小論講師の徒然草

大学受験予備校で小論文を教える者が日々思うところを徒然に…。

08後期配布資料1

2009年11月07日 04時22分44秒 | 小論文・面接の話
[1]環境問題

一般論として環境問題全般につき問う問題、あるいは、地球温暖化という特定のテーマで出題される可能性がある。「環境問題は他の優先課題に劣後する」が思考のポイントである。また、環境問題に関連する問題として、「バイオ・エタノール」の問題がある。

[2]物価高

物価高の原因は、①サブプライムローン問題に起因する投資マネーの原油先物市場への流入→原油高騰→原材料・包装・輸送コスト高、②中国・インドの発展による世界的需要増、③バイオエタノールの普及による穀物価格の高騰、である。

[3]世界金融恐慌

サブプライムローン問題に起因する金融不安は、ついにリーマン・ブラザーズを破綻させ、世界市場に大混乱をもたらした。【後期】「演習②」で登場するフレーズの言うところの、「アメリカ主導のグローバル化が、先進国・途上国の政治・経済・社会を混乱させる」例と言えよう。今後、日本では円高に伴う業績低迷、それを理由とする賃金カット・リストラ・就職難という形で長期的に影響すると考えられる。この大混乱が示すところは、金融経済の限界、現物経済への回帰の必要性か。なお、各国で金融機関への公的資金の注入が検討されているが、血税からの支出という点でその妥当性は問われよう。下記、参考記事。

◎サブプライムショックに起因する世界経済の混乱

サブプライムショック(低所得者向け住宅ローンに起因する金融不安)が引き金となり、様々な影響が出ている。投資ファンドは株式市場から資金を引き揚げ、原油市場に大量の資金を注入した。結果、世界的な株安を生じさせ、また原油は急騰し、それに伴う原材料価格の高騰・燃料代の高騰・輸送コストの増大が物価の急騰を招いた。国民生活は圧迫され、多くの企業を破たんに追い込んだ。2008年9月15日の時点で、リーマン・ブラザーズの経営破たんが、バンク・オブ・アメリカによるメリルリンチの買収が報道されており、投資銀行・投資ファンドとて例外ではなかった。
サブプライムローンは、人間が作った金融手法の一つである。その仕組みに欠陥があった場合、いかにとてつもない被害をもたらすかを実証した。ウォール・ストリート的資本主義の罪を反省し、世界経済の健全な発展という視点を常にもち、十分なリスクマネジメントをしたうえでの経済活動が展開されるべきである。

[4]食の安全

この問題は、①偽装のケース、②有害成文の混入、の2つの類型がある。①については、「安全>利益」の構図を再確認すること、②については海外におけるチェック機能の強化、我が国の食糧自給率の上昇が必要か。

[5]医師不足(偏在)

訴訟リスクの高さや激務などが理由で、産科医と小児科医の不足が深刻である。

[6]少子・高齢化


[7]北京オリンピックと中国
 
北京オリンピックは成功のうちに閉幕した。しかし、その裏には様々な問題が存在していたことも事実である。
まずは、聖火リレー問題としても取り上げられた民族問題である。中国政府はチベットやウイグルに対して厳しい姿勢を示した。それは、中国国内でのオリンピック中継を時間差で行ったことにも表れている。これから中国が先進国として世界をリードする存在となるにあたり、様々な文化・価値観を認め、受容し、共栄を目指すことが必要であろう。
また、オリンピックの期間中に、いわゆるグルジア問題が生じたことも見逃せない。オリンピックは平和の祭典である(古代オリンピックは、その期間中は戦争を行わないことを目指して行われた)。そうしたオリンピックの趣旨に背く行為に対して、国際社会は毅然とした態度を示すべきであろう。
さらに、今回のオリンピックは環境問題との関連でも問題を提起した。北京オリンピックは、盛大なものとなった。一方で、4年後のロンドンオリンピックは、できる限り既存の施設を利用するなどして、環境に負荷をかけないオリンピックを目指すという。地球環境の急速な悪化を受けて、オリンピックも環境との調和のもとに行うのだという姿勢は望ましいといえるだろう。

[8]代理出産

反対論として、「代理出産を肯定した場合、これを生業とすることが考えられ、これは生命倫理に反する」ということも挙げられよう。「先天的に子宮がない場合、子宮がん等で子宮の摘出をした場合」などに限定して肯定するのも一つの立場か。

[9]成人年齢引き下げ

成人年齢を18歳に引き下げるべきだという議論がなされている。きっかけとなったのは、07年5月に成立した憲法改正に関する国民投票法が、18歳以上に投票権を与えたことになる。
賛成論を組み立てるのであれば、①18歳から契約が可能となり国民生活の利便性向上につながる、②高校を卒業した歳に進路選択をする実情に合致する、③高校卒業後に有権者になることになれば高校の教育がより社会生活と結びつき有意義なものになる、などを論ずればよいであろう。
反対論を組み立てるのであれば、①18歳に契約可能年齢を引き下げれば消費者トラブルが増加する、②政治に無知・無関心な若者に投票権を与えるならば民主主義が一層形がい化する、③18歳から大人として刑事事件を審理されることになれば更生・社会復帰の道を閉ざすことになりかねない、などを論ずればよいであろう。


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