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怠惰なひな菊

漫画家・萩原玲二(はぎわられいじ)の怠惰なブログ(2006~2019)

まんが王国配信 ~ 『旋風のイリヤ』

2015-02-14 02:35:49 | 萩原玲二配信作品
電子コミックサイト・まんが王国で、萩原玲二の旧作『旋風(かぜ)のイリヤ(前後編)』が、昨日から配信されております。

ぜひ、ごアクセスを!

データは単行本からのスキャンですので、アーカイブ的に利用していただくのが最適ではないかと考えるところであります。



『旋風のイリヤ』は、1990年(たぶん)にヤングキング(少年画報社)で『東京爆弾娘』というタイトルで連載された作品の改題でして、さすがに四半世紀も前の作品となると、記憶はいくつかのキメゴマのみというありさまです!(単行本は93年発売)

やはり、このような場合にそなえて自分の単行本は手元においておくべきか‥‥‥

この作品でのいい思い出は、連載終了後にヤンキンのパーティーで、自分が「それほどメチャクチャ描いたつもりはないんですけど‥‥‥」と申しますと、すかさず「いや、メチャクチャだよ」と柴田昌弘先生!につっこんでいただいた!という!いい話が!!!(ほのぼの)


前の記事の配信作もそうなのですが、この前後編(全2巻)にも、いくつか短編が併載されておりまして、前編には別冊近代麻雀(竹書房)で描いた「我が愛しのジャンキィタウン」(88年)「ジャンキィタウンは平和を愛す」(89年)、後篇には、コミックコンプ(角川メディアオフィス)で描いた「学園用心棒K」(89年)「戦国用心棒K」(90年?)が収録されているはずです。

「我が愛しのジャンキィタウン」は、なんと自分がはじめて描いた麻雀漫画で(まだ昭和!)、担当編集は島本先生の『燃えよペン』でおなじみの川中島氏(仮名)!であります。


ちなみに『グッドバッドママ』の3巻にはコミックガンマ(竹書房)で描いた、「チャームくん」(94年?IV号戦車が出てきます・笑)「超伝導ロボ ライデン」(95年?「狙われた街」のパロディ)が、『ザ・マシーン・ガン・ドーターズ』には「風の中の子供」(近代麻雀オリジナル・96年)「冷たい街の情景」(近代麻雀・02年?)が併載されているはずです。

で、ガンマの担当は、竹書房のエッセイ漫画系ではおなじみの坂本もっちー氏、「風の中の子供」は近オリの黄金時代を築いたニシヲ編集長、「冷たい街の情景」は、テンパりチャンネルの閉鎖がきまって、現在つらいT橋氏であります(つらい)。

このへんの正しいデータは、近くきちんと初出等ふくめて、提示したいと!


まんが王国配信 ~ 『グッドバッドママ』 『ザ・マシーン・ガン・ドーターズ』

2015-02-11 06:11:16 | 萩原玲二配信作品
電子コミックサイト・まんが王国で、萩原玲二の旧作『グッドバッドママ(1~3巻)』『ザ・マシーン・ガン・ドーターズ』が、数日前より配信されております。

ぜひ、ごアクセスを!

現在、スマホ限定ということらしいのですが、データは単行本からのスキャンですので、アーカイブ的に利用していただくのが最適ではないかと考えるところであります。



『グッドバッドママ』は1997年~98年にミスターマガジン(講談社)で連載された作品で、担当編集は、現在中堅作家!として活躍する山本幸久氏と、マガジンの名物編集・三浦敏宏氏のW担当でありました。

二人が実名で登場する挿話もあり(2巻か3巻に収録)、その前後編は「麻雀もの」!だったという(笑)。
その闘牌は、福地誠氏が仕上げてくれたと記憶しております。

主人公・羽角搖子(はすみゆりこ)は、昭和41年丙午(ひのえうま)生まれで、連載時で30歳―――つまり作者と同世代という設定だったわけですが、ということはこの2015年には49歳という‥‥‥!
登場した10歳の娘・理里(りり)は29歳!になるのか!という!
時間の流れ!



『ザ・マシーン・ガン・ドーターズ』は、2000年にヤングサンデー(小学館)の増刊に掲載された中編で、担当編集は、風来坊的にいろいろと活動しておられる肩書きがよくわからない島田一志氏であります。

漫画家が自分の過去作をどの程度見返すものかは各自それぞれでしょうが、自分はまったくもってそういうことをしないため、どうしても読み返さねばならないときには、本当に作品の展開を忘れているので驚きます。

今回の『ザ・マシーン・ガン・ドーターズ』の無料試し読みをちらっとのぞいてみたところ、ガチの戦争シーンからはじまっていて、吃驚しました。
このイントロダクションは河出書房新社で単行本にする際(03年)、描き下ろしたのだった―――と、思い出しましたが、おそろしく趣味的で、われながら唖然としてしまった‥‥‥(唖然)


アーニャ日和 第10話

2013-07-19 00:00:00 | 萩原玲二配信作品


7/19更新のホーム社WEBマガジン「ぷら@ほ~む」で

『アーニャ日和』 漫画/はぎわられいじ
第10話 「自由を我等に!の巻」 (パートカラー・10P)

が配信されています。
ぜひ、ごアクセスを!(拝)


コメントにありますように‥‥‥↓

今回は手塚先生の『ブラック・ジャック』の一挿話の記憶に基づいているのであります。
といいますか、今回、参考にネットでシャチやイルカの動画をいろいろ観まして、なんというか「あいつらちょうかわええ!」ということなのであります。


一挿話とはすなわち、チャンピオンコミックス第7巻収録の第57話「シャチの詩(うた)」というエピソードであります。

『ブラック・ジャック』を全話読んでいる自信はないですが、この「シャチの詩」は、自分の中ではベスト3に入る。

『ブラック・ジャック』の凄さは、あの20P前後のページ数に、頑強なプロットが鬼のように詰め込まれた「構造美」とでもいうんでしょうか。
すべてのコマが綴れ織りのようにプロットと連携しており、一コマの無駄もなく組み上げられている。
教科書というか、教材そのものだと思う。

しかし、古今東西そうしたプロットが強烈な作品からは、いわゆる「詩情」は減じてしまいがちで、これは手塚先生の「ぼくは大友克洋の絵は描けるが、諸星大二郎にはかなわない」という旨の発言の、シニカルな自己批評を思い起こさせますね‥‥‥


ところで、アーニャのキャッチフレーズは「キュート・バット・イーヴル(Cute But Evil)」でありまして、この主題は、男性編集者にはどうもピンとこない向きが多いように思うのであります。

キュート(可愛い)とイーヴル(邪悪)を、相容れない対立するものと保守の権化である男子一般は規定しがちで、いやそうではなく キュート(可愛い)とイーヴル(邪悪)は、貨幣の裏表みたいな、サディストとマゾヒストみたいな、極右と極左みたいな、同じものなのだ!という認識がないと、アーニャの世界観に作者の自分と齟齬が生じるわけなのであります。

この点、女性編集者(=ジェンダーにおける女性)は何もいわずとも、キュート(可愛い)とイーヴル(邪悪)は一緒のものだとわかっていますから、あーだこーだの打ち合わせも、アーニャ・シリーズに関しては、とてもスムーズなのであります。

この『アーニャ日和』でも、第9話などは担当の女子編集の指摘で、理里のリアクションが全然変わったりしたのでした。

もちろん、女性編集万能というわけではなく、たとえば時代劇漫画や戦争漫画を担当して、武具や兵器がプロットと密接にからんでくるようなエピソードを緻密に打ち合わせできる女性編集はほとんどいないわけで、それは「適材適所」としかいいようがない。


しかし、今回のアーニャの振る舞いは、ただのテロリストであり、ただのシーシェパードなのであります。
ひどい!のであります。

おまけにコスチュームは、かの「津山三十人殺し」の都井睦雄であります‥‥‥
もはや夜明けも近づいた、死にましょう。なのであります‥‥‥
もっともパンツァーファウストは関係ありませんが‥‥‥
ドイツ軍の手榴弾も‥‥‥
魚運んでるRSOトラクターもなにがなんだか‥‥‥


さて、10回目の今回で、『アーニャ日和』の更新は終了なのでした。
おつかれさまでした。

はたして今後どうなるかは、全然わかりません!




ブラック・ジャック (7) (少年チャンピオン・コミックス)

秋田書店



アーニャ日和 第9話

2013-06-18 11:08:16 | 萩原玲二配信作品


6/18更新のホーム社WEBマガジン「ぷら@ほ~む」で

『アーニャ日和』 漫画/はぎわられいじ
第9話 「苺畑よ、永遠にの巻」 (パートカラー・10P)

が配信されています。
ぜひ、ごアクセスを!(拝)


コメントにありますように‥‥‥↓

“苺畑”といえば、ビートルズの代表曲「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」でありまして、グーグル先生に「liverpool strawberry field」とタイプして地図検索しますと、おおお、かの“巡礼地”をストリートビューできてしまうという‥‥‥
これがインターネッツ‥‥‥!
未来!


という次第であります。
これです↓

「苺畑救世軍孤児院」 Google マップ - 地図検索


作中に、有名な門柱を登場させてみましたが、建物については、某国民的アニメスタジオ付属?の幼稚園?を参考にしてしまいました。

ところで、その幼稚園もストリートビューできてしまうのですが、その隣にはその某アニメスタジオのファウンダーのアトリエがありまして、その駐車スペースにはシトロエン2CVが鎮座ましましてまして、ふと玄関のバルコニーをみますと、白髪の男性の後姿が写しだされておりまして、ここここれはあきらかに、みみみやざ(略)




アーニャ日和 第8話

2013-05-10 02:01:16 | 萩原玲二配信作品


5/10更新のホーム社WEBマガジン「ぷら@ほ~む」で

『アーニャ日和』 漫画/はぎわられいじ
第8話 「となりのオタマの巻」 (パートカラー・10P)

が配信されています。
ぜひ、ごアクセスを!(拝)


コメントにありますように‥‥‥↓

劇中の巨大おたまじゃくしについては、小学生のとき、友人が台風の後の水路で「洗面器くらいのおたまじゃくしが流されていくのを見た!」と熱弁していた記憶にもとづいているのであります。
「マジで!?」なのであります。


という次第であります。

巨大おたまじゃくしというネタは、かつて「九龍(クーロン)」(河出書房新社)に掲載されたアーニャ・シリーズの一編「アーニャの里山探訪」というエピソードや、『アーニャの麻雀日和(「アーニャ、麻雀を打2(ぶつー)」)』でもとりあげたことがあり、今回はそのディレクターズ・カット版(?)であります。


後半は、平安末期・日本最古の“漫画”『鳥獣人物戯画』のパロディで、もっとも有名な「甲巻」では失われていますが、基本この絵巻のオチは、カエルや兎や猿の饗宴が蛇の出現によってお開きになるというもので、「丙巻」にはそれが残ってますね。

参考 → 鳥獣戯画甲巻 復原A巻






ちなみに、今回アーニャが乗っているのはいつものメッサーシュミットKR200(風)ではなく、イソ・イセッタ(風)であります。
有名なBMWイセッタはこれのライセンス生産、改良型なわけであります(豆知識)。

ドイツ軍のジェリカンが車体後部に‥‥‥!




日本の絵巻 (6) 鳥獣人物戯画 [大型本]
商品の寸法: 34.2 x 26.4 x 0.8 cm
中央公論社