N2 スタジオライブ12 沢村澄子個展

2008-04-18 20:17:08 | AROUND THE N818
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 怯まず弛まず、そんな情景を僕は遠くから見ている。書道家の沢村澄子さんと現代美術家の新里陽一さんが、目の前で怒鳴り合っている。どんなルールで戦っているのかが分らないから、どちらが優勢なのかも分からない。とりあえず、新里さんをそこそこに知っている僕は「見ていても大丈夫だ」と判断したから、多分…、沢村さんが優勢なんだろう。

 もう少しで、ここを離脱するんだ。自分の眠気や、山への欲求を優先するのは、思いやりとは関係ないだろうから。



 概要文にあるように、YPG(Yellow Plant Galley)で沢村澄子個展が催される。「遂には『書道』が出てきたか…!!」と思ったのは、僕の感想で、現代美術というのが何か分からない僕の率直な気持ち。


 がらんとした空間に巨大な白と黒が浮かび上がっている。圧倒されている中でも、ふと目に飛び込んでくる意味を持った曲線と直線。これがまた、ちょくちょく飛び込んでくる。天井の梁に凛とした姿で僕を見降ろす意味を持った直線と曲線、それも白と黒。「それが、生物のようだ!」と言いたくなるけど、言わない。だって『字』なんだもん。意味を司る『情報』なんだもん。使命を帯びた『記号』なんだもん。しかし「それだけじゃない!」から、こういった『書道』があるんだろう。

「それだけじゃない!」というのが、何のことを言っているのか分からないけど。多分…、「ソレダケジャツマンナイ…」「ソレダケジャサミシイ…」「ソレダケジャカナシイ…」って、時代があったんだろう。ワープロがなくてタイプライターがなくてパソコンがなくて、文盲が多かった時代だろうと思う。


「コウヤルトタノシイ!」「コウスレバカッコイイ!」「コウスレバヨリツタワル!」となったのは、いいことだ。

『…』と『!』の差で。

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