2018年12月 ネパールヒマラヤ(manang,nepal)・Phuへの旅-日記
昨年12月のクーンブ(サガルマータ国立公園)トレッキング途中での断念・撤退にめげること無く、今年もヒマラヤを歩いて来た。
当初考えていたルート上で11月初旬に大規模な雪崩が発生し、急遽ルートをマルシャンディコーラ上流のマナンmanang周辺の小村巡りに切り替え、現地agentとやり取りを終えたのが11月末のこと。
出発までの数日間、なんとなく欧米人の書いたTrekking Blogなどをnetで流し読みしていると、すごく幻想的な光景の写真に行き当たった。
日本語で書かれたものはほとんど無かったのだが、Nar Phu Valleyのどん詰まりに位置しているPhuというチベット族の村の写真であることが解った。どうしても自分の目で見てみたくなり、出発間際に再度行き先を変更することにした。
あらためて現地のTrekking agentとmailでやり取りする時間も無かったので、カトマンズに着いてから話しをしようと、出来るだけ情報を集め、12月3日日本を発った。ただ、行きと帰りの飛行機はすでに決まっているので、この日程で果たして行けるのか?という不安を抱えながらの旅立ちとなった。
Phu・naar 渓谷について:
Phu村のある「Nar Phu Valley」はアンナプルナサーキットの東側、マルシャンディコーラの支流「Naar khola」「Phu khola」の作り出した渓谷のことだ。マルシャンディに合流するkotoは標高2,600mだが、phuは標高4,080m、Phu kholaの河川敷上の高台に造られた村だ。
現地のcheck postで手渡されたリーフレットによると、この地域が一般の外国人トレッカーに開放されたのは1991年10月からとあるが、別の情報では一般開放は今世紀に入ってから(2003年)だと記されている。いずれにせよ、つい最近まで一般旅行者の立ち入りが厳しく制限されていた地域、ということだ。
アンナプルナサーキットや内院/ABCなどの主要ルートと違い、設備の整ったホテルがあるわけでもなく、名のある山がどーんと見える!というわけでもなく、そのわりにけっこう日数を喰われるので、訪れるトレッカーが極端に少ないのかもしれないが、もともと情報が少ないが故に不安要素があるというのも大きな要因だろう。netで検索しても日本語での情報がほとんど見つからなかったのはそう言うことなのかもしれない。
(ただし、Phu村はHimlung (7,126m) 登山のBaseCampへのアプローチの出発点になっているので、一部のクライマーには以前から多少知られてはいたようだ。)
今回の山旅で目にし、体験した荒涼として殺伐とした乾いた大地、趣きのある大きなチョルテンとゴンパ、城砦のようなphu村の佇まい、風俗,暮らしぶり、囲炉裏端に吊るされたヤクの干し肉、などなど、以前歩いた「チベット高原」や「ラダック・ザンスカール」を思い出す世界だった。
今回、マルシャンディコーラ上の村Kotoから最奥の村・Phuまで3日かけて歩いた。出発点のKotoが標高2,600mで目的地のPhuが4,080mなのだが、3日かけてゆっくり歩いたので懸念していた高山病の症状は現れることはなかった。 トレッキング期間中、周りに広がる光景、チベット村の佇まいなどは期待以上に素晴らしいものだった!
・山旅の日程/概要・
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01:2018年12月 3日(月)金沢八景(自宅)→ 羽田空港(移動/出国)
02:2018年12月 4日(火)羽田空港 → バンコク(経由) → カトマンズ(到着)
03:2018年12月 5日(水)カトマンズ → ベシ・サハール(ジープ移動)
04:2018年12月 6日(木)ベシ・サハール → コト → チョンチェ(ジープ移動+トレッキング開始)
05:2018年12月 7日(金)チョンチェ → メタ → チャク(トレッキング)
06:2018年12月 8日(土)チャク → キャン → プー(トレッキング)
07:2018年12月 9日(日)プー → キャン → チャク(トレッキング)
08:2018年12月10日(月)チャク → メタ → チョンチェ(トレッキング)
09:2018年12月11日(火)チョンチェ → コト → ジャガット(トレッキング+ジープ移動)
10:2018年12月12日(水)ジャガット → ベシ・サハール(ジープ移動)
11:2018年12月13日(木)ベシ・サハール → カトマンズ(バス移動)
12:2018年12月14日(金)カトマンズ(出発) → バンコク(経由)
13:2018年12月15日(土)バンコク(経由) → 成田空港(帰国)→ 金沢八景(自宅)
*Trekking 資料
・X01 Naar/Phu Valley についてのmemo
・X02 accommodation、meal、注意点など
・X03 旅の予算 2018(出費)
・X04 電気/充電、Wi-Fi、電話
・X05 現地トレッキングエージェント
Phuへの旅01・2018年12月3日(月)金沢八景 → 羽田国際空港(移動)
羽田空港国際線ターミナル、自宅から車でちょうど30分の距離だ。今日は弟たちに車で送ってもらっての空港入りだった。
今回もいつも通りにThai Inter・バンコク経由でカトマンズへ飛ぶ。
eチケットになってからというもの、チケット検索、購入、発券、座席指定からチェックインまでの一連の作業が自宅に居ながらにして非常に簡単にできるようになった。ネットチェックインしているので一般カウンターの長い行列を横目にすんなりと手続きを終えることが出来た。
初めてひとり海外放浪の旅に出た1979年当時と比べると全く想像出来ないほどの変わり様だ。
羽田の出国手続きも顔認証システムだけで係官と顔を合わすことも無く、パスポートへの出国スタンプの押印すら無くなっている。肩すかしを食らったように手続きは非常にスムーズだった。
出国ロビー内のPC電源の数も昨年よりぐっと増えている気がするし、空港内どこでもFreeWI-FIになっているのにも驚きだ。
これもひとつの2020 Olympic/Paralympic 効果、なのだろうか?
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20歳の頃から続けてきた 僕の「ヒマラヤの村々を歩く旅」も、60歳になった今回で13回目となった。
これまで“ヒマラヤの山村“を旅するのに訪れた国は、アフガニスタン(カラコルム山脈)、パキスタン(カシミール、ヒンドゥークシュ山脈)、インド(ラダック/ザンスカール、ダージリン/シッキム)、中国(チベット高原、天山山脈)など複数の国にわたるが、ネパールは今回で6回目となり、さすがは「ヒマラヤの国・ネパール」だな、一番回数が多い。
そのネパール・ヒマールの中でも今回歩く「アンナプルナ山群」はこれで3度目の山旅になる。
「ヒマラヤ」は広い意味ではカラコルム山脈やヒンドゥークシュ山脈、天山山脈、崑崙山脈、チベット高原などを含めたわりと広い範囲を指すが、狭義ではパキスタンのナンガ・パルバット(8,125m)から東にインド・ネパール・シッキム・ブータンを経て、ヤルンツァンポ川が山脈が分断するあたりまでの、長さにして2,400km余りの範囲を指す。
「ヒマラヤ」とはサンスクリット語で「雪の住みか」という意味だ。どの山もその頂は万年雪に覆われ、足元にはいく筋もの氷河と氷河湖が広がっている。