小論講師の徒然草

大学受験予備校で小論文を教える者が日々思うところを徒然に…。

憲法改正論議

2007年08月12日 22時52分33秒 | 時事ネタをぶつぶつ
久しぶりに休み。…といっても、教材作成などのたまっていた仕事を片付けていましが…。予備校講師の夏って、そんなもんなんです(涙)

さて、憲法についての続き。今日は、憲法改正論議について。

一番の論点は、9条です。9条は、「戦力不保持」を謳っています。そうするとまず出てくる疑問が、「自衛隊は戦力ではないの?」ということ。これについて、政府は、「自衛隊は最低限度の自衛力であって戦力ではない」と無理な説明をしています。…でも、おかしいですよね。客観的に見た(予算や人員、機材等の戦闘遂行能力)場合、諸外国の軍隊と比較しても相当な実力があるといえ、やはり単なる防衛力というには無理がある。要するに、我が国への侵略に備え、戦力を保有できるように憲法を改正して、自衛隊の位置づけを明確にしたいというのが、改憲派の主張です。また、憲法は「集団的自衛権(同盟関係にある国家が侵略された場合に、その侵略国に攻撃をする権利)」を認めていません。90年、。イラクがクウェートに侵攻した際、各国が多国籍軍を形成してイラクの鎮圧にあたりました。その時日本は…。9条との兼ね合いから多国籍軍に参加せず、金銭的な協力だけをしました。これが、各国から大変批判されたんですね。「日本はカネしか出さんのか!」と。こういうことがあって、主にアメリカからプレッシャーをかけられているんですね。「クウェート侵攻のような場合に日本も自衛隊を出せるようにしろ」と。それで、9条改正が謳われるわけです。

もう一つの大きな論点は、いわゆる「新しい人権」についてです。我が国憲法は1947年に施行されて以来一度も改正されていません。ですから、「60年前のまま」の憲法なんですね。そうすると、当時は意識されていなかったが、時代と共に保障の必要が生じた権利については、手当ができていないんですね。プライバシー権や環境権がそれです。今は誰もが「プライバシー権」とか「プライバシー侵害」という言葉を使いますが、憲法には「プライバシー」の「プ」の字も出てきません。それをきちんと憲法に書き込み、保障をしようというわけです。

憲法改正についての主な論点と改憲派の主張は以上の通りです。明日は、ちょっと私見を紹介。

さて、明日からの5タームは厚木校。頑張りまーす!

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