TOMO's Art Office Philosophy

作曲家・平山智の哲学 / Tomo Hirayama, a composer's philosophy

新作「La Tuba di Paganini~チューバ2重奏の為のパガニーニ」初演予定

2023年04月15日 | 音楽
来る7月2日、新大久保スペースDoにて新作「La Tuba di Paganini~チューバ2重奏の為のパガニーニ」が新日本フィル首席チューバ奏者・佐藤和彦さんとスーパーチューバラバーのハッケちゃんにより初演されます。

どっからどうみてもバイオリンの、バイオリンによる、バイオリンの為のメロディーを、
敢えてチューバ2本の重低音で駆け巡るアメイジングすぎる作品です(笑)
我ながらよく書けたものだな、、、。

常識をぶち破るハッケちゃんのご依頼と佐藤さんの超絶妙技に感謝。楽しみです。

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生け贄、バッハ、マタイ受難曲

2023年04月08日 | TOMO's Art Office
生け贄はスケープゴートです。古代、あらゆる文明で生け贄の儀式が行われていました。その宗教的意味はまちまちですが、実用面での意義は一つ。神官のスケープゴートです。例えば神官が戦勝祈願に失敗したら、「ヤギの数が足りなかった」とか、「娘が処女ではなかった」とか難癖つけて責任逃れをするわけです。

不思議なことにこの風習は現代まで続いています。引責辞任とか、退職勧奨とか呼び方は変わっていますけど、要は権力者の保身の道具です。

僕は生け贄になるのも、神官になるのもゴメンで、可能ならこの不毛な風習をこの世から消し去りたい。でも、2000年以上続く人間の浅はかな思考を変えるのは難儀ですね。鋼の心を持つ同志が周りにいることが唯一の救いです。有り難し!

さて、本日はバッハ・コレギウム・ジャパンの「マタイ受難曲」を聴きに東京オペラシティへ。

「史上最大の生け贄の物語」を題材にした同曲は、音楽史上、最高傑作の一つであることは疑いようがない。
ルーマニアの哲学者シオランがバッハを「神の製造機」と評したのも無理なからぬことです。

鈴木雅明さんの解釈は以前より彫りが深くなり、ドラマ性を増していた。
あと、ソプラノの松井亜希さんは素晴らしいな。
日本のソリストは不自然に芝居がかった人が多いのだけど、彼女はちゃんと歌の中にドラマがあった。

僕も現代の讃美歌を書けるようにならないといけないな。

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