「人はどうして病気になるのでしょうか?
この疑問に対する答えを、私は10年にわたって探し続けました。医学部で様々な病気の勉強をしましたが、その答えは見つかりませんでした。
「遺伝と環境が半分半分で病気の引き金になっている」
といった漠然とした知識のみを得て、私は医師になりました。私が救急医として5年間働いて痛感したのは、ほとんどの患者が自らの生活習慣から必然として病を招いているという事実です。煙草を吸い続けて肺がんになったり、肥満を放置して心筋梗塞になるといった人が大半を占めるのです。その人自身に原因を見出せない病気や怪我は一割程度しかないというのが私の印象です。
心筋梗塞、脳卒中、がんは「成人病」と呼ばれてきました。これは医学用語ではなく、行政用語です。旧厚生省が作った用語であり、英語にはその訳語がありません。
これに対して、『生き方上手』などの著作で知られる聖路加国際病院の日野原重明医師が、20年前に名称変更を提案しました。それが「生活習慣病」です。
生活習慣病という言葉には、その原因に向かう意思が含まれています。成人病という、あたかも運命的な響きを持つ病名ではなく、生活習慣病という命名のほうがはるかに正確です。
しかし私はこれでも不十分であると考えています。私が提唱したいのは「予防可能病」という名称です。
生活習慣病は、成人病と比べてはるかに正確な名称です。ただ、どこか他人事のような語感が含まれている点が問題です。
私は自らの病院における勤務経験から多くの疾患が自業自得であるとの強い印象を受けました。そこから、生活習慣病をさらに一歩進めて、予防可能病という病名を提唱したいと思います。
「成人病」→「生活習慣病」→「予防可能病」という名称変更は、言葉遊びではなく、治療から予防への意識変換を促すための戦略です。」
(『健康方程式』 p. 64-65)
では、予防可能病って、なんでしょうか?
次回より、8種の病気を挙げていきます。
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この疑問に対する答えを、私は10年にわたって探し続けました。医学部で様々な病気の勉強をしましたが、その答えは見つかりませんでした。
「遺伝と環境が半分半分で病気の引き金になっている」
といった漠然とした知識のみを得て、私は医師になりました。私が救急医として5年間働いて痛感したのは、ほとんどの患者が自らの生活習慣から必然として病を招いているという事実です。煙草を吸い続けて肺がんになったり、肥満を放置して心筋梗塞になるといった人が大半を占めるのです。その人自身に原因を見出せない病気や怪我は一割程度しかないというのが私の印象です。
心筋梗塞、脳卒中、がんは「成人病」と呼ばれてきました。これは医学用語ではなく、行政用語です。旧厚生省が作った用語であり、英語にはその訳語がありません。
これに対して、『生き方上手』などの著作で知られる聖路加国際病院の日野原重明医師が、20年前に名称変更を提案しました。それが「生活習慣病」です。
生活習慣病という言葉には、その原因に向かう意思が含まれています。成人病という、あたかも運命的な響きを持つ病名ではなく、生活習慣病という命名のほうがはるかに正確です。
しかし私はこれでも不十分であると考えています。私が提唱したいのは「予防可能病」という名称です。
生活習慣病は、成人病と比べてはるかに正確な名称です。ただ、どこか他人事のような語感が含まれている点が問題です。
私は自らの病院における勤務経験から多くの疾患が自業自得であるとの強い印象を受けました。そこから、生活習慣病をさらに一歩進めて、予防可能病という病名を提唱したいと思います。
「成人病」→「生活習慣病」→「予防可能病」という名称変更は、言葉遊びではなく、治療から予防への意識変換を促すための戦略です。」
(『健康方程式』 p. 64-65)
では、予防可能病って、なんでしょうか?
次回より、8種の病気を挙げていきます。

