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nagao's blog WanderVogel

WanderVogel、山歩きと自然観察

Phuへの旅06・2018年12月8日(土)チャク → キャン → プー

2018年12月31日 | WanderVogel Nepal

(第4日目):チャク chyakhu (3,800m)  → キャン kyang (3,887m) 昼食 → プー phu (4,080m)

Trekking:8.0h (phu泊)

 

朝6:30に起きて朝の準備をして、あまり変わりばえのしない朝食を済ませ。chyakhu村を8:00に出発する。

天気は快晴だ!雪は初日の夜だけであとは毎日快晴で、今日は雲の様子も雪雲らしき姿・兆候は見られない。この分だとあと数日は大丈夫そうかな。

 

ヒダのような支尾根を巻いてアップダウンを何度も繰り返しながら道は延々と渓谷の奥に続いている。

美しい景色に元気づけられリズム良く歩き、9:30 kyang村に到着した。

 

朱色に塗られた基壇の上にブルーで彩色された石に梵字が刻まれたマニ石が並んでいる。ここだけに見られる独特の意匠だ。乾いた色の岩山をバックにしてとても幻想的な光景だった。

 

kyang村でもひとけが無く、かろうじて一軒だけやっていたバッティに入る。朝食から間もないのだが、ここでしっかりと食べておかないと今日はphu村まで村もバッティもないのだ。

とりあえず白米だけを頼み、ふりかけをかけお茶をぶっかけて無理矢理胃の中に流し込んだ。

食事をすると言ってもオーダーを聞いてからおもむろにご飯を炊き始めるわけなので、けっこう時間がかかるものである。圧力鍋で炊きあがったご飯をガバガバっと掻き込む。 

 

昼食が出来るのを待っている間と昼食後、村の古い家屋群を見て回る。

kyang村には、チベッタン風の石積み壁に陸屋根の家屋が多く残されている。普段使われていない感じが見受けられるので、やはり冬期間だけの使用なのだろう。また、家畜小屋として使われている家屋も多く見られた。

 

家屋は周りの岩を砕いて壁などの建築材料としているので、完全に景色に溶け込んでいる。色彩的に完璧にカモフラージュされているので、遠望からはなかなかその全貌が見えてこない。ところどころに立てられているタルチョーの鮮やかな三色の旗が村の存在、家屋のありかをアピールしているかのようだ。

屋根は陸屋根で土をかぶせ、中には植物が自然に生えてきている家屋も見られるが、これは意図したものではなく、単に管理がなされていない証拠だろう。本来陸屋根上では収穫物を干したり、作業場として使われることが多いので、土を敷いたままきれいに掃除がなされているはずだから。

 

聞いてみると、この村はここよりさらに奥のphu村の冬の村として使われてきたということだが、石積みの外壁が崩れかけている家もけっこう目に付いた。

高台に広がる草地はヤクなどのカルカ(草地・放牧地)として使われていて、多くのヤクや馬が草を食んでいた。

 

11:00 kyang村を出発する。

渓谷右岸の切り立った岩壁をくり抜いて作られた道をひたすら進む。

 

周りは圧倒的な景色で、とにかくすごい光景だ!

岩山ばかりで放牧地としてはまとまった広さの場所が取れない。荒れた台地の狭いテラスのひとつひとつを無駄無くカルカとして使っているいるのだろう、対岸にもヤクの道らしき踏み跡がたくさん付けられている。

 

11:40 phu川のloha kholaの分岐点を通過。

冬道への分岐点の橋を通過し、しばらくしてまた合流の橋がある。冬道は、積雪などで右岸沿いの道が閉ざされた場合、左岸の河原沿いの道を通るということなのだろう。

 

その先のチョルテンの見える河原で水分補給の休憩を入れる。標高は4,000m近くになっているので、水分補給を意識しながら歩く。

登りの一歩一歩が息切れしだしてきている。

13:40 美しい大型のチョルテン群が見えてきた。

すごく魅力的な姿で引き込まれてしまうがここは帰り道に立ち寄ることにして通過、puh村目指してさらに歩き続ける。

 

河原に降りたところで、灌木などの柴を拾って歩くphuの村人に出会う。このルート上では滅多に人の姿を見かけなかったので、ガイドを通していろいろ話しを聞く。

 

このあたりはヤクの放牧地のまっただ中の様で、通過する人のことなど気にするでも無く草を食んでいる。すれ違う時に目が合うとジッとこちらを観察しているような可愛らしい目を向けるのだが、ヤクはかなり体格が良いので近くで見るとけっこう怖いものだ。

 

河原をしばらく歩くと、phu川をせき止めるように打ち込まれた巨大なピナクルが見えてくる。地図上でもPhu Rock Pillarの表記がある。

ピナクルの右脇の隙間を巻くように通過すると目の前にきついつづら折りの急登がドーンと現れる。

はるか上に門らしき建造物が見えるが、これからあそこまでこの急な岩壁を登るのかと考えるとさすがに精神的に堪える。

ヒーヒーハーハー息切れしながらやっとこさ急坂を登りきると、そこにはphu村への古式ゆかしい門が設えてあった。

 

14:25 phu村の門をくぐり、マニ石の列を右手にさらに奥へ進む。このあたりの光景も感動的だ。

 

草木のまったく無い岩山・土山の山肌をトラバースするようにけっこう立派な道が造られている。

 

極端に狭い渓谷の対岸にはphu村を外敵から守ってきたのだろう古い城跡の石積み擁壁が見えてくる。地図上でRulned Fortと記されている城砦跡だ。つぶさに見てみるとけっこう手の混んだ造りをしている。

でもいったいどうやってあんな孤立した狭くて危険な岩の上にあのような城塞を築くことができたのだろう。魔術でも使ったのだろうか?と思えるほどの不思議な光景だ。

城塞跡を左に見ながら道をさらに進む。

 

谷の奥には雪を頂いた高山が見える。Pokarkang(6,372m)だろうか? それともその奥にあるチベットレンジなのだろうか?

頭上の丘の斜面には行列を作って進むヤクの一隊が見える。河原で合った村人からの注意で、ヤクの落とす石に注意するように!とあったのはこのことだったのね。確かに上から小石がパラパラ落ちてきている。

 

16:00過ぎ、日が傾きかけた頃にphu村に掛かる吊り橋脇に到着した。対岸の馬蹄形上に凹した台地に造られた割りと大きな村・phuと隣接するゴンパ群が見える。

このような荒涼とした世界を歩き続けて、いきなり大きなゴンパを持った村に行き当たれば、きっと旅人の目にはシャングリラのように見えたのだろうなぁと想像してしまう。

吊り橋を渡ると、古ぼけた村の門が設えてある。そこをくぐり、村に入る。

 

ここも今まで通過してきた小村同様にあまり人気(ひとけ)が感じられない。ん?どうしてひとけが無いんだ?とちょっといぶかしむ。

なんとか一軒のバッティを見つけ中に入る。

それにしても今日はまったく疲れ過ぎていて、夕食すら食べたくない。荷物を置き、ベットにシュラフなどを設え、日が落ちる前にphu村を散策して来ようと外に出るが、すぐに日が落ちてしまいロッジに戻る。

睡魔に襲われているということでもないのだが、昨年のような体調不良に陥らないように、今夜は暖かくしてひたすら睡眠を取ることにした。

毎晩ラムさんが湯たんぽを用意してくれるので、極寒の室内でもベッドの中は暖かだ。う~ん、やはり湯たんぽはありがたい!

で、何だかよくわからない”悪夢”にうなされながらバタンキューと寝てしまう。


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