Stripe Volume

ストライプ ヴォリューム

魂って何でしょうね?

Sagara

2011-01-27 12:11:45 | BlueYarrow
ぐぅんと大きく躰をしならせて青の濃い流れを目指し、潜る。


  … 昔々
   
      
       私達は海にいたことがありましたね …


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涼やかな水をくぐり流れに乗っていました。

大きな鰭の次々起こす、リズミカルな渦巻。

纏わっていた小さな者達がころころと巻かれ、楽しげに水中を舞います。

鰓を通る潮水はどこまでも透き通り、遠ざかるものは青に溶けゆきます。






辿り着いた処では、かすかに硫黄がかおる。
水底の泉が吐く、細かな泡の樹々が立つ森。


そぞろにすり抜けると鱗に気泡が大小、宝石のように光っていました。

古い鱗が剥れ、キラキラと散ってゆきます。
あれらは遙か下で積もるのかもしれません。

いいえ落ちる先を追ったことはありません。
どこまででも落ちていったかもしれません。




海が薄墨に沈んだとき、浮上して空を見ました。



昏い白色の空。

前に見たときは、海と同じ鮮やかな青色でした。




水面の空の流れはとても冷たく乾いて痛みます。

ずっと上から魚鱗のようなものが落ちてきます。

落ちて落ちて落ちて、次々と端境で消えました。

ふわりふわりと。

たくさん。



空にも私のような竜がいるの?


鰭で幾らかいてみても、空の応えは全く疎らで躰を高みへ運びません。
溶けあうほど近い色でありながら、けっして混ざり合わない密度の差。


凍えて痛くて諦めて海に潜りました。






暖かくて大好きな海。




… でも。




鈍色の空には誰かいたのでしょうか?





  


   
   私達のいた海 …





  



Sagara / サーガラ(海
コメント (1)
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