北越戦争というと河井継之助で、実際河井継之助なのだが、継之助ばっかだとどうもなあというのがある。
これまた司馬遼先生のお手柄というか、『峠』の影響が絶大なのだ。
で、ミリとしての関心事は当然ガトリング砲ということになり、はたして本当に使用されたのかどうかなのである。
河井継之助の史料は明治期に最初に出た『河井継之助伝』というのが1次史料に近いという意味で日記をのぞけばほぼ唯一の決定版らしく、これは国立国会図書館デジタルコレクションからまるごとDLできる。
ガトリング砲に関する記述は、これの163コマや221コマあたりである。
『どうだ甘く中るだらう』
この『河井継之助伝』、いにしえの文体で、当然旧字だらけで、現在ではほとんど使われない熟語とかも頻出するので、なんとなく雰囲気では読めるものの、ちょっと精査したい箇所など漢和辞典を引っ張り出してたいへんなのだ。
しかし、内容は北越戦争の状況・エピソードすこぶる詳細で面白く、継之助以外の―――安田正秀、川島億二郎、加藤一作、二見虎三郎、松蔵、鬼頭熊次郎、外山寅太、花輪求馬、三間市之進、山本帯刀、小林虎三郎(米百俵!)、稲垣平助、あるいは官軍側の山県狂介なんかの視点からこの戦を描くと、よりこの戦争の「無」がはっきりするのでないか。
キャラクターとしては、継サはしょせんステロタイプの「さむらい馬鹿」なので‥‥‥
峠(上中下) 合本版 | |
司馬 遼太郎 | |
新潮社 |