a,b,c,dを正の数とする。不等式(1)s(1-a)-tb>0,(2)-sc+t(1-d)>0を同時に満たす正の数s,tがあるとき、2次方程式x^2-(a+d)x+(ad-bc)=0(3)は、-1<x<1の範囲に異なる2つの実数解を持つことを示せ。(私の解法)まず、この問題を見て何を考えますか?(3)の式のような2次方程式は、普通2つの解を持ちます。中学数学で習った通りです。この解xが、-1<x<1であることを示せばよいことになります。不等式(1)(2)を見てみましょう。これから何が言えるでしょうか?中学校の数学で覚えなければならない公式は、2次方程式の解法だけですが、2次方程式at^2+bt+c=0の解法はt=-b+-√(b^2-4ac)/2a(A)です。このtが-1<t<1となることを証明するためには、定数のa,b,cを調べてみればいいことが分かります。まず、(1)の式を調べてみましょう。調べたいのは(3)の式のa,b,c,dですから、まず、aの値を調べてみましょう。(1)の式より、(1-a)>tb/sとなります。t,b,sは正の数なのですから、1-a>0であることが分かります(B)。同様に(2)の式から1-d>0であることが分かります(C)。問題文に「正の数s,tがあるとき」とあるので、今度は、sとtについて調べてみましょう。(1)の式より、t/s<(1-a)/b(1’)、(2)の式より、t/s>c/(1-d)(2’)。(1’)(2’)より、c/(1-d)<(1-a)/b(D)。(C)よりad-bc-(a+d)+1>0(E)。それでは、問題文の(3)の式を調べてみましょう。(3)の式をf(x)=x^2-(a+d)x+(ad-bc)(E)と置いて、2次方程式の解法(A)の√(b^2-4ac)のルートの中を調べてみましょう。ルートの中をDとすると、(A)(E)より、D=(a+b)^2-4(ad-bc)=(a+b)^2-4ad+4bc=(a-d)^2+4bc>0(F)。したがって、f(x)は異なる2つの実数解を持つことが分かります(G)。後は、問題文の(3)の式の解が-1<x<1の範囲にあることを示せばよいことになります。では、(E)式でx=1と置いてみましょう。すると、f(1)=1-(a+d)+(ad-bc)となりますが、(E)によりこのf(1)の値は正であることが分かります。f(1)>0(H)。同様式を展開すると、f(-1)>0(I)。これを図にしてみましょう。ここでは図は書きませんが、2次方程式の放物線の図を書いてみてください。f(1)>0かつf(-1)>0となる放物線の図を書いてみてください。(3)の式のx^2の定数は正なので、じょうご型(頂点が下となる)グラフの形になります・グラフの頂点はどうなっているでしょう?(B)(C)により0<a+d<2なので、グラフの頂点(a+d)/2は、0<(a+d)/2<1(G)。頂点が下となり、頂点が0<(a+d)/2<1となるようなグラフを描いて見ましょう。(G)よりf(x)=0は2つの実数解を持つことが証明されているのですから、放物線の図により、f(x)=0は-x<0<xに異なる2つの実数解を持つことが示せます。
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