
久しぶりの東京。
いつものように木曜日から土曜日の2泊3日で行ってきました。
今回のお目当ては、上野で開催中の美術展。
ルーベンスに、フェルメールに、ムンク!
こんなのが一度に観られるなんて、やっぱり東京ってすごいなぁ~。
フェルメール展は、混雑緩和のために入場時間が指定されていたので、事前に15時~16時半入場のチケットを購入。
その待ち時間を利用して、まずは東京都美術館で開催中の「ムンク展~共鳴する魂の叫び」を観に行きました。
唯一の撮影スポット(笑)
できればここで、変顔で写真に納まりたかったのですが、自撮りが苦手なので看板だけ。
ムンクと言えば「叫び」
小学生か中学生の頃に、美術の教科書でこれを見て「ムンクの叫び」と記憶している人も多いかと思います。
確かにタイトルは「叫び」ですが、中の人は口を開けているけど叫んでいるのではなく耳を塞いでいます(笑)
「叫び」を含めた展示全体を通して、ムンクという画家の「生きた姿」を垣間見ることができました。
近親者の喪失体験、孤独、不安、憂鬱・・・そんな中で、芸術は唯一の友達だったのではないかな、と。
晩年、ムンクは自分の作品を「子どもたち」と呼び、気に入った作品は手元に残しておいたのだそうです。
ムンクの最後の自画像『自画像/時計とベッドの間』には、その「子どもたち」が飾られている、と解説にありました。
明るい色彩の部屋に立つ老齢のムンクは、力が抜け、表情はないけど穏やかです。
全体的に不安を掻き立てるような絵が多かった分、何だか救われたような気持になりました。
ムンク展の会期は、2019年1月20日(日)まで。
ムンク展は思ったほどの混雑はなく、展示室を3往復くらいしても1時間半くらいで観終えました。
フェルメール展にはまだ時間がありますが、公園内のカフェを覗くも、混雑していてゆっくりするのは無理そうです。
せっかくなので、当初予定にはなかった『ルーベンス展―バロックの誕生』を観ることにしました。
ルーベンスと言えば、「フランダースの犬」でしょうか。
主人公のネロが、失意のうちに辿り着いたアントワープの聖母大聖堂で「いちばん見たかった」と言った2枚の絵が、ルーベンスの『キリストの降架』と『キリストの昇架』でしたね。
ルーベンスの絵は、筋肉ムキムキでダイナミックというか、煽情的なところがあって疲れます。
なお、副題に「バロックの誕生」とありますが、バロック美術は観る人の感覚や感情に訴えて、カトリックの教えを分かりやすく伝え、信仰心を高めるための芸術なのだそうです。
バロックの宗教画は「観る聖書」といったところなのでしょう。
展示にはルーベンス以外の作品も含まれていて、壁面いっぱいの大きな作品も多かったので、1時間程度で見終えました。
こちらがルーベンス展の自分土産。
美術展に行くと印象に残った作品のポストカードを買うのですが、肖像画以外の2点はけっこうツボでした(笑)
ちゃっかり、ネロとパトラッシュが描かれたクリアファイルも(笑)
ルーベンス展の会期は、2019年1月20日(日)まで。
さて、最後は楽しみにしていた『フェルメール展』へ。
フェルメールの作品は、2012年11月にそごう広島店で開催された「フェルメール光の王国展」で観たことがあります。
といっても「re-create」つまりは複製なのですが、最新の印刷技術で再現されたものです。
今年はそごう横浜店で開催されたようですね。
その時、こんな写真を撮ってたのを思い出しました。
確かにこの時、全37作品を観たはずなのですが、いまいち記憶がありません(^^;
ネットの情報では、入場は指定時間のギリギリくらいがちょうど良いということで、16時頃に上野の森美術館へ移動。
日時指定入場制ということもあり、心配していたほどの混雑はありませんでした。
フェルメールの作品は9点のみで、展示室の最後にまとめて飾られています。
それ以外の部屋は全て「フェルメールと同時代の画家」の作品なので、中には「フェルメールがないじゃないか!」と学芸員に文句を言っている人もいました(汗)
確かに、何も知らずにフラッと来た人だったら、全部が全部フェルメールだと思って観ても仕方がないかなぁ。
ムンク展は全てがムンクの作品でしたが、「叫び」以外の絵を観て、それがムンクかどうかを言い当てるのは難しいですし。
ルーベンス展も、影響を受けた画家たちの絵だと、やっぱりすぐに判別はできなかったです。
それにしても、フェルメールの絵ってこんなに小さかったっけ??
本物は本物なんだけど、見づらくてあまり心に響いてきませんでした。
どちらかと言えば「同時代の画家」たちが描く、庶民的な肖像画や静物画など、オランダ美術の作品の方が興味深かったです。
フェルメール展の会期は、2019年2月3日(日)まで。
フェルメール展は1時間ほどで見終えました。
来年は大阪でも開催されますが、もう行かなくてもいいかな~。
今回観たので十分満足です(笑)
それにしても、素晴らしいと思ったのは手前に写っている小冊子。
展示は絵のタイトルのみで説明ボードがなく、その代わりに説明が書かれた小冊子が配られます。
人が絵の前に長く滞留してしまうのは、絵をじっくり見るだけでなく、その説明を読むからではないかと思います。
小冊子のおかげで、絵を観たり、絵から離れて小冊子を読んだりと人が動くので、人の頭で全く見えないとか、待っても先に進んでくれないということはありませんでした。
フェルメール展では、時間制や小冊子の配布で混雑を回避。
ムンク展では、絵の前を歩きながら観る列と、絵の前に立って観る列に分けられていて、じっくり鑑賞できました。
混雑必至の展示では、こうした回避策が採用されていくのではないでしょうか。
いずれにしても、行くなら平日ですね~。
(おまけ)
17時を過ぎ、外はもう真っ暗。
通路で何か動いていると思ったら、大きな野良猫が餌を食べていました。
あまりの大きさに思わずギョッとしました(笑)
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