見えざる声

感じたこと・思ったこと・追想、思うままに書きなぐった文章の
羅列を目指し・・。

ゆったりのんびりした旅

2006年12月29日 | 癒しのアイテム
旅に出る。そう夢想するだけで心ときめく・・
いいものだ。
もっとも私の旅のイメージは、スローな鈍行列車で
あり、点と点を結ぶような航空機や新幹線ではない。
その昔、金がなくとも暇のあった学生時代には、夜
行列車や宿代がなく駅舎に泊り込むなんてことも。
その間、勿論風呂にも入らないから、それこそ身だ
しなみは顰蹙をかうし、誰も近くに寄ってこないな
んてことも・・。
そんな中、奇特な人はいるものだ。
その時は友人と二人だったが、鈍行から急行へ格上
げさせて貰い、その上駅弁も、
奢って貰ったことがある。
旅の情けに有頂天になり、目的地に着いたとたん礼
もそこそこに、その恩人と簡単に別れてしまった。
何しろ名前も聞かず、住所も聞かずだから、返礼の
手紙さえ出せない。と後になって非礼をわびても、
これこそ後の祭だな・・。
若かったの一言で済まされないのは、年齢を重ねる
毎に身にしみるが、いまさら・・。
その旅は与論島への時のことだ。
のんびり行こうと、東京から鹿児島まで、鈍行を乗
り継いで計画し、意気揚揚と乗り込んだはいいが、
確か東海道線の大垣が終点だったと記憶しているが、
駅弁ばかりに飽き、変わり映えしない風景にも飽き、
乗り継いだ京都で、結局は急行へ変更してしまった。
もっとも我慢強い私は、それでも我慢できたのだが、
如何せん友人はこらえ性のない性格で、泣き言をい
い私が折れたのだが・・。
私はどんなに込み合っている夜行の車内でも、眠く
なればさっさ床に寝転んで眠ってしまう性格だ。
迷惑といえばとても迷惑行為かも知れないと、今に
して反省している。
二十四時間以上かかって鹿児島に到着したが、目的
地は与論島で、そこからの船への乗り込みのため、
その暇つぶしに鹿児島市内観光をし、二人で天気が
良く、よもや台風はこないだろうと(何しろ旅の途
中はいつも台風に遭遇している・・)安心しきって
港に行けば台風で欠航、出ている船は奄美大島だ
け、無理してそれに乗り込めば海は大荒れ、奄美に
着きいつ船が欠航するか分からないというので、
六時間後には、帰りの船に乗っていた。
目的地にも着けず、いたずらに鹿児島観光を楽し
んだだけで、再び鈍行の帰りと相成り、さすがに
疲れ切っていた旅だったが、岡山の手前だったと
思うが車内で、女神みたいな人と知り合い、件の
もてなしを受けたのだった。
この旅でのちょっと嬉しい出来事だ。
まぁ鈍行だったからだと思うし、
また鈍行にはその地方の方言を知るにはもって
こいの電車だと思う。
たどる県が多くなれば、それだけ方言を聞ける。
ある時はけたけた笑い、ある時は首をひねる。
それも旅の良さだなぁ・・。
もっともその旅は電車だった。
それ以前、中学生の時はSLで旅したこともある。
あの石炭の匂いと力強い音には、なぜか魅了され
るし、郷愁に誘い込まれる。
すると見ている風景も、煙の中で見るからか、
なんとも牧歌的に見え、霞んだ風景はより以上
に旅情を高めてくれる。
いいもんだ・・。
あの頃の旅は、もう出来ないだろうが・・。







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