個人的には、山崎豊子さんの作品は、「大地の子」以来です。お金持ちという設定だからか?共感度低し。ドラマはところどころ見てたんだけどね。原作の鉄平は木村拓哉よりは年配な感じです。鉄平のお父さんはドラマ版よりも更に“悪”な感じ。むしろ相子の方が憎まれ役なだけでなく、人間らしい部分も描かれていたりします。まだ上しか読んでないので、全部はわからないけど。
このブログでは5作目の東野圭吾作品です。「レイクサイド・マーダーケース」というタイトルで映画化もされています。映画の方を先に見てしまったのですが、映画とは設定自体違っている箇所が多いです。他の作品と同様、ある意味“家族”を描いた作品であると思います。東野作品は基本ミステリなのですが、彼が本当に書きたいのはミステリというよりは「家族」なのではないかと時々思います。
上の時も思ったけど、やっぱ男目線での話ではありますね。けっこうご都合主義なところもあるし。主人公が冬香と付き合い出した途端に、うまい具合に今までの愛人に好きな人ができて離れていくとか、別居中の奥さんの方から離婚を言い出すとか、犯罪を犯しても息子は理解を示してくれるとか。リアリティに欠ける部分はあるけど、男性と女性の恋愛や性に対する欲求の違いというのが一つのテーマだと思うので、それはそれでいいのかも。
このブログでは4作目の東野圭吾作品です。「赤い手」同様、ミステリーという形式で「家族」を描いています。2人の主人公の物語が交互に語られる、という形でストーリーは展開します。出生の秘密を探る、というとよくあるパターンのように思えますが、そこに医療や生命の問題などが複雑に絡んできます。「誰だって自分が生まれたことに絶対の自信なんかない。」という意味のフレーズが印象に残っています。
なんか、渡辺淳一って、私の中では不倫ものばかり書いているというイメージがあるんだけど、確か以前TVでほとんどが実体験に基づいているって言っていた気がする。確かにこの作品の主人公も作家だ。まあ、殺人はないと思うけど。上巻では、二人の出会いと熱愛に至るまでのエピソードが描かれている。読者は女性が多いと思うけど、作品自体は当たり前だけど男性目線で描かれている。
映画「武士の一分」の原作でもある『盲目剣谺返し』を含む短編集です。個人的には『偏屈剣蟇の舌』という作品が好きですね。特にラストが。タイトルに「隠し剣」とついているだけあって、それぞれの短編にも剣の技がタイトルとしてついていて、必ず登場するのですが、それだけではなく、人と人との心の交わりが描かれているところが、単なる時代ものに留まらないところだと思います。
桐野夏生さんの作品は、このブログに登場するのは初めてですが、私の中では「OUT」に次いで2作目ですね。本作はジャンル的にはミステリーですが、謎解きというよりも、タイトル通り人間の醜悪な部分にスポットライトを当てた作品になっています。自分の日常とはかけ離れた世界の話のようでいて、もしかしたらすぐ側に潜んでいるかもしれない闇を見せられている感じで、居心地の悪さを感じながらもついつい読み進んでしまいました。
このブログでもおなじみ、重松清さんの作品です。相変わらずめちゃ泣きしながら読んでしまいました。短編集ですが、私が一番最初に読んだ重松清さんの作品である「舞姫通信」の続編的意味のある、本書のタイトルにもなっている「卒業」という作品も掲載されています。重松さんの作品は、「死」と非常に近い。私は重松さんご本人のことはよく存じ上げませんが、身近に「死」を経験されている方なのかな、という気がします。
東野圭吾さんの作品を紹介するのは、このブログでは3作目です。前2作でも描かれている「家族」の問題がここにも描かれています。殺人犯の兄を持つ弟。実際には犯罪者の身内だからといってあそこまでひどい目にあうことはないと思います。しかし、直貴が社長から言われる、家族が受ける差別も含めて罪を犯した者が受ける罰なんだ、という言葉が一つのテーマなのかな、と思いました。
東野圭吾さんの作品です。売れてるだけあって、面白い!!殺人事件はともかく、背景になっている設定自体はとてもリアルで。単なるミステリーに留まらず、タイトルにもなっている「赤い指」は、主人公の母親が亡くなった夫をなぞるための行為であり、共感が持てました。私もこの前編物しながら、そういえば死んだおばあちゃんも編物してたなあ、って思い出してしまいました。