ちゃっかりツブくん

私には、孫が三人いますが、三者三様、同じ兄弟でもずいぶん違います。
三人いると、特に真ん中の子供だけが、他の二人とは、様子が違うように思います。
我が家の場合、見た目もそうですが、性格などもツブだけ他の二人とは違います。

普段は、娘が三人の孫たちを連れて遊びに来ますが、たまに個々に来ることがあります。
長男のまめたろうは、この４月から、週に一度、ツブのサッカーの時、学校から私の家に帰ってきます。
「玄関の鍵は開けておくからね。」
と言っても、黙って玄関のドアを開けることはなく、ピンポーンとチャイムを押します。
「鍵は開いているから、チャイムは押さなくても良いからね。」
と言うと、チャイムを押さない代わりに、外から大きな声で
「ババーッ！」
と怒鳴ります。
「外で怒鳴らなくても、黙って玄関を開けて入ってきて良いから。」
と言って、普通に私の家に入ってくるようになるまでに三ヶ月かかりました。
ジジババの家でも自分の家ではないという遠慮があるんだろうと思います。

次男のツブは、まめのサッカーの時と英会話スクールがある時は、私の家で待っています。
めったにありませんが、ミニの子守を頼まれることもあります。

普段は、娘と三人の孫たちが一緒に行動していて、特に何も感じないのですが、ママがいない状態で、一人だけと相対していると、その時の様子は三者三様だなと思います。
三人の孫たちは、ほぼ毎日のように私の家に来ていますが、娘がいなくて自分ひとりだけになると、まめとミニは、借りてきた猫のようになって、大人しくなります。
何となく、それなりの遠慮を感じます。
まめが学校から帰ってきて、私の家の玄関を開ける時にそれが表れているように思います。
なので、こちらが気を遣ってしまいます。
「何か食べたい？」
「何か飲む？」
「テレビをつけようか？」
などと、本人が何も言わないので、こちらが気を遣って聞いたりします。

ところが、ツブは違います。
まったく遠慮がない。
玄関は、黙っていても開けて入ってくるし、
「バナナジュースを作って！」
「ココアが飲みたい」
「お菓子ちょうだい」
など、その時々の要求をしてきます。
冷蔵庫を開けて、中に何が入っているかしっかり見て
「ババ、メロンをちょうだい」
などと言います。
あまりあれこれうるさく言う時は、
「もう、ダメ！」
とストップをかけるくらいです。
他所の家でも勝手に冷蔵庫を開ける様だと困るなと思いましたが、さすがにそれはないようで安心しました。

ツブは、そんな風に自分の家のように遠慮がないので、預かる私は、気が楽です。
三人の中では一番要求が多いし、言うことを聞かずにめちゃくちゃなことをするのもツブなのですが、それでも、気を遣わなくて良いので楽です。

そんなツブが、先日
「ババ、今度スイカ買ってね。」
と言います。
とにかく果物好きです。
果物なら、何でも食べます。
以前も一緒にスーパーへ行った時に、丸ごとの大きなスイカを見つけて
「スイカ買って！」
と言うので、まだ出始めの頃で高額だったのもあるし、そんなに大きなスイカを買っても冷蔵庫に入りきらないので、切り売りのスイカを買いました。

でも、ツブが今度買って欲しいというスイカは丸ごとのスイカのようです。
「今度ね。」
と言うと、
「２個買ってね。」
と、言います。
「どうして、２個なの？」
と聞くと
「ババの家で食べるのと、僕の家に持って帰るのと２個。」
だとか。
思わず、吹き出してしまいました。
ちゃっかり屋さんです。

そんな孫たちの言動で、日々癒されている自分を感じます。