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「脱原発」の足をひっぱる朝日新聞

2012-12-10 20:09:32 | 原発反対派と推進派
「脱原発」の足をひっぱる朝日新聞

<被曝労働は「労働」ではない>

朝日新聞がこのような記事を出した。

http://digital.asahi.com/senkyo/sousenkyo46/news/TKY201212080576.html?ref=senkyokiji_txt_end_kjid_TKY201212080576(原発作業員「脱原発は票集め」 語られぬ労働問題)

この朝日記事のタイトルは、明らかに「脱原発」を票集めのための「点数稼ぎ」であるかのように印象づけ、他方で収束作業労働を「自明」としている。選挙を前にしてどういう政党の足を引っ張り、どういう政党を勢いづけるか一目瞭然だ。しかも被曝労働者の発言を利用してこうしたタイトルをつけるのは卑劣極まりない責任逃れとしか言いようがない。

これだけはまず言っておく。

 被曝労働、とくに福島収束作業労働は「労働」ではない。
 それは「労働」に名を借りた致死的な「大量被曝」であり、「雇用」の名を偽った「国家的殺人」だ。

 労働とは本来少なくとも、賃労働や家事労働なども含め、労働者の生存と未来をつなぐはずのものだ。いくら金銭が支払われるとは言え、「被曝労働」はそれと間逆だし、特に収束労働は、第一原発(とくに使用済み核燃料プール)の状況次第では急性障害を起こすほどの放射線を浴びる可能性もある。そうなれば、ただの死でさえなく、凄まじい苦痛を伴う生き地獄を味わうことになる。「人権侵害」という言葉では生ぬるいくらいの圧倒的な「人権侵害」だ。

<東日本に住み続ける、という「人権侵害」>

 収束作業という圧倒的な「人権侵害」を「自明」にして、自民党の憲法改正を「人権侵害」と批判することには力も持たない。このようなタイトル・記事を書いてしまう朝日新聞的な「人権」意識の薄さは、朝日だけのものではない。少なくとも、収束労働の担い手がいなくなれば福島原発から膨大な量の放射能がばらまかれ、東日本に住むことはほぼ不可能なわけだから、少なくともその住民は皆収束労働という圧倒的「人権侵害」を自明にし、アテにしている。

 本当にこの人権侵害を問題視しているなら、収束労働をいかなる形でも支えてはならない。それを止めるために、あらゆる手段を尽くして労働者をそれに従事させないようにする、あるいはそこから逃すようにしなければならない。そのような被曝をさせないために、そこしか働き口を見つけられなった者には無条件で生活保護受給を認めさせるべきだし、同時に生活保護受給者への監視体制・窮屈さなども改善させなければならない。それだけでなくまだまだすべきことはあるかもしれない。

 収束労働の担い手がいなくなった東日本はどうなるか?逆に聞くが、収束労働を「自明」として、従事労働者に対する「人権侵害」をアテにして、つまり「収束作業労働者の生命がどうなるか?」を問わないで当たり前のように東日本に住んでる人間にそんなこと聞く資格あるのか?
 
東日本に住まざるをえない状況に追いやられてる人間が大多数なのは確かだが、収束作業労働が必要であるという口実をなくすために政府には完全なる移住保障を求めたい。今の生活水準を完全に保障させるための運動が必要だ。今すぐ東日本住民全員移住して労働者を皆収束作業から解放できないのなら、少なくとも本来これくらいはやらなければならないはずだ。

<朝日新聞~原発と被曝を推進する戦犯>

 収束作業という「人権侵害」をアテにして、自分が東日本に住み続けていることを「自明の」前提にしているなら、もはや選挙レベルで右派の「人権侵害」傾向を批判しても左右のどんぐりの背比べ程度にしか見えないし、見方によって右派のほうが一貫性があるかのように見えてしまうだろう(実際自民党は一貫して人権侵害的な方針を打ち出している)。そして、この朝日記事タイトルのようにそういう書き方して「脱原発」の足を引っ張るだろう。大々的な「人権侵害」の上に成り立つ、それをアテにした「人権侵害」批判にもはや力はない。朝日のように堂々と「人権侵害」をアテにするなら、今回記事のようにそこから発される「人権侵害」批判など貫徹されるわけもない(というか端から挫折している、と言ってよい)。結局「脱原発」の足を引っ張るだけだ。

 被曝労働、特に収束作業現場から作業員を逃すこと、そして東日本住民への完全なる移住保障を求めることが必要だ。

収束作業という圧倒的「人権侵害」を止めるために何が必要かという、こうした不可避の現実をとらえることなく、その「人権侵害」を当たり前とした地点から理屈をこね、「脱原発」の足を引っ張る朝日新聞は今や、列島に住む人々に被曝を強いる戦犯である。