起きる
…寝る
まずい
今年も来てしまった
これが来るともうなんか色々駄目だ
だから寝る
通り過ぎるまで
じっと、ずっと
身を寄せて、さなぎの様に固まって
何もせず、何も考えず、ただずっと…
pipipi
「…うるさいっ!」
破壊音
そして再び静寂
これでいい、これでいいの…
「でないわね…」
呟くように出した言葉なのにしっかり反応
「やっぱり出ない-?」
「真美達の電話にも出てくれないんだよー!」
亜美と真美が心配そうな顔つきになる
新曲を控えたこんな時期に二人に心配をかけてしまうなんて
なんて最悪のタイミング
多分あの子に来てるもの
…鬱だ
全てが億劫で仕方が無い
そう生きる事さえも
息を吸う、いや自分の心臓の音さえも全てが耳障り
いっそ消してしまえるならとまで思う
しかし実行には移さない
それすらも面倒
動きたくない
何も考えないで日が落ちていく
何も考えないで夜が明けていく
気が付くと目の端が痒い
…また泣いていたのか、私は
夢の中での出来事なのか、現実の事なのか
それすらも曖昧で涙を流した事もどちらの事なのか
…そんな事どうでもいいか
投げ捨てるように思考も放棄
ただ糸の切れた人形のように
「千早はね…年に数回、鬱になるの」
話していいモノか悩んだが亜美真美には知っておいて欲しかった
千早の生徒、いや友人として
「鬱?」
「あの結構話題になってる?」
予備知識は持ってるようね
それなら詳しい説明は要らない
「外国から帰って来たころはずっとそうだったの」
様子を見に行けば、何も食べず、眠らず、壁に横たわって
死んだように動かない
驚いて声をかけると突然泣き出したり
とにかく精神的に壊れかかっていた
「だんだん期間も回数も短く少なくなってるんだけど…出てしまうと辛いのよ」
連絡が途絶えるそのたびに私は様子を見に行った
ほっとくと確実に死んでしまう状況だったから
「千早お姉ちゃん…」
「そっか、それじゃあしょうがないよね」
納得はしてくれたみたいだけど…テンションは下がったまま
はぁ…どうしたもんかしらね
こんな時に頼りにすべき存在のプロデューサーは…居ないし
いったいどこ行ったのかしら?
お腹が空いた…
けど食べるものも無いし…
寝てしまえば気にならなくなる
そう思い枕にまた頭を沈める
目が開かない
暗闇がまた私の視界を支配する
なにもかもブラックアウトしていく
呟く
「ぷ、ろでゅーさ…」
この時だけは呼べる
弱っているからか夢の中だからか
もう…ダメだからか
「はい!あーん!」
誰だろう?
「あーん、してください!」
何も考えないから言われた事をそのままする
つまりは口を開ける
「はい、よくできました」
誰かはそう言って私の口に何かを差し入れた
「お塩だけのおかゆです、体を癒すには優しい物から入らないと…」
この声…
ボーッとした頭に思考力が少し戻ってきた
そうか…
「食べ終わるまで居さしてもらうからね、千早ちゃん!」
ありがとう…春香…
「忙しいスケジュールの合間に来て貰って悪かったな」
「いいんですよ!千早ちゃんは大事なお友達ですから!」
「そうか…ありがとな」
春香はアイドルを続けている
いや既にマルチタレントの域まできているベテランだ
もちろん多忙なスケジュール
ダメ元で頼んでみたんだが快く引き受けてくれた
「それよりプロデューサーさん、まだ仲直りしてないんですね…」
ため息混じりに春香が言う
「ああ…なかなか難しくてね」
「こういう場合、男の人から謝るべきですよ!」
全く持って正論だ
「…きっと千早ちゃんも仲直りしたいはずです」
「そうかな…そうだといいな…」
少し弱気になってしまう
やはり深く踏み込む事に臆病になってしまっているのかもしれない
「やだなぁ!私なんかを立派なアイドルにしてくれた
プロデューサーさんなんですから!もっと自信を持ってくださいよ!」
プップー!
クラクションが鳴った
どうやら時間のようだ
「じゃあな春香、活躍を祈ってるぞ」
「ありがとうございます!…そういえばプロデューサーさん?」
車の窓から顔を出した春香
「ん?」
「約束…私忘れてませんからね!」
思考がホワイトアウト
「ちょっとまて!あれはちょっとした!そもそも俺は妻帯…」
「あーあーきこえませーん!」
ブロロロロ…
闇に消えていく車
「全く…変わったんだか、変わらないんだか…」
呟いた言葉は闇に溶けた
さて家に帰るか…
「もしもし…ええ、ごめんね、もう大丈夫だから」
律子に電話をかける
家の古い電話で
携帯は…壊しちゃったし
状況説明をちゃんとしろって怒られるから
「春香が来てくれるなんて思わなかったわ、忙しいんでしょう?」
「ええ、春香は今の時期一番忙しいかもしれないわね、今日も朝から出てるわ」
律子は事務所のスケジュール表を見ながら話しているのだろう
ちょうどいい
「亜美と真美のレッスンは何時頃がいいかしら?」
「おっ!やる気ねー!千早!いい事だわ!」
回復した後はいつもより少しやる気が出るのも恒例だったりする
「だけど春香に私の事教えといてくれたのね?全く用意がいい事」
「へっ…?私、教えて無いわよ」
意外な返事
「えっ?じゃあ誰が?」
「亜美ー真美ー?あんた達話した?」
なんだ二人とも事務所に居たんだ
小さく拾える声に耳を澄ます
「ううん、はるるんには言って無いよー」
「真美知ってるー!」
「ほんとー!真美!?」
澄まさなくても大丈夫なぐらい声は大きい
「あのね…実は…」
「ははーん、なるほど…」
「さっすがだね!」
くっ!大事なところだけ聞こえない
「律子?結局、誰が春香に連絡取ってくれたの?」
なにか仲間はずれにされてるようで妙に聞きたくなった
絶対電話の向こうでにんまり笑ってそうな律子が見える
そして優しい声で答えてくれた
「そうね…あなたの事を多分一番心配してる人よ」
謎かけのような答えだったけど
それでも私は気づいた
「ふふっ…ふふふっ」
自然にこみ上げてくる笑い
テーブルの上の少し古びた銀の指輪が笑いに呼応するように
キラキラ輝いた気がした
ほぼ1ヶ月振りです
ごめんなさい
今や千早と言えばリレ組みの流れですが
いまだに四畳半です
イベントも沢山あったんですがどれも参加できず
律っちゃんオンリーとかあずささんオンリーとか
これが雪歩だったら危なかったと言っおこう
…時間あったらどっちも行ってたくせに
水着も両方買ったし
性的なアイドルを見て危うくなったりします
精神と財布が
アケマスはやよい、亜美真美組がボカ升失敗
レベル10で勝てる計算だったのに…
やっぱ腕落ちてるかもしれません
これで無敗は雪歩、千早組のみに
はてさて…
…寝る
まずい
今年も来てしまった
これが来るともうなんか色々駄目だ
だから寝る
通り過ぎるまで
じっと、ずっと
身を寄せて、さなぎの様に固まって
何もせず、何も考えず、ただずっと…
pipipi
「…うるさいっ!」
破壊音
そして再び静寂
これでいい、これでいいの…
「でないわね…」
呟くように出した言葉なのにしっかり反応
「やっぱり出ない-?」
「真美達の電話にも出てくれないんだよー!」
亜美と真美が心配そうな顔つきになる
新曲を控えたこんな時期に二人に心配をかけてしまうなんて
なんて最悪のタイミング
多分あの子に来てるもの
…鬱だ
全てが億劫で仕方が無い
そう生きる事さえも
息を吸う、いや自分の心臓の音さえも全てが耳障り
いっそ消してしまえるならとまで思う
しかし実行には移さない
それすらも面倒
動きたくない
何も考えないで日が落ちていく
何も考えないで夜が明けていく
気が付くと目の端が痒い
…また泣いていたのか、私は
夢の中での出来事なのか、現実の事なのか
それすらも曖昧で涙を流した事もどちらの事なのか
…そんな事どうでもいいか
投げ捨てるように思考も放棄
ただ糸の切れた人形のように
「千早はね…年に数回、鬱になるの」
話していいモノか悩んだが亜美真美には知っておいて欲しかった
千早の生徒、いや友人として
「鬱?」
「あの結構話題になってる?」
予備知識は持ってるようね
それなら詳しい説明は要らない
「外国から帰って来たころはずっとそうだったの」
様子を見に行けば、何も食べず、眠らず、壁に横たわって
死んだように動かない
驚いて声をかけると突然泣き出したり
とにかく精神的に壊れかかっていた
「だんだん期間も回数も短く少なくなってるんだけど…出てしまうと辛いのよ」
連絡が途絶えるそのたびに私は様子を見に行った
ほっとくと確実に死んでしまう状況だったから
「千早お姉ちゃん…」
「そっか、それじゃあしょうがないよね」
納得はしてくれたみたいだけど…テンションは下がったまま
はぁ…どうしたもんかしらね
こんな時に頼りにすべき存在のプロデューサーは…居ないし
いったいどこ行ったのかしら?
お腹が空いた…
けど食べるものも無いし…
寝てしまえば気にならなくなる
そう思い枕にまた頭を沈める
目が開かない
暗闇がまた私の視界を支配する
なにもかもブラックアウトしていく
呟く
「ぷ、ろでゅーさ…」
この時だけは呼べる
弱っているからか夢の中だからか
もう…ダメだからか
「はい!あーん!」
誰だろう?
「あーん、してください!」
何も考えないから言われた事をそのままする
つまりは口を開ける
「はい、よくできました」
誰かはそう言って私の口に何かを差し入れた
「お塩だけのおかゆです、体を癒すには優しい物から入らないと…」
この声…
ボーッとした頭に思考力が少し戻ってきた
そうか…
「食べ終わるまで居さしてもらうからね、千早ちゃん!」
ありがとう…春香…
「忙しいスケジュールの合間に来て貰って悪かったな」
「いいんですよ!千早ちゃんは大事なお友達ですから!」
「そうか…ありがとな」
春香はアイドルを続けている
いや既にマルチタレントの域まできているベテランだ
もちろん多忙なスケジュール
ダメ元で頼んでみたんだが快く引き受けてくれた
「それよりプロデューサーさん、まだ仲直りしてないんですね…」
ため息混じりに春香が言う
「ああ…なかなか難しくてね」
「こういう場合、男の人から謝るべきですよ!」
全く持って正論だ
「…きっと千早ちゃんも仲直りしたいはずです」
「そうかな…そうだといいな…」
少し弱気になってしまう
やはり深く踏み込む事に臆病になってしまっているのかもしれない
「やだなぁ!私なんかを立派なアイドルにしてくれた
プロデューサーさんなんですから!もっと自信を持ってくださいよ!」
プップー!
クラクションが鳴った
どうやら時間のようだ
「じゃあな春香、活躍を祈ってるぞ」
「ありがとうございます!…そういえばプロデューサーさん?」
車の窓から顔を出した春香
「ん?」
「約束…私忘れてませんからね!」
思考がホワイトアウト
「ちょっとまて!あれはちょっとした!そもそも俺は妻帯…」
「あーあーきこえませーん!」
ブロロロロ…
闇に消えていく車
「全く…変わったんだか、変わらないんだか…」
呟いた言葉は闇に溶けた
さて家に帰るか…
「もしもし…ええ、ごめんね、もう大丈夫だから」
律子に電話をかける
家の古い電話で
携帯は…壊しちゃったし
状況説明をちゃんとしろって怒られるから
「春香が来てくれるなんて思わなかったわ、忙しいんでしょう?」
「ええ、春香は今の時期一番忙しいかもしれないわね、今日も朝から出てるわ」
律子は事務所のスケジュール表を見ながら話しているのだろう
ちょうどいい
「亜美と真美のレッスンは何時頃がいいかしら?」
「おっ!やる気ねー!千早!いい事だわ!」
回復した後はいつもより少しやる気が出るのも恒例だったりする
「だけど春香に私の事教えといてくれたのね?全く用意がいい事」
「へっ…?私、教えて無いわよ」
意外な返事
「えっ?じゃあ誰が?」
「亜美ー真美ー?あんた達話した?」
なんだ二人とも事務所に居たんだ
小さく拾える声に耳を澄ます
「ううん、はるるんには言って無いよー」
「真美知ってるー!」
「ほんとー!真美!?」
澄まさなくても大丈夫なぐらい声は大きい
「あのね…実は…」
「ははーん、なるほど…」
「さっすがだね!」
くっ!大事なところだけ聞こえない
「律子?結局、誰が春香に連絡取ってくれたの?」
なにか仲間はずれにされてるようで妙に聞きたくなった
絶対電話の向こうでにんまり笑ってそうな律子が見える
そして優しい声で答えてくれた
「そうね…あなたの事を多分一番心配してる人よ」
謎かけのような答えだったけど
それでも私は気づいた
「ふふっ…ふふふっ」
自然にこみ上げてくる笑い
テーブルの上の少し古びた銀の指輪が笑いに呼応するように
キラキラ輝いた気がした
ほぼ1ヶ月振りです
ごめんなさい
今や千早と言えばリレ組みの流れですが
いまだに四畳半です
イベントも沢山あったんですがどれも参加できず
律っちゃんオンリーとかあずささんオンリーとか
これが雪歩だったら危なかったと言っおこう
…時間あったらどっちも行ってたくせに
水着も両方買ったし
性的なアイドルを見て危うくなったりします
精神と財布が
アケマスはやよい、亜美真美組がボカ升失敗
レベル10で勝てる計算だったのに…
やっぱ腕落ちてるかもしれません
これで無敗は雪歩、千早組のみに
はてさて…