日にちが空いてしまうのが気持ち悪いのでとりあえずアップ。また追記する可能性は大。
もう一昨日の話ですが、レイトショーを観るために十三まで自転車で行ってきました。仕事帰りなのでそれほど遠くと感じませんでした。さすがに帰りには少々お尻が痛くなりましたが
観た映画は、過激な問題作と評判の『おそいひと』。場所は、『靖国』の上映で話題になっている第七藝術劇場。ラッキーなことに水曜日はレディスデーで1000円でした。
そういえば当日も『靖国』のチケットは完売でしたよ。右な議員さんの行動などで逆に宣伝効果あったんだね~とか思いますよ。ワタシは並ぶのがイヤな性分なので、ブームが納まってからと思いつつ、七藝のサイトを眺めてて気づいたのが『おそいひと』。
さて、こちらはドキュメンタリーじゃなくドラマです。スミダーさんは役者として登場。
柴田剛監督作品「おそいひと」( 2004 /DV/ 日本/ 83min. 製作:シマフィルム)
監督:柴田剛 出演:住田雅清、堀田直蔵、とりいまり
住田雅清。重度身体障害者。電動車椅子で移動し、ボイスマシーンで会話を交わす。新人ヘルパーに恋心を抱いた住田は、自分の中で整理しきれない違和感が少しづつ肥大し、加速していく。
スミダーさんとかって知り合いのように書いてますが、ワタシ自身は面識ございません。ただ、かなり関西では有名な方と思います。某MLでも映画が完成した当初ぐらいに、上映会のお知らせなどが巡っておりました。
んで、感想としてはフツーにドラマでした。スミダーさんという役者が魅力的な恐ろしさで描かれていました。一言で言うと絵になっていた。
モノクロームに近い映像とカメラのフレームワーク、音楽などで、ミュージックビデオの手法や見せ方に近いものがあるなと思いました。
途中、カメラマンらしき人物が、スミダーさんをモデルに写真を撮るシーンがあるのですが、スミダーさんもかなり楽しんでいると思われます。結局このカメラマンもスミダー容疑者の手にかかってしまうのですが...。
大音響やらなにやらを覚悟して行ったのですが、フツーに楽しめる映画です。もちろん介護を受ける者、介護をする者との間に生まれうるエロスの問題は深い話なのですが。
追記します。
素人のスミダーさんをあそこまで魅力的に際立たせたのは、監督・演出の技。そういった視点でも観れます。
ストーリーは複雑じゃなく台詞も少ないので淡々と進行しますし、殺人のシーンはモノクロームで撮っているがゆえに、さほど酷い映像になってないです。
もちろん狂気の映画ではないです。何度か繰り返される印象的なシーンがあって、それは山の上まで続く階段を前にしてスミダーさんがUターンするシーン。絶対に車椅子では上れないとわかっていながら、何度もそこへ向かい、そこに佇む姿。とても切ないシーンです。その後、、電動車椅子でUターンという動作が殺害シーンで繰り返し出てきます。
ありきたりと言えばそうかもしれません。だけど、この心象風景はすごく効果的に使われてます。
介護を受けるということ。おそらくほとんどの人間は、歳を経てその立場になるのですが、そのときに、「介護を受けるだけの立場に慣れていく過程」みたいなものを、今の元気な状態からも若干ながら想像できるでしょう。
しかし、この映画のスミダーさんは、そしてたぶん現実のスミダーさんも、それを拒み続けている。その思いの強さと現実の弱さとの葛藤が、とても伝わってくる映画でした。
十三大橋を渡りました
七藝の看板
ボーリングのピンが目印
斜め向かいにねぎ焼きのやまもと
もちろん食いました!
http://kavc.or.jp/cinema/index.html
「見る価値あり」ですか?
第七芸術劇場はロゴがいい感じ。
一度行ってみたいです。
内容については、一番は主人公の魅力。
また、hamarieさんが書かれているように、シーンごとに主人公の心を感じられるところもよかったです。
ただ、理屈っぽい見方をする僕には、引っかかる点が結構あり、☆3つというところでした。
商業主義のお話とともにまた議論しませう。