花日和 Hana-biyori

進撃の巨人 16巻

ネタバレのあらすじメモと感想。

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16巻 レイス家に継承されてきた初代王の力や記憶・思想が、人類を救わないことが明確になる巻。新たな謎が生まれたといっても良さそう。

冒頭、ヒストリアは姉のフリーダを思い出し父に何処にいるのか問うが、フリーダは巨人化したエレンの父グリシャに喰われたこと、巨人の力を奪われた上にレイス家の子どもたちと妻が惨殺された過去が語られる。

ヒストリアの腹違いの姉フリーダは始祖の巨人を継承し(15歳のとき巨人化し父の弟を食べて)、世界の成り立ちと経緯を知った。王家は力とその記憶を一人の人間に委ね、100年継承してきたという。巨人をコントロールする力はレイス王家の血を引くものでないと発揮されない。

レイス家が始祖の巨人の力を継承しても、それを人類のために使うことはない(初代レイス王の記憶の呪縛により)ため、ヒストリアは巨人になることを拒み、エレンを逃がす。ロッド・レイスが巨人化し地下洞窟が崩落の危機直前にエレンは鎧の巨人化する。

途中、ケニー・アッカーマンの回想によって彼の出自の背景が明かされる。ケニーの父の話によれば、アッカーマン家はかつて王政の懐刀だった。王による記憶改竄の力に影響されない少数派の血族で、王の考えに異を唱えた(東洋の一族と共に)ため迫害される一族となった。ケニーの妹はリヴァイの母だった。以前、ミカサの父もアッカーマン一族の末裔だったことや、並外れた身体能力もこの血のお陰と示唆されていたが、なるほど納得。

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エレンが自分や父親のせいで人類が被害を被ったことを自覚する場面が痛ましい。正確にはグリシャのせいでもないのだが。

一方ヒストリアは自分の血の使命よりもユミルの願い通り個を捨てず生きることを選んだのが良かった。父親が、「神」とか寝言言い出した時点で覚醒するのが面白い。ここでユミルとの関係がまた生きてくるとは。エレンを逃がすことは優しさや進行上の都合ではなく、ヒストリアの自立的反抗という意味合いが強く伝わってきた。
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