『健康方程式クリアファイル』

健康方程式をクリアに理解するためのwebファイルです。

食事と健康に関する思い込み

2008-02-28 | 医学書『健康方程式』
『健康方程式』が東西の科学と哲学知識の集大成である、
ということから、海外の読者にもおもしろがられていることを、最近興味深く思っています。
現在、アメリカ、フランス、ドイツ、ベルギーの人たちからの感想を聞いています。(英語版による)
文化の異なる人たちと同じ本を読む、その背景がもたらす感想の違いを愉しむ。とても刺激的ですよね。
よかったらぜひ、プレゼントして、“あなたとの場合”を試してみてください。

さて、エスプリに富んだやり取りを好む人種、フランス人に、
ここがおもしろい!
とうけたのが、この箇所。

『健康方程式』12ページ、【医師の不養生】から。

「医師はどうして長生きしないのでしょうか?
(中略)
健康に関する知識は医師に聞きたくなるところです。その医師たちは必ずしも長生きしません。つまり、正しい健康知識を持っているようには見えません。もし正しい健康知識があるなら、医師たちは健康を保ち、長生きするはずですから。
実は医師はあまり健康知識を持っていないのです。
もっと正確に言うと健康について習ったことも考えたこともない医師の方が多いのです。
これは一見意外な考えですが、まぎれもない事実です。
医師は必ずしも健康の専門家ではないのです。」


なんというどんでん返しの事実!読んだ人の度肝を抜くのは、万国共通のようです。
・・・さらに続きます。

「医学は、健康についての学問ではありません。病気についての学問です。
私は、医学部6年間の講義で、一度も健康について習ったことがありません。
何十冊という教科書を読みましたが、健康についての記述を一度も読んだことがありません。
医学部を卒業した後、通常、医師は病院に勤めます。
そこで会うのは病人です。
来る日も来る日も病人に会います。健康な人に会うことはありません。
病人を病人でなくす
のが医師の仕事です。
医師は病気についての知識を持っていますが、健康についての知識は少ないのです。」


聞いてみれば、納得。です。
しかし、健康のこと⇒医師に聞こう!というのは、固い思い込みとして、わたしを含め普通の人々の間には流通しているのが、現実だと思います。

そこで、他にもきっとある、ただの「思い込み」を検証していく作業にとりかかりましょう。
歪んだ積み木の塔を思いきり壊して真っ直ぐに積み直すような、そしてもっときれいな塔をつくり上げるような、すっきりした快感が味わえそうな予感です。

『健康方程式』31ページ、【食事と健康に関する思い込み】より。

「健康について、これまで医師や医学研究者はあまり関心を払ってきませんでした。
従って、信頼できるような実験は非常に少ないのです。
健康になる食べ物は、実験によって裏付けられているのではなく、印象に裏付けられているものが多いのです。
食と健康に関しては様々な説が飛び交っています。
その中で改めた方がいい思い込みが3つあります。
それらの思い込みは日本人の心に根深く住み着いているため、否定するのは大変ですが、一度頭を柔らかくして読み進めてください。」


次回から、その3つの思い込みを、検証していきましょう

①第一の思い込み
②第二の思い込み
③第三の思い込み


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知識とは【2】

2008-02-24 | 医学書『健康方程式』
「「医食同源」という言葉を否定する人は少ないでしょう。
食べ物と健康に密接な関係があることには疑いがありません。
食べ物は体の材料ですから、どのような食べ物を摂取しているかで、体調が大きく左右されます。
まず、食べ物についての思い込みと不確定情報を、信頼できる知識に置き換えていきましょう。」

『健康方程式』p.30)

以下は、衝撃的な事実です。

「健康情報の多くが物販を目的としています。
物販、すなわち商品を売ることが目的なのです。
その商品が本当に健康に寄与するなら問題はありませんが、多くの場合「商品を売る」ことが主目的です。
そしてその「商品を売る」ための手段が「健康によい」という情報なのです。
健康によいから売るのではなく、
売りたいから健康によいと宣伝された商品
が非常にたくさんあります。
この点をよく注意していただきたいと思います。

様々な健康食品が販売されています。
やせ薬や健康野菜などが雑誌やテレビを賑わせ、そのうちのいくつかは実際効果があるのでしょう。
しかし、実際に実験が確かめられた効果は非常に限られています。
少し断定的に言えば、
「健康情報」ではなく、実証的な「健康知識」と呼べるものは、実はほとんど世界に存在しないのです。

『健康方程式』p.30)

この箇所は、曖昧に認識されがちな「情報」と「知識」の見分け方をくっきりと知らせてくれる大切なポイントです。
言われるがまま、そうか、そうに違いない!と自分の頭をまでだまして信じ込んだりせず、
なぜ、そうなるんだろう?本当はどうなんだろう?
と、さらに想像力を働かせて真実を見る、自分の「知性」を活用してみましょう。

「この本は健康知識を提供することを目的としています。
いくつかは合理的な仮説、いくつかは実証的な仮説、いくつかは革新的な仮説です。
それらの仮説を提示することで、健康についての思い込みを取り除き、健康情報に振り回されない生き方をぜひ実践してください。」

『健康方程式』p.31)

「情報」と「知識」の違いが、判ってきました。
健康がほしい、と出発するところが同じでも、
「情報」(不確かな)に振り回されてお金だけが飛んでいってしまうことになるか、
「知識」を掴まえて自らの内側から礎を確かに固めていくか。
大きく差がついていくところだと思います。


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知識とは【1】

2008-02-20 | 医学書『健康方程式』
さて、
「健康方程式」とはどういう存在か?
について、考えてみませんか。
医師が書いた本、
「でもお医者さんて皆がいろんなこと言うしな」
と考える多数の方に適した記事に、今回はなると思います

「私がこの本で扱うのは、情報ではなく知識です。
「情報」に関しては注意が必要です。そこには何らかの意図が隠されているからです。
はじめに「何のために発せられた情報か」を良く考える必要があります。」

『健康方程式』p.30)

人は好きなものには敏感になります。健康に気を配る人は、健康の「情報」感度にすぐれていらっしゃることでしょう。
しかし、自分もそうですが、気付くとその波に溺れてしまうことがあります。
ふらふらと、目を引くものにただついていってしまうことがあります。
「知識」は、そんなときの足元に固く在る地盤です。
きちんと踏みしめ、離れずにいることで、崖からふらりと落ちてしまうことを防ぐ大切なものです。

「情報は次々更新されるものです。風向き情報のようなものです。従って、指針にはなりえません。
私たちが必要とするのは健康になるための指針であり、風向き情報ではありません。健康知識を指針に据え、健康情報を吟味して取り入れ、思い込みを改めることが健康に繋がるのです。」

『健康方程式』p.30)

思い込みを改める・・・ 染脳 → 洗脳

専門家の知識は、世の中に共有される財産です。
ありがたく享受しましょう

ではところで、「知識」とはそもそも何?

「知識は、いわば方位磁石のようなものです。その方位磁石の制度には3種類あり、それらを区別することは大切です。
その特徴は以下のようなものです。

①合理的な仮説
一つめは「少し信頼できる知識」です。それは、今までの医学知識と矛盾せず、筋が通っているということを意味します。この、今までの知識できちんと説明できる考えを「合理的な仮説」と呼ぶことにします。これが知識への第一段階です。この「合理的な仮説」が、「正しい知識」への出発点です。

②実証的な仮説
二つめは「かなり信頼できる知識」です。それは、今までの医学知識と矛盾せず、実験によって裏付けられている考えです。これを「実証的な仮説」と呼びます。実証とは実験で証明されたという意味です。一般に「医学知識」という場合、この実証的な仮説を指します。

③革新的な仮説
三つめは「驚くべき知識」です。それは、今までの医学知識を覆すような大胆な仮説です。もちろん、まだ実験では確かめられていません。これを「革新的な仮説」と呼ぶことにします。

私がこの本で「健康知識」という場合、この3種類かのいずれかを指します。健康知識の多くは合理的な仮説であり、残念ながら実証的なものは少なく、革新的なものはさらに稀なのが現実です。

健康知識に似て非なるものに「思い込み」があります。人間は、多くの考えをなんとなく獲得し、なんとなく信じています。すべてを厳密に、合理的に、実証的に、確かめることは現実には不可能です。健康に関する考えの一部はこのような「思い込み」であり、言いかえると「迷信」にしか過ぎないものです。
世の中に出回っている健康についての考えの多くは、「知識」ではなく「情報」です。正確には「情報どまりの話」が多いのです。健康情報は真偽の程が定かではないので、健康知識には含まれません。」

『健康方程式』p.28-30)

難しいので、何度も読み返すことが大切だと思います。

つづく・・・


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悲観症【2】 ~うつ病の予防へ

2008-02-12 | 医学書『健康方程式』
悲観の思考が恐ろしいのは、うつ病へ至る点です。

「予防の観点からうつ病を見たとき重要になるのは、
「うつ病は感情の病ではなく、思考の病である」
という認知療法の考え方です。
日本うつ病学会の野村総一郎医師は、
「うつ病患者には特有の考え方があり、それを正すことで予防が可能ではないか」
と、著書『うつ病をなおす』に書かれています。
野村医師の「これまでの伝統的な精神医学にはうつ病の予防という視点がほとんど欠けていた」という指摘は非常に重要です。
うつ病患者に特有の思考習慣とは、肯定的側面の否定です。
言いかえると、先に述べた「悲観症」です。
陰性思考が悲観症を生み、
悲観症がうつ病を生むのです。」

(【健康方程式】p.78)

そして、解決法はこれ。

「陽性思考を毎日訓練することが悲観症を避け、うつ病を予防するのです。
健康方程式の第三項は悲観症を避ける思考習慣です。」

(【健康方程式】p.78)

これまでたくさん学んできましたように、健康方程式H=o+s+
第三項は、感謝Thanks

「感謝」について、あらゆる角度から見てきました。
ぜひあらためてこちらから、おさらいをしてみてください


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健康方程式セミナー

2008-02-05 | 健康 Health
○●○
先週末、2月2日。
【健康方程式セミナー】が神戸で行なわれたようです。
→こちら
「朝食真理教」からの脱皮をもって、大切な人を健康に


○●○
また、mixiに【健康方程式コミュニティ】ができました。
→こちら
有効に活用していきたいですね



悲観症【1】 ~実態

2008-02-03 | 医学書『健康方程式』
「自己破壊症」には、
①喫煙症
②肥満症
③悲観症
があるということをご紹介してきました。

③悲観症について、今日はご紹介しますね。

「「悲観症」が第三の自己破壊症です。これは正式な医学用語ではなく、私の造語です。
悲観症は文字通り「悲しみ」の面を「観る」習慣を持つことです。ある出来事が起こったときに否定的な面、悲しい面ばかりを見つけ出す思考の習慣です。
悲観症の根本には、「陰性思考」が隠されています。
陰性思考とは、悲観を導いてしまう思考の傾向です。」

(【健康方程式】p.58-60)

タバコはすわないよ、肥満でもないよ、
という人の中にも、「悲観症」は一番広がっているような気がします。
目に見えないけれど、実は一番蔓延しているタイプ、それが悲観症ではないかと思うのです。

「これやってみよう!」
「ウーン、でもさ、もしだめだったら・・・」

すぐ「ダメ」に目を向ける思考のことです。

「ずいぶん手をかけて問題解決に挑んできたね、これだけやったらそろそろだいじょうぶだね」
「いや、まだ●●が気にかかって・・・」

と、なかなか悲観の状態から出てこないのも、症状の一つ。

「認知療法という精神医学の考え方によれば、感情は思考の産物です。
感情は自動的に生まれるものではなく、思考を通じて現れるのです。
ある出来事があり、それに対して自動的に感情が生まれるのではありません。
その人特有の考え方を媒介して感情が生まれるのです。
出来事→感情ではなく、
出来事→思考→感情なのです。
この中で、「思考」の部分に注目することが、健康方程式の考え方です。
悲観症の根本には陰性思考があります。その結果、悲しみの感情が湧きあがり、気分の障害が起こってしまいます。」

(【健康方程式】p.58-60)

自分の慣れ親しんだ状態{習慣}から抜け出すのは容易ではありませんが、それにしても、マイナスの状態に好んで身を長く置きたがる人は意外と多いものです。
しかし、そのツケは大きい。

「陰性思考は、自分を無理やり悲しみの感情に導く思考習慣です。
そしてこの思考習慣は、実は自分の心を破壊する習慣です。
この陰性思考習慣が長年にわたって続けられ、定着すれば、悲観がその人の世界観になります。これは重大な病です。
これを予防するための方法、つまり陰性思考を陽性思考に転換する方法が、健康方程式には提示されています。
悲観症は思考の歪みから起こります。
どのように改めればよいかの具体的な方法が健康方程式です。」

(【健康方程式】p.58-60)

つづく


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