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by hamarie_february

空を見上げて考えた

2009-07-08 01:18:02 | 学問・社会

昨日は七夕でしたね~。

ずいぶんサボっているブログのネタにしようと、小さなベランダから久々に夜空を見上げてみましたが、残念ながら曇り。星空は期待できるはずもなく、蚊に刺されただけでした。

晴れていたら見えるのかどうか、実はここからは確認したことがありません。空を見上げる機会って少なくなりました。

たぶん、いくら見上げたって、そこに何もないのが長い経験でわかっているから。月はたまに見ますけど。

今年は世界天文年ということもあり、各地でさまざまなイベントが行われたようです。天文学の研究者さんのブログで紹介されていました。

七夕前夜@平松の活動記録 on tenpla.net

皆既日食の日も近づいています。天文ファンには、いや、そうでないワタシにも楽しみな現象ですが、どうか曇りにならないよう(神様に?)お願いしたいところです。

話は少し変わって、サイエンスのファン層について。こちらで興味深い考察がされています。

天文学が人気があるのはなぜか@地獄のハイウェイ

多くの天文ファンが天文学者と同じ岸に立っているからこそ
天文学者は天文ファンを対等のコミュニケーションの相手と見なし
天文ファンは分野の先頭を駆ける同士としての天文学者を応援する、
そういった構図があるのではないだろうか。

 

御意。ワタシもそうだろうなぁと思って、実は以前、平松さんにもコメントしたことがあるんですよね。昨年のノーベル賞ラッシュに関してのエントリーに平松さんからTBをいただいたため、ご挨拶に伺ったときのもの。

ノーベル賞とネットと@平松の活動記録 on tenpla net

「楽しい」は基礎科学の動機であり魅力だろうと私も思ってます。ただし、それを志す人(子どもも含まれる)や生業としている人にとっては、ということだろうなと思っています。

それでも比較的に言えば、天文学は一般の人で趣味でやってる裾野人口が大きいと思ってますが、それは「天体望遠鏡」という個々人に配布可能な探索機器ができたからでしょう。

巨大施設のみで検証している研究分野に、私が不満な点は、無理難題と思われるかもしれませんが、そういうことです。

それに対して、こういう答えが返ってきました。

科学の楽しみ方は、僕が考えるに少なくとも二つあって、それは「自分で科学をやる楽しみ」と「研究者によってなされた科学の成果に触れる楽しみ」です。前者はhamarie_february さんのご指摘のあった天体望遠鏡を持つ天文趣味人の楽しみ方ですが、後者はたとえば関連書籍を読んだり講演会に行ったりすることで実現が可能です。僕も昔から天文が好きでしたが、どちらかというと後者の意味での「楽しい」でした。素粒子物理学においても、この後者の楽しみなら実現可能ですよね。もちろん個々人の興味関心の度合は違うので、万人がそれで楽しいかどうかはわかりませんが。

さらに言うと、個人が所有できる望遠鏡で見える/わかる宇宙と研究者が使う望遠鏡で見える/わかる宇宙の間にはかなりギャップがあります。そういう意味では天文学も「巨大施設のみで検証している研究分野」なんです。

まぁ、ワタシもどっちかというか、後者タイプの楽しみ方なんですよね。ただ、それでは決して「強力なパトロン」にはならない。先駆者たちの偉業を心底称え、応援するまでにはいかない。何事も自分がやってみないと、どれほど大変かがわからないから。

また、個人趣味で買った天体望遠鏡と、研究者が使う望遠鏡に大きな差があるのはもちろんそうだと思いますが、少なくとも自分たちの趣味の延長線上にはあるんですね。もしかしたら、失礼ながら素人と研究者の差は、取り扱う道具の差だけかもしれないと・・・。

ピアニストやゴルファーに、さらに強力なパトロンがつくのは、取り扱う道具がまったく同じなのにもかかわらず、彼らの技術がスゴイからですね。

しかし、サイエンスは違う。

最先端の機器を導入すれば、誰にだってDNA鑑定が可能になっちゃった。

いや、そうじゃないかもしれない。でも、そういうふうに見えちゃってます。

 

そんなわけで、天文学に限らず、さまざまな分野のサイエンティストたちには、もっと自らの技術や才能やアイデアのスゴさをアピールしてほしいかなと思います。いや、もちろんそれは、K_Tachibanaさんが嘆いておられるような、自分を一方的に売り込もうとしゃべりまくることじゃありませんが。

そう考えると天文学以外で同じような形で
一般市民とコミュニケーションが成り立ちそうなのは
分類学とか生態学といった博物学系とかそんなところだろうか。
残念ながらバイオサイエンスとかにはちょっと期待できそうにない。
(@地獄のハイウェイ)

きっと、バイオサイエンスにも期待できるやり方があるんじゃないでしょうか。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
大人になると (yassan)
2009-07-08 21:16:47
何かの本で読んで、そうだなあと思ったんですが、
子供の頃はよく、空を見上げてたのに、大人になるとなぜかしたばっかり見て歩いている人が多く、空を見てるひとはほとんどいないようですね。

その本を読んでから、結構意識的に空を見上げてます。

なぜかわかりませんが、天気のよい早朝、空を見上げて深呼吸すると気持が晴れ晴れします。


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旅に出たり (hamarie_february)
2009-07-08 21:41:03
非日常的な状況だと空を見上げますけど、本当に日常的にはなくなってたなぁと思いました。

でも朝日を浴びる習慣はいいですね。今後は私も心掛けて空を見上げるようにしてみます。
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