NECカシオモバイルコミュニケーションズ製であるN-03Eのおサイフケータイロックメニューは、おサイフケータイアプリの他、「セキュリティ」設定メニューに存在する。メニューの説明にあるとおり、「おサイフケータイロックを設定する場合にはロック解除セキュリティ(「情報」は誤りか?)の設定が必要」である。ロック解除セキュリティを「タッチ」のまま、おサイフケータイロックを設定しようとすると、「セキュリティ設定エラー」が表示され、設定の変更を求められる。
そのロック解除セキュリティを見てみると「なし」も含めて6種類の方法が用意されているが、おサイフケータイロックを利用するためには「なし」「タッチ」以外のいずれか、言い換えれば何らかの解除コードを入力する方法でロックをすることが求められる。今回は「パターン」を設定してみた。
改めて、おサイフケータイロックの設定を開くと、「画面ロックと連動」と「常にON」の2つの選択肢が出てくる。
「画面ロックと連動」とは文字通り、端末が操作できる間だけロックが解除されるものだ。おサイフケータイのロック解除の手間が省かれるメリットがあるが、タイムアウトしてスリープ状態になった際にも当然にロックがかかり、おサイフケータイが利用できなくなる。バッテリー消費を抑えようとタイムアウトまでの時間を短く設定していると、いざリーダライターにかざしたときにスリープになっていることもありそうで、扱いづらい印象だ。
たしかにロック解除は画面ロックと連動した方が便利だろうが、ロックをかける際には「画面ロックから30秒後」というような設定があると安心して使えるだろう。
「常にON」を選択した場合も気になる動作があった。
ロックを解除しようとした際、状態にかかわらず「おサイフケータイ ロック設定」のダイアログボックスが表示され、ロックをONするかOFFするかを選ばなければならない。また、解除方法は画面ロックと共通のものとなり、おサイフケータイロックの解除方法を別に設定することは出来ない。
「常にON」の場合、ロックする際に毎回「画面ロック連動」「常にON」の選択から始まるのもイケてない。この選択はいちいち利用者に強いるのではなく、別途どこかに設定を保存しておくべきだ。また、ロックをかけるのにわざわざ認証を必要とするのも理解に苦しむ。GALAXY SIIIがそうであるように(右側のスクリーンショット)、ロック操作は1タップで完了するのがよい。
これまで、「N」のスマートフォンが搭載してきたおサイフケータイロックの画面ロック連動機能を隣の芝のごとく青いものに見ていた。今回、実際にその挙動を確認してみたところ、画面ロックと連動することでロック方法の選択が制限されたり、省電力のための工夫と背反したりするなど実運用での課題が多いように感じた。
初のおサイフケータイ対応スマートフォンであるSH-03Cの発売から2年が経ち、おサイフケータイロックについては徐々に改善が進んでいるとは思うが、まだまだiモード端末での手軽さと使いやすさには追いついていない。この機能については、今後も注目していきたい。
【参考】
- GALAXY SIIIのおサイフケータイロックは改善されている (2012/8/25)
- Optimus LTEの「おサイフケータイロック」は、やや煩雑 (2011/12/17)
- SH-03Cの「おサイフケータイを安全に」は、道半ば? (2010/12/4)