Stripe Volume

ストライプ ヴォリューム

魂って何でしょうね?

Sirena - Alba. Ray -

2012-01-06 00:00:16 | Sicily
一筋の光線から海は明け始まる。
太陽の瑞々しさは季節に由来するのだろうか。



波に揺られ嬲られ身を任せてそれを眺める。

海綿の繊維を結んだ網篭に二枚貝を幾つか。
彼の食事に足るように大きな粒のを拾った。



__ さ あの人の処へ届けにゆきましょうか。


私に向かって独り、呟いた。




----





浜が近くなったので顔を出して陸の男を捜す。
少々途方に暮れた風の彼が流木に座っていた。



__ おはよう。少しは眠れたかしら。


波間から呼び掛けると夢から引き戻された顔で私を認めた。


__ 火は大丈夫ね?水場は分かった?
 



夜更けと同じ眼差し。
動揺を隠して己の記憶を浚い直しているよう。

私もまた苦笑が浮かんでしまう。


太陽が空にある時は、金の髪と青い鱗の尾鰭。




__ ごめんなさいね。 苦笑
__ 私は夕べのシシィよ。私の昼の姿なの。






そして波の及ばない辺りへ、貝などを置いた。




__ これはあなたの食事にして。その為に採ってきたの。

__ 枯れた海綿も持ってきたわ。これで水を溜めて頂戴。



__ あなたに必要なものは探してくるから。



 また来るわね。

 用事のときは、波に触れて私の名を呼んで。

 私に伝わるわ。



じゃあね。



一方的に話してそして、寄せる波へ身を翻した。
彼からの返答を、たぶん私は聞きたくなかった。







 同じで、同じでなく。
 彼とは違って、当然。
 それも勿論、私は納得している。

 納得している。でも。
 懐かしい人を透かして見ている。
  
  面影を追っているのは勝手な私… それは何処かの心に。
  どこかに仕舞う。。。










 沈没船や難破船の散った品が眠る海底の洞窟へ潜る。

 過去の彼が使っていたような、現在の彼に必要な物。


 見つかるわ。
 
 … きっと。






浅い海の波のうねりが海中の、光の柱を揺らめかせる。




覚えていようといまいと… 変わらないものね。
私だけの海にすっと差し込んできた… その様。




 
  空に在るときは「天使の梯子」




 
そう言って笑った人に。





  海の中に差すのは、光の… リボンかな。ゆらゆらして。

  君にあげる。 笑  シシィ。






つかの間でも、また恋していられる。







… 出会いの新鮮さが懐かしいのは、、






Alba, Ray / 朝、 光の線
コメント (1)
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