(第1日目):カトマンズkathmandu(1,300 m) → 国内線/タラエア → ルクラlukla(2,840m) → パクディンphakdling(2,610m)
04:30 起床、身支度を整えて、最終パッキングをして荷物を1階フロントに下ろす。早朝のこの時間帯でも外気温は20℃もあり、やっぱりカトマンズは暖かい。
すでにガイドのラムさんは到着してロビーで待っていた。
5:15 ホテルをチェックアウトし、用意してもらった朝食パックを持ってタクシーで飛行場に向かう。
5:20に出発して、わずか15分で国内線ターミナル(というか簡素な平屋の建物なのだが、、)に到着した。
さすがにこの時間帯なら渋滞に巻込まれることもなく、スムーズに走ることが出来る。
これが日中だと1時間から1時間半以上も掛かるのだから、カトマンズの交通渋滞は恐ろしい。
日本のODAで一部で整備された信号機などの交通インフラは最初のうちこそ多少は機能していたようだが、そのうち電気も通じなくなり今ではただの飾り物になってしまっている。
主要な交差点には交通整理のための交通警官が10人ほど待機しているが、真剣に交通整理に当たっているのはだいたいそのうちの一人で、あとはただ交差点にたむろしているだけ、という「景色」を良く目にする。
空港に着いて、殺風景な待合室内でホテルが用意してくれた「朝食パック」を食べながら、タラエアのチェックインカウンターに係員が到着するのをただ待つ。施設内はひんやりしていて、うすら寒いので、風邪をひかないようにダウンジャケットを着込む。
6時15分頃になってやっと係員が到着し、チェックイン業務が始まった。
機内に持込む荷物の重量も15kg未満で問題なくボーディングパスを手にすることが出来た。
そこからボーディングルームに移動し、ここでも準備が整うのをひたすら待つ。この時期は早朝のマウンテンフライトの便が多くあり、次々に小型機が飛び立っていく。ガイドのラムさんによると、これでも2~3週間前のオンシーズンに比べると格段に少ないのだそうだ。
オンシーズン時にはこれにルクラ行き、ポカラ行きの便がひっきりなしに飛んでいたのだという。
確かに、マウンテンフライトの客は多いが、ルクラ行きの客は少ないようだ。
7:05 やっとアナウンスがあって移動用の小さなバスに乗る。
飛行機はかなり離れたところに駐機しているようで、滑走路内をずいぶん走ったところで小型飛行機に乗り込む。7:30。
ラムさんに朝教えてもらったように、ヒマラヤの山々がよく見える左側の席に座る。
乗客15人、乗務員3名(機長、副操縦士、パーサー)の計18人がぎゅうぎゅう詰めで(移動用のバスよりも狭い)機内に乗り込む。
8:25テイクオフ。
カトマンズ盆地内にもやっと陽が射してきて、機内も少し暖かくなってきているが、まだダウンジャケットは着たままだ。
小型飛行機は翼を岩肌に擦り付けるくらいの距離で、谷間を低空で飛行する。
きっかり30分後、8:55にルクラ飛行場の滑走路に滑り込むようにタッチダウン。うまいもんだ。
ルクラ飛行場に到着した小型飛行機は、乗せてきた乗客と荷物を下ろすとすぐに、滑走路脇で待っていたカトマンズ行きの乗客と荷物を積み込み、プロペラを止める時間も惜しむかのようにあっという間に元来たカトマンズに向けて飛び立っていった。
ルクラ(2,850m)に到着後、陽の当たる中庭のあるバッティでお茶を飲みながら一息入れる。
その間にガイドのラムさんは帰りの飛行機のリコンファームを現地の人に頼んでいたようだった。また、ここから一緒に行動することになるポーターを選んでいるようで、ポーターはルクラからルクラまでの契約で雇うということなのだろう。
マサラティーを2杯飲んで、9:30 いよいよトレッキングに出発する。気持ちが高まる瞬間だ。
ルクラ村の出口にチェックポストがあった。
今回、TIMS(トレッキングパーミッション)のシステムが変わって、こうした現地のチェックポストで通行料(?) を現金払いで行なうようになった。
と、いうことで、ここで2,000Rsを払うことになる。
この集金システムについては、僕もよく解らないのだが、とにかく今年からそうなったのだそうだ。
行程的に今日・明日はDudh Koshi ドゥードゥ・コシ川に沿って遡って行くわけだが、ルクラの標高は2,840m、今日の目的地パクディンの標高は2,610mなので、標高的には 下って行く感じなる。標高が低いので周りに緑は多い。
昨年、ゴサインクンド周辺を歩いた時と同じように、シャクナゲ、アセビ、ヒマラヤゴヨウ、ウツギ、アジサイ、メギ、ヤマハハコ、ハキダメギク、イラクサ、アカネなどお馴染みの樹木、植物が目に飛び込んでくる。
ランタン地方で昨年末も目にしたヒマラヤザクラの姿はここではぜんぜん見られないのだが、民家の庭先に植えられた皇帝ダリアの花が咲き誇っていたのがとても印象的だった。
ルクラを出て少し歩くとChheplungという小村を通過する。ここで、目の前にKongde Ri コンデ・リ(6,186m)やKhumbi Yul Lha クンビラ(5,765m)といった特徴的な山々が姿を見せ始める。ヒマラヤに来たなぁ、という思いを強く抱かせる山容だ。
クンビラ山のちょうど真下あたりが2日目に到着するナムチェバザールの村に当たる。日本での山歩きだったら1日で歩けるくらいの距離にある。それをのんびりと2日かけて歩く。今日は天気が良くて暖かい。山々もクリアに見える。
この時期はトレッキングシーズンの狭間に当たるためか、トレッカーの姿もぐっと少なくなっていて、落ちついてのんびりと歩くことが出来る。
山から降りてくるトレッカーが多い反面、これから登るトレッカーがやけに少なく、やはりシーズンオフに突入しているということなのか?と想像する。
ガイドのラムさんによると、11月中旬くらいからクリスマス休暇までの期間、外国人トレッカーの数は一時少なくなるのだという。
12:05 Dudh Koshi川支流のThado Khosi沢を渡ったところ(Ghat村手前)のバッティで昼食(ダルバート)を取る。
陽の当たる気持ちの良いテラスからは、Kusum Khangkaru クスム・カングル(6,370m)やKongde Ri コンデ・リ(6,186m)が良く見える。
気温は25.5℃、陽射しが強く半袖になっても暖かく感じる。
13:35 昼食を終えて、ふたたびのんびり出発する。
Dudh Koshi川沿いの緑の多い山道を歩く。サンショウの大木が目立ち始める。サンショウは日本の野山でも良く目にする樹木だが、こんなに大きくなるのか?とビックリするほど大木で、かつサンショウだけで樹林帯を形成しているのにも驚かされる。
他にも、ツルウメモドキ、オニシバリ、フジ、サルナシ、ノイバラなど日本の山でも目に付く植物が多く見られた。
昼食後1時間ほど歩いて、14:40 今日の宿のあるパクディンphakdling(2610m) 村に到着した。
パクディン村には外国人トレッカー相手のロッジが多数あるが、それらのロッジ群を通り越し、再度Dudh Koshi川を吊り橋で渡った右岸に建つ洒落たリゾートロッジ(サンライズ・ロッジ&レストラン)に入る。15:00、気温27℃。
ロッジ前のテラスには団体のトレッカーだろうか、すでに何人か到着していてくつろいでいた。話し声を聴くとドイツの団体さんのようだ。
時間的にはもう少し先のモンジョmonjo(2815m)まで歩ける時間だろうが、初日からあまり飛ばして歩くのも欲張り過ぎなので、今日のところはパクディン泊りというのが妥当なところだろうな。
ロッジにはレストラン棟が2棟、宿泊棟が何棟か建っていて、入口には大きなマニ車が立てられている。なかなか洒落た佇まいで、雰囲気の良いロッジだ。
1階のシャワー/トイレ付きの部屋と2階のトイレ共同の部屋があったが、泊まり客が少なく、共同トイレといっても僕一人で独占出来るのと2階からの眺めが気持ち良さそうだったので、2階の部屋に入ることにした。(泊まり客が多ければ、当然1階のトイレ付きの部屋の方が良いのだろうな)
部屋に照明はあるのだが、コンセントは無かった。
陽のあるうちに寝床の準備をすべく、エアマットを膨らませて、シュラフを広げておく。
17:00、気温15℃、日が陰ると一気に寒くなるのが山の気温だ。こういう時に風邪をひいたりするものなので注意が必要だ。
ガイドのラムさんが持って来たパルスオキシメーターで血中酸素濃度をチェックする。91%と標準並みで問題ない。心拍数は70回とこれも問題ない。
食堂で夕食のバフステーキを食べる。バフ(水牛)の肉は筋張っていて固かったが完食でした。
有料のWi-Fiもあるのだが、朝までの利用(食堂でのみ)で500NRsとけっこうな値段だったので、ナムチェバザールに着いてからでもいいか、と考えてここでのWi-Fi利用は止めにした。
夕食が終って、持参したナルゲンボトルとテルモスの両方に熱湯を入れてもらう。ナルゲンボトルはタオルを巻いて湯たんぽ代わりに使用する。
20:00 就寝。