透明な石2012①

2012-04-09 21:50:33 | AROUND THE N818

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 時が過ぎるのが早い、特に昨年、昨年度は特に早かった。いつの間にか、これを書く時期になっていて、催促が来た。缶ビールと色鉛筆、またもやここで草稿を練る。

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 それが起こってから、しばらくざわざわしたまま、数日経って、それが起こった現地に、何故か急ぐことに、なった。

 

 特別と言えば特別なのだろうけど、何処で書くにせよ、どんな時期に書くにせよ。あろうとも。それが起こったことを避けるには、多分、僕からは遠く及ばないような技量みたいなのが要るんだと思う。僕は、当然、自分の技量を分析し、結果、それと共に、そこに、正確に落ち込んでいくことにした。少し前の、当時の覚書みたいなのが、沢山出てきたから。当時読んでいた本とかそういうものに紛れた紙片というカタチが多いのは、そのことから逃れることに悉く失敗していたからだと思う。

 戻り。

 向かったはいいが、特に使命などは無かった、僕(僕ら)を送り込んだ何者も混乱から脱することができず、ざわついたままだったのだろう。窮屈な車内はそれらしい緊張感を保っていたし、車内で発せられる軽いジョークは、正確に、浮ついた。それだけでなく、探り合うような会話も浮つきつつ、合法も非合法もごちゃまぜにしたような、(僕らの?)車は走った。

 途中から、明らかに身に覚えのないカーブが増え、沢山の見なれない車両とすれ違うことが多くなった。ここの景色は、モザイクのようだ。色彩に欠く、モザイク。どうやら、脳みそが、視覚情報の入力をさぼっているらしい。スピードとは関係なく、色彩を欠くモザイクは淡々と後方へ・・・、ゆっくりと一定のリズムを刻み、後方へ・・・。

 ***などの場所を表す看板、記号。「かつて」に代表される、もはや意味を成さなくなった記号。「辛うじて」が、ここを支配している。「辛うじて」が、ここに君臨している。ただし、暫定的に。

 物語は始まらない。当然、何も始まるわけがない。

 ここにあるものは、全て、すべからく、そこにある為の意味とか当然そこで担う機能を失っている。そのままも、これからもない。ただただ、そこに、ある、だけ。造形ですらない。カタチですら、ない。唯一、それがそれである為に必須な外部から付与された使命なんぞは、遠く、何キロも先に吹っ飛ばされ、その辺りで引っ掛かったままとっくに、干からびた。干からびて。干からびる湿度とか温度などの小難しい話は排して。自分の都合で。居た堪れなくなった自分を可愛い可愛いして、・・・

 これらを、『小さな永遠』と、呼ぶことにした。

 


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