今週(第8講)の小論文クラスでは格差社会をテーマの1つにしております。今日は、それに関連するニュースが1つ。
日産自動車の役員報酬は平均1億7000万円!
いや、すごい。従前、役員報酬は公表されませんでしたが、青天井の役員報酬に歯止めをかけるため、1億円以上の報酬が出ている場合は公表させるようになったのですね。まぁ、目的は正当なんですが、役員のプライバシーという点からは問題になるでしょう。仮にこのことが小論文で出題されたら、プライバシーは反対利益として必ず挙げたいところ。
欧米の、特に金融機関の役員報酬はもっとべらぼうに高い。それが批判されてもいるわけですが。公的な(税金による)支援を受けた会社の役員がべらぼうな報酬を受けている(国民からしたら、なんで我々の血税が連中のポケットに入るんだ!といった話)ことが発覚したり、青天井の役員報酬を狙った金融各社が強引な経営を行ってリーマンショックを引き起こした、そしてそれにより多くの人が仕事を、家を失ったりしたことが批判の根拠。もっともです。そこで、オバマ大統領は規制しようとしているんですね。
欧米に比べれば日本企業の役員報酬はかわいいもの。ただ、国民の平均世帯所得がぐんぐん下がっているなか、それでいいのか、という問題は残る。
厚生労働省「平成20年国民生活基礎調査」によると、我が国の平均世帯所得(1世帯あたりの所得)は、
平成10年…655万円
平成19年…556万円
なんと、10年間で100万円も下落している。これと比べて、1億7000万円の役員報酬というのは…??「格差はかく開き」と思います。
労働者と経営者というの観点が上に述べた点ですが(その意味では垂直的考察)、これを職種や企業間格差で(水平的に)考察すると、以下のようになります。データは、「大学進学・就活進路図鑑2010」(光文社)から収集しました。
日産「役員報酬」平均…1億7000万円
プロ野球選手平均…3751万円
弁護士平均(*1)…3453万円
開業医平均…2500万円
私立病院勤務医平均…1700万円
朝日新聞社平均…1335万円
大和証券平均…1187万円
パイロット平均…1295万円
大学教授平均…1133万円
任天堂平均…957万円
ソニー平均…933万円
キリンビール平均…885万円
国家公務員平均…825万円
公認会計士平均…818万円
司法書士平均…800万円
伊勢丹平均…740万円
地方公務員平均…689万円
アシックス平均…669万円
ヤフー平均…614万円
歯科医平均…549万円
薬剤師平均…496万円
看護師平均…465万円
会社員全体平均…434万円
理学療法士平均…407万円
プログラマー平均…407万円
漫画家平均…400万円
ファッションモデル平均…400万円
フライトアテンダント平均…350万円
栄養士平均…346万円
保育士・幼稚園教諭平均…330万円
美容師平均…280万円
学校カウンセラー平均…200万円
フリーター・パート平均…140万円
(*1)日弁連調査。厚生労働省調査と差がある。
会社員全体平均の434万円とフリーター・パート平均の140万円を足すと574万円になり、平均世帯所得(556万円)をちょっと超えるのですね。だから、こういうバランスが我が国の一般的な世帯所得内訳、ということになるのでしょう。
昔の職種別平均はよくわかりませんが、「1億総中流」と言われていた時代はこんなに大きくはなかったのでしょう。プロ野球選手だって、1億の年俸を超える選手が出始めたのは、案外、最近の話ですから。やはり、「格差かく開き」です。
問題は、こういう社会の構造でいいのか、ということ。これは講義でお話しましょう。しっかし、すごいな、日産の役員…。
日産自動車の役員報酬は平均1億7000万円!
いや、すごい。従前、役員報酬は公表されませんでしたが、青天井の役員報酬に歯止めをかけるため、1億円以上の報酬が出ている場合は公表させるようになったのですね。まぁ、目的は正当なんですが、役員のプライバシーという点からは問題になるでしょう。仮にこのことが小論文で出題されたら、プライバシーは反対利益として必ず挙げたいところ。
欧米の、特に金融機関の役員報酬はもっとべらぼうに高い。それが批判されてもいるわけですが。公的な(税金による)支援を受けた会社の役員がべらぼうな報酬を受けている(国民からしたら、なんで我々の血税が連中のポケットに入るんだ!といった話)ことが発覚したり、青天井の役員報酬を狙った金融各社が強引な経営を行ってリーマンショックを引き起こした、そしてそれにより多くの人が仕事を、家を失ったりしたことが批判の根拠。もっともです。そこで、オバマ大統領は規制しようとしているんですね。
欧米に比べれば日本企業の役員報酬はかわいいもの。ただ、国民の平均世帯所得がぐんぐん下がっているなか、それでいいのか、という問題は残る。
厚生労働省「平成20年国民生活基礎調査」によると、我が国の平均世帯所得(1世帯あたりの所得)は、
平成10年…655万円
平成19年…556万円
なんと、10年間で100万円も下落している。これと比べて、1億7000万円の役員報酬というのは…??「格差はかく開き」と思います。
労働者と経営者というの観点が上に述べた点ですが(その意味では垂直的考察)、これを職種や企業間格差で(水平的に)考察すると、以下のようになります。データは、「大学進学・就活進路図鑑2010」(光文社)から収集しました。
日産「役員報酬」平均…1億7000万円
プロ野球選手平均…3751万円
弁護士平均(*1)…3453万円
開業医平均…2500万円
私立病院勤務医平均…1700万円
朝日新聞社平均…1335万円
大和証券平均…1187万円
パイロット平均…1295万円
大学教授平均…1133万円
任天堂平均…957万円
ソニー平均…933万円
キリンビール平均…885万円
国家公務員平均…825万円
公認会計士平均…818万円
司法書士平均…800万円
伊勢丹平均…740万円
地方公務員平均…689万円
アシックス平均…669万円
ヤフー平均…614万円
歯科医平均…549万円
薬剤師平均…496万円
看護師平均…465万円
会社員全体平均…434万円
理学療法士平均…407万円
プログラマー平均…407万円
漫画家平均…400万円
ファッションモデル平均…400万円
フライトアテンダント平均…350万円
栄養士平均…346万円
保育士・幼稚園教諭平均…330万円
美容師平均…280万円
学校カウンセラー平均…200万円
フリーター・パート平均…140万円
(*1)日弁連調査。厚生労働省調査と差がある。
会社員全体平均の434万円とフリーター・パート平均の140万円を足すと574万円になり、平均世帯所得(556万円)をちょっと超えるのですね。だから、こういうバランスが我が国の一般的な世帯所得内訳、ということになるのでしょう。
昔の職種別平均はよくわかりませんが、「1億総中流」と言われていた時代はこんなに大きくはなかったのでしょう。プロ野球選手だって、1億の年俸を超える選手が出始めたのは、案外、最近の話ですから。やはり、「格差かく開き」です。
問題は、こういう社会の構造でいいのか、ということ。これは講義でお話しましょう。しっかし、すごいな、日産の役員…。