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hasihoネット

 @広東

ちょっといそがしいの

2005-11-10 18:45:07 | ハシホの小房間
november 10 thu  -28-
昨日からちょっとはまってることがあります。
それで ちょっといそがしい。

リビングにいる時間が増えたのはよかったかな。
でもそのせいで オモチサンの言動が目に付く。
どうしてこんなにTVに夢中なんだろう?
ぜ~んぜんおもしろくないし 本人も相変わらずリモコン握り締めてチャンネルポチポチし続けてるから そんなに面白い番組ってわけじゃないんだろうけどなー。

でもたまに プフッ! っと笑ったりしてる。ニヤニヤして。 気持ち悪ーい
そんな様子をみてると 
“もし子供ができたらTVは時間を決めて見ることにしよう” 
とひそかに心に誓う。 
『いいかい!?オモチ!こんな自由は今だけですぜ~

わたしがTV好きじゃないから わからないだけなのかな。 その喜びが。

そうだ! そんなこと言ってる場合じゃなかった!
早くリビングにもどって つづきしなくちゃ!


元気になりました

2005-10-26 00:00:00 | ハシホの小房間
october 26 wed    -13-
今日は一日洗濯もせずにゆっくりした。 昨夜結局ベットに入ったのが明け方5時近かったので11時すぎまで眠って。 夢は見たけど昨日の続きじゃなかったし お天気も気持ちよくて すーっと元気になりました

また学校休んじゃったのが気がかりだったけど 帰ってきたオモチサンに 
『今日一日ゆっくりしたら元気になったよ。でもまた学校休んじゃった。』
と言ったら なんと
『いいの、いいの。元気になってよかった
いい子いい子してくれました。

心配してくれてたのね。当然か。顔色が悪かったし 少し吐いたりしたもんね。  

それからなかよく野菜を買いに行って ひさしぶりにちょっぴり豪華なごはんをつくりました。 オモチサンも喜んでくれてよかったでーす。

ここのところちょっと

2005-10-25 00:00:00 | ハシホの小房間
october 25 tue -12-
急に涼しくなってきて わたし以外にも長袖の人をちらほら見かけます。

ここのところちょっと様子がおかしいんだよね。
何か漠然としたオレンジ色っぽい雲みたいなものが頭と身体いっぱいに広がってるような感じがして 体調がよくないんだよね。 ほんのちょっぴりした所で もしかしたらちょっとした病気かもしれないな ともちらっと思うのだけど あんまり考えたくないし考えない方が良さそうな気がするので 考えないんだけれど。 
夢も見るんだよね、いっぱい。 昨夜は嫌な夢を見てはっと目が覚めてまた眠って しばらくするとまた夢を見てはっと目が覚めてそしてまた眠る っていうのを 5回位繰り返したんだけれど その夢の内容が結構リアルなんだよ。 しかも続き物、連続ドラマなんだよー。 どう転がってもハッピーエンドには結びつきそうもないストーリーなので 続きはもう放送中止してほしいんだけどな。 それを思ってベッドに入るのをちょっとためらったりしてます。

こんなこと書いて 気持ち悪い人だと思われそうだなー。 でもまぁいいや。もう書いちゃったし。 それとも誰にでもよくあることなのかなー? でも オモチサンや過去に付き合った人を思い出してもそんなこと一度もなかったんだよなー。 どうなんだろう?
なんだろうね? 疲れてるのかな? でも別に疲れるようなことしてないんだけどなー。

それともたぶん急に涼しくなってきたから風邪ひいたのかも。もしくは季節の変わり目のアレルギーかもな。
まあ 気にしなければいつの間にか治ってるでしょう!

うっしっし~!

2005-10-20 00:00:00 | ハシホの小房間
october 20 thu -7-
オモチサンは某日系メーカーの中国支社に勤めている。 上司のうち約20名は日本人。昨年の3月通訳として入社し 今は課長。 
業務外で 会社の日本人総経理(社長)を相手に中国語の個人レッスンもしている。 別途報酬アリ。
この話があって 
これってビッグチャンスじゃなーい! だって総経理と仲良くなれたら・・・ねー??? うっしっし~!!!!』 
と盛り上がったのが約2ヵ月前。 

で そのうっしっし~!が予想を大幅に上回るスピードでやってきそうな兆し。
昨日総経理室に呼び出され 社内大改革計画の詳細を聞かされた後 『一緒にやってくれないか?』 と言われたんだってさ。 やったね! 
この前のプロモーションもよかったんだって。 あの日本語訳 わたしが一晩かけて公正したんだよねー! もしかして~ ちょっと~ 内助の功!?

なにがうっしっし~!かって 役職が上がればおのずと報酬も上がるわけです
今でも生活するのは充分だけど わたしは日本にもっと気軽に行きたいんだ。 マックのアイス(2元)もおいしいけど 時にはハーゲンダッツ(30元)も食べたいのよー!
だから正直に言うともうちょっと収入が欲しいのです。わたしが働くってテもあるけど 今のところはサポートに専念するのが一番かなと考えているので。

課長⇒副部長⇒部長⇒副総経理(副社長)  (その上の総経理は本社から来る日本人)

もし副総経理になったら今の4倍以上のお給料がもらえるそうです。わぉ
近々部署も移動になるとの事。 

オモチサン いつもがんばってくれてありがとう!
これからきっと大変になるけど身体も大事にしてね! 
hasihoはおいしいごはんをつくるよ!

目指せ副総経理!!!

今日は

2005-10-19 00:00:00 | ハシホの小房間
october 19 wed   -6-
やっと学校に行ってきましたよ。30分も遅刻したけどね。
しかもテキストを間違えて持って行って ホントに全く何の役にも立ちませんでしたー

そういえば 今日のクラスに密かに注目してるキューティーガールがいるんだけど その娘に彼氏ができてた! チョー野暮ったいイケテナイ彼氏がっ! 
今までは仲良しそうな女の子と並んで授業受けてたんだけどね 今日はそのイケテナイ君とぴったりくっついて 終わった後も 2人真っ先にラブラブな様子で教室からでていったよー。
フフフー 今後に注目ー。 若いからねー すぐ別れちゃうかもねー なんてちょっと楽しみー!

放課後(って懐かしくない?)ついにGパンを取りに。 まあまあ。 オーダーする時興奮してたからねー 合わなくてもいいやとか思ってたし。 こんなもんか。
ウエストの辺りはちょうど良いんだけど 足の長さがそれにしても足りなすぎ。 なんかもともと折って履くデザインみたいだし。 うーん。 やっぱりもっとちょうどいいのが欲しーなー。
 
あ、珠海にあるかな?

今日も

2005-10-18 00:00:00 | ハシホの小房間
october 18 tue  -5-
やっぱり大学はサボりましたー。
そしてついに指摘されてしまいました。
『そんなに行きたくないの?』  ちょっぴり心配そうな様子。

ごめんなさい そういうわけじゃないのよー。
明日は行かなくちゃー。

オーラソーマカラーリーディング

2005-10-17 00:00:00 | ハシホの小房間
october 17 mon   -4-
この前も書いたけど
オーラソーマカラーリーディング
これちょっとはまりそう。
4日前にやったんだけど 今日またやっちゃったよ。 なんかビンを見てるとちょっと癒される感じがするんだよねー。 その効果か書いてあることも受け入れやすい気がするし。 この前のも今日のもそれぞれ気分に合ってるような。。。

あとで自分で見たいのでこの前と今日選んだボトルをここにのせまーす。


《この前(10月14日)に選んだボトル》
 
1本目
2本目
3本目
4本目
043
062
083
050


《今日(10月17日)に選んだボトル》

1本目
2本目
3本目
4本目
057
058
050
054



そういえばなんかリビングがクサイと思ってたらベランダにこんな物が。。。

塩漬けにして干した魚・・・

今日は午前中にマーマー(スティーブンの継母)を駅まで送って 午後マミィ達を送り出してちょっと一息。 マミィ達は金曜あたりにまた別の客人(この前台山で会った義姉のNYの親代わり)を連れて帰ってくるのでね。
今日はなんだかとってもねむ~い一日でした。オモチサンとTVで卓球を見ながらソファでちょっと寝てしまいました。オモチサンが10時過ぎにそのままベッドへ行ったので わたしはやっと動き出してこの日記をかいていまーす。
明日も学校サボりそう! 先生に珠海のお土産があるんだけどなー

こんな日

2005-10-09 00:00:00 | ハシホの小房間

october 9 sun    -35-
なんとなく機嫌が悪くて何をやってもすっきりしない一日。
オモチサンが土日とも出勤なのがささやかな救いなのだけど。 
アア~ァ~ 生理前だからかな。 

トドメを刺したのが夜ご飯の時。
ブータレ気分に鞭打って 張り切って作った今夜のメニューは 取って置きのトムヤムペーストを使ったトムヤムスープと取って置きのクミンパウダーを使ったサフランライス、チンゲン菜のさっぱり炒め、ポテトベーコンサラダ。 自分では完璧な出来ばえ! 
美味しいご飯を仲良く食べてわたしのご機嫌もきっとよくなるかなー なんて勝手に期待したのが間違いだったの?

スープを一口飲んだ瞬間に チョー渋い顔。 怒り口調で 
なんでこんなに辛くしたの!?』  
から始まって 
こんなに辛いのは嫌い!この料理はhasihoちゃんにはおいしいかもしれないけど 俺には合わない、しょうがないでしょ』 
などとあんまり言うから 
『じゃあそれ食べなくていいよ』 
と言った。そしたら 
チェッ』 
って感じで ものすごいムッツリしてて しまいには 
不味くても食べないといけない時がある』 
なんて言った!

なにぃ~!!!
 
ha『じゃあ これも、これも、これも、全部まずいってこと!?』
オ『他のは 不味くないから食べてんじゃねーか!』
ha『不味くないって せっかく作ったのにそんな言い方ないでしょ。』
オ『不味くないから不味くないって言ってんじゃねーか! しかも食べてるし!じゃあなんて言えばいいんだよっ!』
ha『合わないのは仕方ないけど もっと言い方ってあるでしょ。そんな風に言われてやる気なくす!』
オ『なんだよ!俺に正直に不味いって言ってほしいの!?それとも嘘ついておいしいって言ってほしいの!? 大体なんでおいしいとか不味いとか言わないといけないんだよっ!』



ハァ~。 

こんな時 オモチサンの人に対する気遣いのなさというのか優しさのなさにほとほと嫌気が差す。 どこまでも利己的で自信過剰で 自分を省みるとか譲るとかそういうのが全くない。 過去に謝ってくれたのはわたしが記憶する限り 結婚前わたしが日本に帰ると家を飛び出したあの時だけだ。 そう、たったの一回だ。 たったのっ!!! 

毎回毎回わたしだけに非があるはずはないだろうに。 
いつもわたしがムードに耐えかねて わたしが悪かったと謝る。 たまには少し反省してもらおうと頑張ってはみるけど結局は根負けだ。 
ただ とにかくわたしが謝れば気が済む様で その後は少しも引きずる様子はなく至って普通に戻るのが唯一の救いだ。 
ネチネチしないのは彼の長所だろう。 


こんな日はゆっくりお風呂にでも入ってひとり楽しもう。 
いい日ばっかりなはずないもんね。 オモチサンも元々調子がよくなかったのかもしれないしー。 あんまり気にするのやーめよーっと

もしかしてわたしの機嫌の悪さの原因
 生理前もそうだけど、マフラー買って貰えなかった恨みかも!?  
今度珠海に行ったら 絶対、絶対、買ってやるっ! 


DDT

2005-10-01 05:19:35 | ハシホの小房間

october 1 sat  -27-
昨夜のこと。調べものをしていたらすっかり遅くなり 深夜3時過ぎにベッドに入ったものの 身体が火照るように熱く眠れず。 エアコンを稼動し部屋の温度を下げても効果なし。 寝返りを打つ度オモチサンを起こしてしまいそうなのが気になって じっとしているのも疲れたのでついに起き出してシャワーを浴びました。 只今am5:20です。  すぅっと眠れないのは おそらく昨日の出来事の興奮が冷めきらないのが原因と思われるので 今ここに書きます。 

+++++++++++++++++++


一日考えてやっぱりあのGパンを買おうと決めたら なんだか急に売れてしまうような気がしてきて そわそわと胸騒ぎがする。 5時すぎにはいてもたってもいられなくなり 洗い物を放り出し家を出た。 
そんな時に限ってバスはなかなか来ない。 おまけに明日からの連休の為か日頃は考えられないほどの渋滞だ。  
基本的に物欲低めなわたしは 売れてしまったら縁がなかったといつも未練なくさっぱりしてるのに どうしてかこの時は違った。 なければ仕方ないよなーと冷静な反面 期待が捨てきれず体温が上昇していくのを感じた。
ようやく到着し小走りで駆けつけると案の定不安的中、 あのGパンはなかった。あれが最後の一枚で売れてしまったんだそう。 ショック。なんだかとっても落ち込む。

行くあてもなく呆然と歩いていると オモチサンから電話。
サッカーに行くから9時頃待ち合わせをして ご飯を食べに行こう、 でもその前に軽く食べておいてね  とのこと。 
買いたかったGパンが売れてしまっていた、と話すと 
『たぶんそれはあんまりよいモノではなかったよ、もっといいのがきっと見つかるから大丈夫。今度は気に入るモノがみつかったらすぐに買っちゃおうよ!』 
と慰めてくれた。 
ありがとう。 その久しぶりの優しい言葉で、また探してみようかなと少しだけ思い直して チェック済みの店をもう一度回りだした。 ふと以前ムイムイと一度だけ覗いた店のことを思い出し駄目もとで向かう。 
店の前まで行くと、閉店したのか休みなのかシャッターが閉まっている。急に身体から力が抜けてどっと疲れを感じ とにかくちょっと休もうとすぐ隣のカフェに入った。 そこはこの辺りでは珍しいパッと見おしゃれ系の佇まい。 ムイムイと今度行ってみようね と話してた店、 名前は 『DDT』

店内に入ると昔通った渋谷や青山辺りの古い小さなライブハウス風。 打ちっぱなしの床と黒く塗られた壁と天井、黒と白の角ばった革張り(合成かも)のソファはゆったりと配置され、まあるい白い照明からオレンジ色の光が広がっている。

一番奥の壁に沿って作られた白いソファに囲まれた一角に座った。
決して高級感はなく お世辞にも掃除が行き届いているとはいえないけど 不思議に不快感はない。ふとテーブルの灰皿に目が行く。 なんのヘンテツもないよく見かける黒い陶器の灰皿。 合格だ。 他にもこんなお洒落系を目指してると思わせる比較的居心地のいい店はあるのだけど 例外なく灰皿がダサく その完成度の低さに決まってがっかりさせられるのだ。
 
気分よく店内を観察していると 感じのいい都会的な女の子が水とメニューを運んできた。 おなかが空いてなかったのでハニーレモンだけにしようかと思ったのだけど ガーデンサラダをみつけて一緒にオーダー。 メニューの英語が正しく表記されているのを見てうれしく思う。 
値段の安さからして料理は(とくに地元メニュー以外は)あまり期待できないなと判断したものの 壁いっぱいのソファにもたれかかったら 自分がみるみるほどけていくのを感じた。

聞きなれた洋楽がかかっている。日本ではごく普通のことだが これもまたこの辺りの店では珍しく とても心地がいい。
落ち着いて周りを見渡すとハタチ前後と思われる 東京風照れあり?張り切らない?外しテク?お洒落をした子達でいっぱい。一般にこっちの子のお洒落はキメキメ ヌカリなし、やる気充分完璧イメージなので、この店は外とはちょっと違った なんとなくリラックスしたムードになっている。 
彼らと同じくらいの年頃の5,6人のウェイター&ウェイトレスは私服。ウェイトレス陣はそれぞれセンスある感じ。ウェイター陣は皆似たようなだらしなさめの格好だけど清潔感はアリ。

するとウェイターの一人が笑顔で近づいてきて ご注文は済んでますか? と聞いてきた。 聞き取れなくて何度も聞き返してしまったのだけど 嫌な顔一つせず 繰り返し言ってくれた。 こんな時 あからさまにイライラされるのに慣れているので 接客ってこれだよね!と 少し心が弾む。
   
この辺りの習慣なのか誰も気にしないからなのか シルバーを使って食べる料理の場合 殆どの店において料理と一緒にシルバーは用意され その料理のお皿に無造作に乗せられる。 でもここはサラダが運ばれてくる前にペーパーナプキンとフォークが丁寧にテーブルに置かれた。 
いつもは気にしていないつもりのそんな小さなことがこれほどにうれしいとは。 ちょっと感動した。
席を案内してくれたウェイトレスも 料理を運んでくれたウェイターも 笑顔で丁寧で控え目な、わたしの大好きな接客だった。 この店の接客はわたしの知る中国の中で ダントツNO.1 と認定する。

丁寧に盛り付けられたサラダを食べながら 次から次へいろんなことを考えた。
この店の接客は行き届いたスタッフ教育の賜物だろうか? 
いや たぶん違う。彼らが独自に持った感性だと思う。 常々この国では余裕のできた時代に育った若い世代はマナーもよく モラルも高いと感じていたが 今それが集結した形を見ているのではないかな。 お客さんたちも同様、 大声を上げる人もなくテーブルも汚していないし それぞれリラックスした時間を楽しんでいるように見える。 
こういう人たちが 自分が暮らすこれからのこの国を担っていくのだと思い 胸に安堵と期待が広がる。

遠くのテーブルに子連れのママを見つけた。黄色の黒猫Tシャツがかわいい。暫く見ていたけど子供は騒ぐことも席を立ってウロウロすることもなく お行儀よくちょこんと座り食事をしている。ママのポンパドールにした前髪と耳から上の髪をおだんごにしたヘア、メガネと時計が効いた見慣れたスタイルを見て懐かしさが込み上げた。 この音楽 この接客 この空気・・・・・。
 
そこには慣れ親しんだ 『東京』があった。


わたしの生まれは 都内から高速を使って2時間弱の都会でもなく かといって田舎でもない市街なのだけど そこに対して全く思い入れはない。 これといった想い出も殆どない。 12年前自ら選んで東京に行ったのではないが 生まれ育った街を離れてすぐに あそこは好きじゃなかった、居心地が悪かった、と気づいた。 東京に引っ越して何年かの間は連絡をくれる友人もいたけど 今ではわたしが今ここにいる事すら知る人はいないはず。 それについても寂しくは感じない。 むしろさっぱりしたというのか 開放された気分というのか。

それに引き換え東京には 良くも悪くも至る所に忘れ難い想い出がたっぷり転がっていて 懐かしく感傷に浸ることもしばしば。帰りたいなともよく思う。そして何より 大事な友達がいてくれて最愛のムイムイもいる。  

『東京』 がわたしの故郷なのだ。
  
           

        
この店はわたしの中の愛郷心をほんの一時かもしれないが満たしてくれるのだと思った。 再び周りを見渡すと 制服姿で煙草を吸う高校生もいて もしかしたら地元では不良の溜まり場みたいに思われている場所かもしれないなと思ったけど、わたしにはこの街の何処よりも治安がいいように感じられた。 ここでなら 『私は日本人です』 と堂々と自信を持って言える気がした。 
そして これから寂しくなったときにはここに来よう、学校帰りにはここに来て勉強しよう、 そうだ、ここを隠れ家にしよう と思ったら胸が熱くなった。
 
そういえばGパンが買えなかったおかげで今ここにいるんだと思い出し Gパンが売り切れていたことに本気で感謝する。


知らぬ間に随分時間が経っていたせいか温かい飲み物が欲しくなって 追加で珈琲をオーダーした。 安いしきっとまた予め砂糖と脱脂粉乳がたっぷり入ったアレだろうと予想はついたけど ここでならアレでも充分だ。
(ちゃんとした珈琲を置いているお店はたくさんあるけど、そういう珈琲はご飯より高いので 飲みたいなと思ってもなかなかオーダーする勇気がないのです)

暫く待ってグリーンのランニングにキャップを被ったウェイターが運んできたものは 見慣れたステンレス製の使い込まれたサーバー用のポットと少しほっそりした瑠璃色のマグカップだった。白いスプーンは陶器だ。 感激。

お注ぎしますか? と丁寧にカップに注いだ後 残りのポットを指して とても熱いので気をつけて下さいね、と何度も言ってくれた。  
言葉通りの熱々の珈琲は大好きな酸味の利いたものではなかったけど 久々の入れたての珈琲は充分すぎるほどに美味しかったし こんなマグカップも陶器のスプーンもこっちに来てから初めてのことだ。 

でもまさかカップとスプーンでこんなに癒されるとはね。。。 

ひょっとしたら 今自分の中にこういう類の小さなストレスが積み重なっているのかもと気付く。 少し疲れているのかな。 わたしの潜在意識はこういう空間を求めているのかもしれないな。。。

ああ、そうだ、 こういう肩の力が抜けた丁寧さが わたしは何より大好きだったんだ。 


オモチサンと暮らすことになってから 平穏を懇願するあまり少し無理をしてきたのかもしれない。 海外で暮らす現実的な不安も手伝って いろんな面でちょっと譲りすぎたのかも。
中国で暮らすからには彼の意見に従うのが利口だと考えていたし 言い合ったところで勝ち目はないから要望にもできるだけ応えようという気持ちの度が過ぎた結果 自分を見失いかけているのかもしれない。 


わたしは古着が好き。 ビンテージやDCブランドじゃなくてとにかく安い古着。 お気に入りを見つけたときの楽しさもいいし なにより汚れても破れても気にならない気軽さが好きなのだ。 特有の使い込まれた生地のまろやかさも 古着屋のあのもわんとしたなんとも落ち着くにおいもたまらない。

この辺りには古着を売る店はなく 着ている人もいない。 単純に趣味に合わないのだろう。 オモチサンも例外ではなく もっとキレイな服を着てよと言うし いかにもな古着を着て歩いたら目立ってしまいそうで控えていた。 
毎日のように ソバカス多いなー とか 目がパンダになってる とか ここがもっとぽっちゃりしたらいいのに等と 指摘しまくるオモチサン(自分を棚に上げて!)の要望にだって健気に応えようと 精一杯キレイめな服を選び ミュールを履き 定番のまとめ髪をおろしたりもしていたのだ。
 
でもそれは本来わたしの趣味ではない。 不得意な分野だから要領がつかめずしっくりこなかったのだ。 あぁ 最近の 老いていく悲しみのような 自信のなさはそこからきていたのかも。
 
だってわたしは BIRKENを色違いで揃えこよなく愛してきたのだし見た目だってそれが好きなのだ。 髪も顔にかからないまとめ髪が好きだし ブローはできないけどアレンジならバリエーションもある。 ワンピースをさらっと着こなすのは苦手だけど zuccaやTOCCAと古着の重ね着ならちょっと自己満足したりもするのに。  
何に対しても心地のよさや気楽さを優先してのびのびとやってきたから、 スープが跳ねるのを気にしながらラーメンを食べる事に慣れていないのだ。 早く座りたいのにスカートが汚れるのを気にしてキレイな椅子を捜していたから 疲れが溜まったのだ。
  

長い人生を共にするパートナーとして 譲れる所はできるだけ譲っていこう という志が間違いだったとは思わないし これからも持ち続けたいと思う。でも 何もそこまで 自信を失くしてまで 自我を抑える必要はないのかもしれない。  

そして またGパンのことを思い出した。 そもそもGパンを買おうとしたのは手持ちがボロイのしかなくて ちょっと大人風のキレイめなのが必要だと思ったからだった。 本当に買えなくてよかった。 あれは要らない。 だってわたしははきやすいボロめのが好きだから。

謎が解けたような気分で珈琲を一口飲むと 目の前に出ていた服をとりあえず着て飛び出してきた事を思い出し パジャマ同然の酷い自分の姿を惨めに思った。 かつては溶け込んでいたであろう慣れ親しんだ空間にいるはずなのに 今わたしはここで独り ポツンと浮いてるようだ。 
慌ててバッグからゴムを取り出して 髪をうしろで耳の上と下に分けておだんごを二つ作った。 少しすっきりした。 

気を取り直し せっかくの珈琲を味わおうと注ぎ足して飲んだら ポットのおかげかまだ少しも冷めていなくて 熱すぎもせず 調度いいやさしい温度だった。 

珈琲の入ったその瑠璃色のマグカップから ぼんやりと湯気のようなものが出ているように感じた。 
そっと両手で包むと その感触と温かさが掌から全身に染み渡っていき 堪えきれず涙がこぼれた。 少しの間止められなかった。


いつの間にか8時半を回っていたのに気付き 会計を済ませトイレに寄った。 手を洗う時 目の前の大きな鏡に映る自分の顔が目に止まった。 
髪をまとめたせいか 思ったよりずっと元気な顔だ。 眼差しも悪くない。
なんだ、悲観するほどの顔じゃないじゃん、それなりにかわいいよ、と思った。


店を出る時 グリーンのランニングの彼が丁寧に ありがとうございました  と言ってくれたので 『珈琲がとてもおいしかったです』 と言うと  『時間がある時また飲みに来て下さいね!』 と返ってきた。 やっぱり教育ではなく 彼の感性だなと独りがってん。 こういうアドリブはマニュアルにはないだろうからね。 爽やかな気持ちで歩く。 
わたしはきっと さっきのメガネのママみたいになろう。


思い立って あのGパンの店に戻った。 
隣にあったボロめのGパンを試着して 一つ小さいサイズを注文した。
キャンセルはできないそうなので ちょっと心配だけどいいんだ。

また今日 ボロいGパンを買ったことに意味があるから!


 


マメ

2005-09-30 00:00:00 | ハシホの小房間

september 30 fri -26-
今日家の中の一番の重労働 床のモップ掛け をしたんだけど  あ~手が痛いなー と思いつつも 汗を流して必死にがんばったんだ。 
で やっと終わってモップを洗い さあ次は雑巾掛けだー と雑巾を手にしたら 左手の親指の付け根とてのひらに なんとマメができて皮が剥けてたー! 痛いワケだよねー!
それで手にマメができたなんて誰かに言いたくて さっそくムイムイ(妹)にメールしたら
 『えー!皮が剥けるまで掃除してたのー?もういいよー(>_<)』
とのこと。 それもそうだよね。

やっぱりこの前試着したGパン買っちゃおうかなー。 激安じゃなかったから ちょっと遠慮してたんだけど 南米帰りのおばさんにおこづかいも貰ったし こうやってわたしもけっこう頑張ってるし!(地味だけど!)
それにしてもマメなんて 小学校の鉄棒思い出しちゃったよ。 たぶん あれ以来だな。

ところで 明日からオモチサンは6連休。 だけど 別にうれしくない というかむしろ仕事行っててくれた方が楽なんだけどってかんじー 
結局旅行は連休中の桂林は飛行機も高いしってことでやめになって(やっぱね) 近場の珠海にでもちょこっと1~2泊行こうかって話。 わたしはそれよりエステに行きたいんだけど。 でも ちゃんと行きますよ。 こんなマンネリ気味のときはそういうちょっとした工夫と心がけが必要なんだよねー。