TOMO's Art Office Philosophy

作曲家・平山智の哲学 / Tomo Hirayama, a composer's philosophy

2004年11月16日 | 哲学的考察
 社会人になって平日(時には休日も)が仕事でいっぱいになると暇がなくなります。オケみたいな趣味を持っていたりすると土日もフル回転!なんてこともあるのでなおさらです。学生時代のように何もしないでぼーっとしている時間なんてほとんどありません。哲学出身ということもあり、人生や生き方に思いをはせる時間がとれなくなるのは残念なことです。

 古代ギリシャ時代、プラトン、アリストテレスなど偉大な哲学家が登場します。西洋の思想の土台はこの時期に完成したといってもいいほどの仕事を彼らは成し遂げます。現代哲学の諸問題も突き詰めてみればこの時代にすでに考えつくされていた、なんてこともしばしばです。
 ではなぜ古代ギリシャでこのような哲学が花開いたのでしょう?答えの一つとして「スコレー」すなわち暇があげられます。古代ギリシャは奴隷制社会です。アテネ、スパルタなど強力な都市国家が周辺地域を侵略し、市民は奴隷を働かせて生活します。裕福な市民は自ら手足を動かして働く必要がなくなり、自然と暇ができるわけです。これが「スコレー」ですね。
 この暇な時間を使って裕福な市民は思索活動をしたり、時にはみんなで集まって議論をしたりするわけです。自然、哲学が花開く。労働などせずにひたすら考えて、議論しているわけですから当然と言えば当然。今と違って娯楽もそんなにないでしょうからね(笑)

 逆に考えると、こういう暇がなければ人間深く物事を考えたりしないわけです。日々生活のためにあくせく働いていたら「万物の根源は・・・」なんて考えませんね。とはいっても人間生きていく上で自分の生き方や目標についてじっくり考える時間は必要です。昔と違って奴隷なんていませんから自分で暇を作り出していくしかありませんね・・・やれやれ。

*ちなみに「school」の語源はこの「スコレー」から来ています。受験戦争真っ只中の学生さんには信じられないかもしれませんが。

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ブラスアンサンブル曲作り

2004年11月15日 | 音楽
 最近ブラスアンサンブルの曲を作っています。
某コンテストに応募するつもりなのですが、これがなかなか難しい。

 基本的にDTMと実際の楽器の音はまったく別物です。いくらPC上でよい音がしていても、実際に楽器で吹いてみると思いのほか音が薄かったりします。楽器同士の音色の混じり具合などの相性や、その楽器ならではの特性(音域や奏法)も大きな制約になります。もちろんその制約の中でいかに幅の広い音を出せるかがコンポーザーの腕の見せ所なのですが、そう簡単にはいかないようです。
 逆に考えるとそういう制約がないことがDTMの特徴ともいえます。器楽曲をそのままDTMに置き換えてもやはり貧弱な感じがしますね。DTMはDTMならではの音楽を生み出していかないといけないような気がします。

 ちなみに今手をつけているのはファンファーレ。12月にはブラスアンサンブルカテゴリーを作って順次公開していくつもりです。希望者には楽譜も差し上げますのでお楽しみに!

 

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