蛇足探偵 N山M彦 第3話 2005年03月24日 | ブロ藝春秋 ママはため息をついて、そして言った。 「鼻にコンタクトレンズが入ってるわよ」 「うわ」 まったく覚えがない。よく見えないと思った。 「あなた、まだ探偵やってるの?」 探偵を始めて7年と5ヶ月。それほど忙しくはないが、なんとかなるものだ。 N山には、天性の才があった。 顔に少しだけ細工をすると、総理大臣に瓜二つなのだ。 それは驚くほどそっくりで、永田町を歩いていてSPに囲まれたこともある。 これまでに数々のピンチを、そのおかげで切り抜けてきた。 去年の秋もそうだった。(つづく)