下見には勿体ないような天気。天気予報では、この晴天は午前だけとか、午前中が勝負。深い雪に覆われたブナ林から「ベコ谷地湿原」へクマ棚探しや大沼展望地など、見どころ沢山。どんな眺望や気づきがあるのでしょう。
この前も通ったこの場所。新雪は膝の下まで。どうやら軽めながら、ラッセルあり。
こんもりした景色を進みます。
澄川の幅60㎝程の仮橋には3m近い雪が積もっています。橋の位置の確認をと持参の竹ざおは短くて使えませんでした。
ダケカンバのアーチをくぐって出発という事のようです。
日の射すブナとオオシラビソの森を沢づたいに、本日は下見なので観察ポイントを物色中のように見えるかもしれませんが、膝下とはいえ、重い雪に”ハァーハァー”、アウターは着ていないのに汗が流れます。
斜面を登り切ると開けた大地に出ました。
太い幹折れのブナが3本。このために広大な空間が開いています。足元には分厚い雪布団をかぶった若い木たちがたくさんいると思います。早く伸びて、枝をひろげて、グングン大きくなってこの空間を独り占め。
名付けて”再生の森”
主は、かつてこの場所に君臨していました。今はブナハリタケやナラタケのキノコ達に宿を貸しています。
斜面を登ると木々の間から八幡平の方向の景色が広がりました。
あっ!「畚岳」が見える!
隣が近くて窮屈そうなブナはたくさん見ますが、この木の姿をご覧ください。
芽を出してから200数十年、誰に遠慮することもなく、枝を好きなだけ自由に広げています。彼の辞書には”遠慮”とか”窮屈”という文字はないでしょうね。
でも、少しさみしい気がする時も・・・と。
ベコ谷地に到着。
ベコ(ベコ:牛)谷地から、”コッコ”ベコ谷地(小さなべコ谷地)を通って旧澄川温泉を見下ろしています。
平成9年土砂崩れで旧澄川温泉は流されてしまい、そのあとに大勢の人達の手により植樹が行われました。冬の景色は白い雪原ですが、雪の下にはダケカンバなどの若い木が頑張っています。
東の方には大沼と大沼外輪のキタゴヨウの巨木が見えています。中央少し右には八幡平ビジターセンターも見えています。
雪原にはウサギたちの足跡が一杯。もちろん目的は”食事”これに尽きます。
コシアブラのようですが、新芽を集中的にかじっています。この木はどこから新芽を出すのでしょうね。よくもこんな姿にしたもんです。
こちらはダケカンバ。新芽だけでなく、太い枝もスパッ!とやっています。
そして大沼展望地へ。
ここで大沼を見降ろしながら、昼食を摂ります。
雪の造形って面白いです。どうしてこんな面白く大きな塊ができるのでしょう。
旺盛な好奇心は、雪が落ちるかもしれないのに、その恐怖を打ち負かし、真下からのぞかせてしまいました。
なるほど、太い枝ががっちりと、3点支持で雪の重さに耐えていたのです。
でも、どうしてこの重さに耐えなければならないのでしょう。
面白そうな斜面を澄川林道目がけて駆け下りていますが、残念なことに男二人では歓声はなく、きわめて地味。
ただ、私たちの激しい動きで、数えきれないくらいの”雪まくり”がコロコロと林道に転がり落ちていました。
ぐにゃぐにゃに曲がった澄川の様子も必見。感受性と想像力の豊かな彼は、ウシガエルがいる!と。
この時期にいる訳ねぇべ!と、誰かさん。
言われてみると、確かに左足を伸ばした感じがそれっぽく見えます。
おだてれば、目玉と口を付けたかもしれません。
これも。
澄川のヒューム管の橋を渡ると間もなくゴール。
冬だけ限定の景色はとっても面白い。この森の住人たちの足跡など、想像力を掻き立てられる素材にあふれているのがとっても面白い。
木々の冬芽や水の流れに春を感じながら、この森を歩いてみませんか。いったい、どんな気づきがあるのでしょう。
あべ
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