夏期講習の4タームが終了しました。受講生の皆さん、お疲れ様でした。私の右腕も、お疲れ様でした。…というのは、小田原校が最も右腕に負担がかかるんです。黒板を水拭きしてしまっているせいで、ツルツルなんですね。ちゃんと書くのに力の要ること、要ること。先週から今週にかけて、小田原校で計5講座(25コマ)ありましたので、右腕がプルプルです(涙)
さて、表題の件。「時事ネタ」のカテゴリーに入れておきますが、「原の小論文&推薦・AO入試のための時事教養」の第5講の補足です。
まずは、2007年の平和宣言。2年前のブログの記事から抜粋した、原文の一部引用です。出典は、広島市HP。
「(忘れたい過去を語り続ける)被爆者の努力にもかかわらず、核即応態勢はそのままに膨大な量の核兵器が備蓄・配備され、核拡散も加速する等、人類は今なお滅亡の危機に瀕しています。時代に遅れた少数の指導者たちが、未だに、力の支配を奉ずる20世紀前半の世界観にしがみつき、地球規模の民主主義を否定するだけでなく、被爆の実相や被爆者のメッセージに背を向けているのです」「唯一の被爆国である日本国政府には、まず謙虚に被爆の実相と被爆者の哲学を学び、それを世界に広める責任があります。同時に、国際法により核兵器廃絶のため誠実に努力する義務を負う日本国政府は、世界に誇るべき平和憲法をあるがままに遵守し、米国の時代遅れで誤った政策にははっきり「ノー」と言うべきです」
部分の説明は以下の通り。これまた、2年前のブログの記事から抜粋。
<略>…例えば、「時代に後れた少数の指導者たちが、…(略)…、20世紀前半の世界観にしがみつき」というフレーズ。「20世紀前半の世界観」というのは、帝国主義世界観を指します。その時代、列強各国は力による支配を目指して植民地争奪戦を展開したんですね。その過程で各国の利害が対立し、2度にわたる世界大戦へと発展していったのです。「時代に後れた少数の指導者」が誰を指すのかは解釈が分かれると思いますが、後に「米国の時代遅れで誤った政策」と言っていることから、ブッシュ大統領は含まれるのでしょう。国連決議なきままに、イラクが大量破壊兵器を保有しているとして(実際は見つからなかった)、イラクに侵攻したことなどを指して「時代遅れで誤った政策」としているのでしょう。
それから、「唯一の被爆国である日本国政府は、まず謙虚に被爆の実相と被爆者の哲学を学び」「世界に誇るべき平和憲法をあるがままに遵守し」というフレーズも登場します。ニュースを見ていたら、広島市長がこの言葉を発した瞬間、カメラを列席の安倍首相に向けました。その時安倍さんは…、うつむいたまま。「(原爆は)しょうがない」発言に対する遺憾の念もあったでしょうが、改憲を進める立場として、広島市長を直視できなかったのだと思います。広島市長が「世界に誇るべき平和憲法」と賞賛した日本国憲法を、今まさに、初めて改正しようとしているのです。
で、次は今年(09年)の平和宣言。07年の「アメリカ(≒ブッシュ)の糾弾」から180度転換しております。出典は、同じく広島市HP。一部引用です。
今年4月には米国のオバマ大統領がプラハで、「核兵器を使った唯一の国として」、「核兵器のない世界」実現のために努力する「道義的責任」があることを明言しました。核兵器の廃絶は、被爆者のみならず世界の大多数の市民並びに国々の声であり、その声にオバマ大統領が耳を傾けたことは、「廃絶されることにしか意味のない核兵器」の位置付けを確固たるものにしました。
それに応(こた)えて私たちには、オバマ大統領を支持し、核兵器廃絶のために活動する責任があります。この点を強調するため、世界の多数派である私たち自身を「オバマジョリティー」と呼び、力を合せて2020年までに核兵器の廃絶を実現しようと世界に呼び掛けます。その思いは、世界的評価が益々(ますます)高まる日本国憲法に凝縮されています。
(略)
最後に、英語で世界に呼び掛けます。
We have the power. We have the responsibility. And we are the Obamajority.Together, we can abolish nuclear weapons. Yes, we can.
…最後の英語の部分、受験生の皆さんにはわざわざ和訳を付ける必要はありませんね。
オバマ大統領の言う「Change」が具体的に何を意味するのか、「時事教養」講座ではお話しました。アメリカ国民以外も、オバマ大統領に期待していることもお話しました。以上は、その具体例です。
広島市の平和宣言、私は毎年、全文を精読しています。8月6日というと、例外なく毎年超多忙なのですが。ぜひ、多くの方に読んでいただきたい。ニュースサイトや広島市のHPに掲載されますので、良く噛みしめて読んでみてください。そして、その変遷を追っていくと、「平和」という観点からみた世界の諸相がつかめてくるはずです。
さて、明日はオフ……のはずだったのですが、小田原校で仕事をすることになりました(涙)講義ではなく、私の嫌いなデスクワーク。執筆に資料が必要なのですが、「持出厳禁」のものなのですね。本当はこの5日間でやってしまう予定だったのですが、忙しくてできず…。せめてもの休息として、朝寝坊して小田原に行きます。では。今日はこの辺で。
さて、表題の件。「時事ネタ」のカテゴリーに入れておきますが、「原の小論文&推薦・AO入試のための時事教養」の第5講の補足です。
まずは、2007年の平和宣言。2年前のブログの記事から抜粋した、原文の一部引用です。出典は、広島市HP。
「(忘れたい過去を語り続ける)被爆者の努力にもかかわらず、核即応態勢はそのままに膨大な量の核兵器が備蓄・配備され、核拡散も加速する等、人類は今なお滅亡の危機に瀕しています。時代に遅れた少数の指導者たちが、未だに、力の支配を奉ずる20世紀前半の世界観にしがみつき、地球規模の民主主義を否定するだけでなく、被爆の実相や被爆者のメッセージに背を向けているのです」「唯一の被爆国である日本国政府には、まず謙虚に被爆の実相と被爆者の哲学を学び、それを世界に広める責任があります。同時に、国際法により核兵器廃絶のため誠実に努力する義務を負う日本国政府は、世界に誇るべき平和憲法をあるがままに遵守し、米国の時代遅れで誤った政策にははっきり「ノー」と言うべきです」
部分の説明は以下の通り。これまた、2年前のブログの記事から抜粋。
<略>…例えば、「時代に後れた少数の指導者たちが、…(略)…、20世紀前半の世界観にしがみつき」というフレーズ。「20世紀前半の世界観」というのは、帝国主義世界観を指します。その時代、列強各国は力による支配を目指して植民地争奪戦を展開したんですね。その過程で各国の利害が対立し、2度にわたる世界大戦へと発展していったのです。「時代に後れた少数の指導者」が誰を指すのかは解釈が分かれると思いますが、後に「米国の時代遅れで誤った政策」と言っていることから、ブッシュ大統領は含まれるのでしょう。国連決議なきままに、イラクが大量破壊兵器を保有しているとして(実際は見つからなかった)、イラクに侵攻したことなどを指して「時代遅れで誤った政策」としているのでしょう。
それから、「唯一の被爆国である日本国政府は、まず謙虚に被爆の実相と被爆者の哲学を学び」「世界に誇るべき平和憲法をあるがままに遵守し」というフレーズも登場します。ニュースを見ていたら、広島市長がこの言葉を発した瞬間、カメラを列席の安倍首相に向けました。その時安倍さんは…、うつむいたまま。「(原爆は)しょうがない」発言に対する遺憾の念もあったでしょうが、改憲を進める立場として、広島市長を直視できなかったのだと思います。広島市長が「世界に誇るべき平和憲法」と賞賛した日本国憲法を、今まさに、初めて改正しようとしているのです。
で、次は今年(09年)の平和宣言。07年の「アメリカ(≒ブッシュ)の糾弾」から180度転換しております。出典は、同じく広島市HP。一部引用です。
今年4月には米国のオバマ大統領がプラハで、「核兵器を使った唯一の国として」、「核兵器のない世界」実現のために努力する「道義的責任」があることを明言しました。核兵器の廃絶は、被爆者のみならず世界の大多数の市民並びに国々の声であり、その声にオバマ大統領が耳を傾けたことは、「廃絶されることにしか意味のない核兵器」の位置付けを確固たるものにしました。
それに応(こた)えて私たちには、オバマ大統領を支持し、核兵器廃絶のために活動する責任があります。この点を強調するため、世界の多数派である私たち自身を「オバマジョリティー」と呼び、力を合せて2020年までに核兵器の廃絶を実現しようと世界に呼び掛けます。その思いは、世界的評価が益々(ますます)高まる日本国憲法に凝縮されています。
(略)
最後に、英語で世界に呼び掛けます。
We have the power. We have the responsibility. And we are the Obamajority.Together, we can abolish nuclear weapons. Yes, we can.
…最後の英語の部分、受験生の皆さんにはわざわざ和訳を付ける必要はありませんね。
オバマ大統領の言う「Change」が具体的に何を意味するのか、「時事教養」講座ではお話しました。アメリカ国民以外も、オバマ大統領に期待していることもお話しました。以上は、その具体例です。
広島市の平和宣言、私は毎年、全文を精読しています。8月6日というと、例外なく毎年超多忙なのですが。ぜひ、多くの方に読んでいただきたい。ニュースサイトや広島市のHPに掲載されますので、良く噛みしめて読んでみてください。そして、その変遷を追っていくと、「平和」という観点からみた世界の諸相がつかめてくるはずです。
さて、明日はオフ……のはずだったのですが、小田原校で仕事をすることになりました(涙)講義ではなく、私の嫌いなデスクワーク。執筆に資料が必要なのですが、「持出厳禁」のものなのですね。本当はこの5日間でやってしまう予定だったのですが、忙しくてできず…。せめてもの休息として、朝寝坊して小田原に行きます。では。今日はこの辺で。