推進し、原発も公約に反して再稼動が進む。すでに寿命を迎えた原発も恣意的に20年延長され、恣意的に放射能の安全レベルも基準も変えられる。閣議で憲法は簡単に踏みにじられる。閣僚も議員も斡旋・口利きが本業のようである。…
 …投票日は近い。

舛添ギャグ漫画

2016年06月07日 | ミニコラム

 舛添問題は完全にギャグ漫画になってしまった。
 まず、第三者の弁護士そのものが「不適切」。
「クレヨンしんちゃん」は不適切。「金魚の飼い方」が不適切。「江戸流そば…」「ビザ窯…」もう漫画。シルクの中国服は書道をするのに適切。もう完全にギャグ漫画。
 もういちいち報道しなくていいよ。メディアはこの執拗な情熱を、舛添騒ぎを奇貨として権力が隠蔽しようとしている「不都合な真実」に向けたらどうだ。
 甘利の巨悪をこのまま逃していいのか。甘利を不起訴にした法務省の黒川弘務官房長の事務次官出世引き換え疑惑を報道したらどうだ。
 TPPで何を密約してきたのか、どんな不都合があるのか、追及したらどうだ。保険は医療は著作権は、ISD条項は、環境問題は、遺伝子組換え等の不表示問題は、非関税障壁撤廃で何が破壊されるのか、文化か伝統か商慣習か等を特集したらどうだ。本当に成長戦略になり得るのか、嘘ではないのか、特集したらどうだ。
「経済成長」以外の豊かな社会への提案はないのか特集したらどうだ。
 日本会議、カルト生長の家、壊憲計画を追及したらどうだ。第一次安部内閣、第二次安部内閣の閣僚の8割超が日本会議メンバーとはどういうことだ。日本会議徹底解剖をしたらどうだ。日本の原理主義者たちに乗っ取られた内閣か。いま権力はどんな団体に操られているのか。彼らの目的は何なのか。王政復古に祭政一致か。
 国谷裕子、古舘伊知郎、金平茂紀らから「いまだから話せる番組への圧力」でも特集したらどうだ。
 タックスヘイブン特集、福一事故と小児の甲状腺癌は本当に無関係かの特集でもしたらどうだ。
 原発立地と活断層徹底研究でも特集したらどうだ。本当に原発は必要なのかの特集でもしたらどうだ。

コルビュジェ

2016年05月23日 | ミニコラム
                                                             


 ユネスコ世界遺産委員会の諮問機関イコモスの勧告で、上野の国立西洋美術館が世界遺産登録が決定的だという。ル・コルビュビェの設計による建築物としての評価である。コルビュジェの威力は凄いものだ。
 だいぶ以前、フランス革命400年祭の日本委員会(黒川紀章委員長)で、それにふさわしい展覧会イベントの企画を求められたことがある。
 私はナダール展を提案した。「大王と呼ばれた男~写真の先駆者ナダール展」である。当時ナダールは(おそらく今でも)知る人ぞ知る存在で、一般的には日本でほとんど知られていなかった。
 私は朝日新聞の大崎紀夫氏のナダール・コレクションや、ロス在住の日本人女性が所有するナダール・コレクションを中心とした展覧会と、大崎氏の研究をもとにしたドキュメンタリー番組を当時のテレコムスタッフに持ち込んで進めていた。
 黒川紀章委員長は「ル・コルビュジェ展」を提案された。結局、委員長案で決まった。委員長は強い。また当時の私に言わせれば「またコルビュジェかよ」だったが、日本では知られていなかったナダールとル・コルビュジェでは勝負にならなかった。
 当時の私は「知られざるものを知らしめること」にイベントや番組の価値を置いていた(今も)。


                                                             

                              

新党の顔

2016年03月08日 | ミニコラム

 民主党と維新の党が合従連衡し、新党を作っても、政治の風向きは変わらない。決して政治に新しい風は吹かない。看板を付け替えても風は吹かない。
 新党の党首に、両党のこれまでの党首や指導層の顔を並べてみればよく分かる。この面々では決して風は吹かない。
 よほど思い切ったことをしなければ、風向きを変えることも、新しい風を吹かせることもできないだろう。
 山尾志桜里議員を新党の党首にすれば、きっと風向きが大きく変わる。新しい風が吹き始める。かつての日本新党のような風が吹く。
 もちろん多くの先輩たちが嫉妬するだろう。前原とかは安倍と同じ改憲派の極右なので、出て行くだろう。
 蓮舫は小生意気で小賢しいので人気はない。女性有権者にも男性有権者にも嫌われている。山尾女史なら女性有権者のかなりの数を惹きつけるだろう。男性有権者も振り向かせることもできるだろう。年配者の有権者も引き付けることができるだろう。彼女は安倍総理が最も嫌う天敵なのである。安倍総理を追い詰め、彼がほとんど国民のことを考えていないことをあからさまにした。
 山尾志桜里が新党の党首になれば、風向きが変わり、新風が吹き始めるだろう。あの日本新党の風のような。